テクノロジー・業界分析 批評

ダウンサイジングが止まらない! 全ての車が軽自動車になる日も近い!?

sponsored link

フォード・モンデオ 1.0 ecoboost
1.0リッター直噴ターボ「ecoboost」を搭載したフォード・モンデオ。

画像の出典: i.telegraph.co.uk

3気筒エンジンが当たり前の時代に

ホンダが1リッター3気筒のダウンサイジング・ターボを開発中のようです。

ホンダ・シビック1.0プロトタイプ - AUTOCAR DIGITAL

ホンダはアメリカで2016年に発売される新型シビックに、1.5リッター4気筒直噴ターボを搭載することを既にアナウンスしています。それに続いて1リッターも投入されるとなると、ホンダのラインナップにはダウンサイジングターボ搭載車が一気に増えそうです。

3気筒エンジンだと振動が問題になりますが、ホンダはバランサーシャフトなしで克服するつもりのようです。コスト低減を強く意識していることが伺えます。

しかし英AUTOCARの英国人レビュアーの評価は……言いがかりも同然ですね。

ペダルとシートを介して振動が伝わることはあまりないものの、3気筒特有の音は車内にもコトコトと伝わってくる。特に高速巡航時、3000rpm、129km/hあたりでは気になって仕方がない。NVHエンジニアはかなり努力しなければ、改善されないだろう。(強調は筆者)

出典:AUTOCAR DIGITAL

ちょっと気になったので、イギリスの法定速度に関して調べてみました。

sponsored link

制限速度はモーターウェイ(M=高速道路)で時速70マイル(時速112km/h)、Aがつく主要道路(主要都市を結ぶ幹線道路)は時速60マイル(時速96km/h)、Bがつく道路(主に市街地)は時速30マイル(時速48km/h)となっている。

出典:地球の歩き方

イギリスで129km/hも出したら、某◯モーキー◯田さんみたいに捕まりますよ。それともアウトバーンにでも持ち込むつもりなんでしょうか。全ての車を「アウトバーン」や「ニュルブルクリンク」をベースに評価する必要は無いと思うのですが。

ホンダの1Lダウンサイジングターボは日本に導入されるか?

すでにこんな噂もあります。

1ℓターボの搭載車は次期フリードに決定!! - ベストカー

ベストカーなので燃費が30km/Lだとか大げさに書かれていますが、今回のAUTOCARの記事によれば、燃費はマニュアル仕様で23.4km/Lとのことです。フリードに搭載されたとしても、20km/L~23km/L程度でしょう。つまりダウンサイジングターボのフリードは、現在のフリードハイブリッド並みの燃費になるわけです。

ダウンサイジング・ターボのデメリット

デメリットに触れる前に、ダウンサイジングターボの説明と、そのメリットについて。

ダウンサイジングターボとは?

ターボなのに燃費が良い理由

ダウンサイジング・ターボエンジンは、加速のときはターボに頼り、巡航時にはターボを効かせず小排気量のNAで走るという、言うなれば「ターボとNAのハイブリッドエンジン」です。必要なとき以外はターボを使わないことで、燃費を改善しています。

しかもターボを用いることで、低速時のポンピングロスを低減することができます。直噴は筒内冷却効果が高いため、過給時に空燃比を濃くする「燃料冷却」を強いられる場面が少なくなりました。直噴化はエンジンの高圧縮化を可能にし、熱効率の向上にも貢献しています。

ダウンサイジングターボは「いいとこ取り」

低速時はターボでトルクを生み出して加速し、ポンピングロスを減らすことで燃費を稼ぐ。巡航時は高圧縮の小排気量NAで走り、ムダな燃料を使わない。ダウンサイジングターボは、加速と巡航の両方で燃費を改善できるのです。

高価なのが玉にキズ

しかし高圧縮なターボエンジンを開発するには、可変バルタイや冷却系の効率化が必須です。加えてエンジンの内部パーツやターボチャージャーには、高熱に耐えうる材料を用いる必要があり、しかもそれらは軽くなければなりません。これら全ての条件を満たそうとすると、かなりのコストがかかります。ダウンサイジングターボのデメリットは、この「高コスト」です。

ダウンサイジングターボの欠点を補うために

フォードは、Bセグメントのフィエスタに搭載されていた1.0L・エコブーストを、Cセグメントのフォーカスにも搭載しています。VWも1.0L・TSIをポロだけでなくゴルフにも採用し、搭載車種を拡大しています。

搭載車種を拡大することで量産効果を高め、ダウンサイジングターボのコストを吸収しているのです。

日本のダウンサイジングターボの今後

トヨタがオーリスにダウンサイジングターボを搭載し、ホンダも力を入れていますから、今後1〜2年の間に一気に普及すると思われます。しかし日本国内で最も売れているのは軽自動車です。

軽自動車の直噴ターボ復活はあるか?

スズキは660cc直噴ターボエンジンを生産していましたが、2009年に生産を終えてしまっています。コスト高が原因のようです。

スズキ・セルボSR
最後の直噴ターボ軽自動車「スズキ・セルボSR」

画像の出典: autoc-one.jp

軽自動車はグローバルな規格ではありません。TPP交渉で「非関税障壁だ!」と叩かれていたのもそのためです。なので世界規模で見ると軽自動車の販売台数は少なく、量産効果によって直噴ターボのコストを吸収できないのでしょう。

軽自動車の規格を広げるべき

むしろ軽自動車の規格を1リッターまで大きくした方が、日本の自動車メーカーにとってもメリットが大きいと思われます。国内販売で直噴ターボのコストをある程度吸収できますし、同じ車を世界中で売ることができるようになるのです。日本の自動車産業がさらに強くなるに違いありません。

sponsored link

Category: テクノロジー・業界分析, 批評
Tag:

戻る