EVのメリット・デメリットまとめ(2023年最新版)

テクノロジー・業界分析

テスラ モデル3

2023年のEV(電気自動車)世界販売台数は、2022年比で実に35%も増加する見通しです。しかしEVに反対する声は根強く存在します。確かにEVにデメリットは多くあるのですが、技術の進化によって改善されている部分も多く、近年状況が大きく変化したのも事実です。

そこで今回は、2023年時点におけるEVのメリットとデメリットをまとめてみました。


EVのメリット

レクサス RZ 450e

環境にやさしい

EVはそれ自体がCO2やNOxなどを発生することがありません。そのため環境にやさしいというメリットがあります。しかし発電時やEVの製造時にはCO2が発生しているため、環境にやさしいと言い切れるかは条件付きです。その点についてはデメリットの項目で説明します。

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維持費が安い

EVは機械的な部品が少ないため、メンテナンスコストが安いというメリットがあります。エンジンオイルの交換は必要ありませんし、ATフルードも不要です。また、ガソリンや軽油と比較すると電力の方がコストが安いので、燃料代も浮きます。
ちなみにテスラ モデル3の所有コストは1マイルあたり0.49ドル、トヨタ カローラは同0.46ドルで、ほとんど同じであることが明らかになっています。これは維持費や燃料代の安さだけでなく、残存価値の高さも影響しているようです。

「EVはバッテリーの交換代金が高い」という声もありますが、テスラの発表したデータによると、20万マイル(焼く32.2万km)走行後でもバッテリーの劣化はわずか12%でした。よって車両よりもバッテリーの方が長持ちすると考えられます。

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音が静かで振動も少ない

内燃機関は化石燃料の爆発からエネルギーを取り出しているため、エンジン音や振動をゼロにはできません。しかしEVは電気モーターで駆動していますから、静かで振動が少ないというメリットがあります。静かすぎて、ポルシェ タイカンなどにはモーター音をスピーカーから増幅して流すオプションが用意されているほどです。また、振動の少なさは疲労の軽減に直結します。

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加速が良い

ガソリン車であろうとディーゼル車であろうと、ある程度エンジン回転数が高くならないと十分なパワーが発生しません。過給器がついていたとしても、結局のところ過給器の動力はエンジンから取り出しているので、低回転ではパワーが不足します。

一方、モーターは最大トルクが非常に低い回転数で発生するため、停止状態からでも素早く加速できます。ガソリン車やディーゼル車が加速力でEVを上回るのは難しいでしょう。

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EVのデメリット

日産 サクラ

環境にやさしい?

発電時やEVの製造時にはCO2が発生しているため、EVが環境にやさしいかどうかは条件付きとなります。その条件とは、発電に用いられているエネルギー源が再生可能エネルギーであるかどうかです。発電やEVの製造に再生可能エネルギーが用いられていれば、EVは環境に優しい乗り物であるといえます。

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充電に時間がかかる

急速充電器は徐々に普及しつつありますが、それでもガソリンや軽油を給油するよりは確実に時間がかかります。自宅に充電設備があれば寝ている間に充電すればいいので、充電時間の長さはデメリットになりませんが、出先で充電するのはやはり面倒です。

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充電インフラの問題

欧米はともかく、日本のEV充電インフラは貧弱です。CHAdeMoの急速充電は50kWが多く、90kWに対応している充電器はまだまだ少ないのが現実となっています。
一方、EVのバッテリー容量は大きくなっているため、急速充電の出力が低いと充電にかかる時間が長くなってしまいます。自動車メーカーはその問題を解決すべく、より高出力な急速充電に対応したモデルをリリースしていますが、急速充電器自体が対応していなければ宝の持ち腐れです。

自宅にウォールボックスを設置すれば寝ている間に充電できるので、充電時間が長くても問題ありませんが、マンションやアパートなどの賃貸物件に住んでいる場合はそうもいきません。

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航続距離とコスト

EVの航続距離は、コストと引き換えです。航続距離の長いモデルはバッテリーをたくさん搭載しなければならないため、結局高価になります。バッテリーのコストは下がり続けていますが、同価格帯同士のEVとガソリン車を比較したら、EVの航続距離の方が短いという状況はしばらく変わらないでしょう。

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まとめ

ポルシェ タイカン・ターボS

EV自体が抱えていた問題は、ほぼ解決しつつあると言えます。しかしEV周辺の問題(再生可能エネルギーや充電インフラ)は、自動車メーカーだけで解決不能な問題であるため、解決に時間がかかると予想されます。アメリカでもテスラの所有者は一戸建てに住んでいる人が多いというデータがあり、充電にまつわる問題は根深いと考えられます。社会全体でEVの充電環境を整えていかないと、いずれEVの伸びが頭打ちになるかもしれません。

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最後まで読んでいただきありがとうございます。以下の関連記事もぜひご覧ください。