ハイブリッド・コンパクトカー5車種の安全性・価格・燃費を比較!
ヴィッツにハイブリッドが追加され、各社のBセグメント・コンパクトカーにハイブリッド・グレードが出揃いました。
今回は、
- ヴィッツ・ハイブリッド
- アクア
- ノートe-POWER
- フィット・ハイブリッド
- スイフト・ハイブリッド
以上5台の燃費、サイズ(車体および室内)、安全性、価格を比較してみます。
画像の出典: newsroom.toyota.co.jp
ハイブリッド・コンパクトカーの燃費比較
車種 | JC08燃費(km/L) | 実燃費(km/L) |
---|---|---|
ヴィッツHV | 34.4 | TBA |
アクア | 37.0 | 22.6 |
ノートeパワー | 34.0 | 20.8 |
フィットHV | 33.6 | 22.1 |
スイフトHV | 27.4 | TBA |
TBA……To Be Announcementの略
各車の燃費数値は、燃費スペシャルグレードを排除するために、価格的に真ん中くらいのグレードの数値をチョイスしています。
上記5台の中で、スイフトHVだけはマイルドハイブリッドです。
なのでJC08燃費で劣るのも仕方がないでしょう。
満を持して登場のヴィッツHVですが、アクアよりも燃費が悪いです。
トヨタはどうやってヴィッツHVを差別化していくつもりなのでしょう?
ハイブリッド・コンパクトカーのサイズ比較
車種 | 全長 | 全幅 | 全高 | W/B |
---|---|---|---|---|
ヴィッツHV | 3945 | 1695 | 1500 | 2510 |
アクア | 3995 | 1455 | 2550 | |
ノートeP | 4100 | 1520 | 2600 | |
フィットHV | 3955 | 1525 | 2530 | |
スイフトHV | 3840 | 1500 | 2450 |
単位はすべてmm(ミリメートル)
W/B=ホイールベースの略
全幅は全車1695mmです。
VWポロの全幅1685mmなので、Bセグメント・コンパクトカーの全幅は、1700m弱くらいがグローバルスタンダードのようです。
表の5台のうち、もっともサイズが大きいのがノートe-POWER、逆にもっとも小さいのがスイフトHVとなっています。
ヴィッツHVはアクアよりも全長やW/Bが短いかわりに、全高が高いです。
でもその差はわずかですね。
次は室内の広さを比較してみましょう。
車種 | 室内長 | 室内幅 | 室内高 | 荷室容量 |
---|---|---|---|---|
ヴィッツHV | 1920 | 1390 | 1240 | 278 |
アクア | 2015 | 1395 | 1175 | 300 |
ノートeP | 2065 | 1390 | 1255 | TBA |
フィットHV | 1935 | 1450 | 1280 | 314 |
スイフトHV | 1910 | 1425 | 1225 | 265 |
単位は荷室容量のみリッター。それ以外はミリメートル。
ノートe-POWERの荷室容量は不明です。
ガソリンエンジン車のノートは280Lなのですが、e-POWERはそれよりも荷室が狭くなっています。
特に荷室幅が狭いので、アクアよりも荷室容量は小さいはずです。
アクアはヴィッツHVよりも室内高が低いものの、それ以外は勝っていますね。
車体が一番大きなノートe-POWERが、荷室以外の広さでは優位性がありそうです。
ハイブリッド・コンパクトカーの安全性比較
◯=全車標準 △=一部グレードのみ標準 OP=全グレードオプション −=設定なし
安全装備 | ヴィッツHV | アクア | ノートeP | フィットHV | スイフトHV |
---|---|---|---|---|---|
自動ブレーキ | △ | △ | △ | △ | OP |
車線逸脱警報 | ◯ | ◯ | △ | − | OP |
ヒルスタートアシスト | ◯ | ||||
クルーズコントロール | △ | △ | − | △ | − |
ACC | − | OP | |||
前席エアバック | ◯ | ||||
サイド&カーテンAB | OP | OP | OP | △ | OP |
安全装備においては、ヴィッツHVとアクアの差は全くないですね。
ノートe-POWERはクルーズコントロールが無く、フィットHVは車線逸脱警報(レーンディパーチャーアラート)がありません。
スイフトHVは「セーフティパッケージ」を装着すれば、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)が付いてきます。
ACCは自動で車間維持や追従走行をしてくれるため、長距離を走ったときの疲労が段違いです。
よって安全装備については、スイフトHVにアドバンテージがあるといえるでしょう。
自動ブレーキの性能差
今回取り上げた5車すべてに、衝突回避支援のための自動ブレーキ機能(プリクラッシュブレーキ)が装備されています。
しかしその作動条件にはかなり違いがあり、同じ性能とは言い難いです。
各車の自動ブレーキ作動条件を比較してみましょう。
車種 | 自車速度(対移動車両) | 自車速度(対歩行者) |
---|---|---|
ヴィッツHV | 10〜80 | 対象外 |
アクア | 10〜80 | 対象外 |
ノートeP | 10〜80 | 〜60 |
フィットHV | 5〜30 | 対象外 |
スイフトHV | 5〜100 | 5〜30 |
数値の単位はすべてkm/h
やはり安全装備に関しては、スイフトHVの優位性が際立っていますね。
ヴィッツHVやアクアの「トヨタセーフティセンスC」や、フィットHVの「シティブレーキアクティブシステム(あんしんパッケージに含まれる)」は、歩行者を検知できません。
歩行者との接触事故は、歩行者側の被害が大きくなりやすいため、自動ブレーキによるさらなる事故軽減が求められています。
にもかかわらず歩行者を検知できない自動ブレーキが未だにあるのは、残念でなりません。
コンパクトカーは走っている台数が多いだけに、安全装備の充実が社会に与える影響も大きいはず。
トヨタとホンダには自動ブレーキによる歩行者保護を、さらに拡大してもらいたいものです。
ハイブリッド・コンパクトカーの価格比較
各車の開始価格(最廉価グレードの価格)と最高価格(最上級グレードの価格)を表にしてみました。
車種 | 開始価格 | 最高価格 |
---|---|---|
ヴィッツHV | 181.9 | 208.7 |
アクア | 176.1 | 210.0 |
ノートeP | 177.2 | 224.4 |
フィットHV | 169.0 | 222.1 |
スイフトHV | 162.5 | 194.1 |
数値の単位は万円
価格比較の邪魔になるので、「アクアG’s」のような特別なグレードや、特別仕様車は省いてあります。
スイフトHVは他の4車よりも10万円ほど安いですが、ボディサイズが小さく、マイルドハイブリッドであること(=燃費で劣る)を考えると、それほど割安感はありません。
ちなみにACCを含むセーフティパッケージは、96,120円です。
ヴィッツハイブリッドとアクア
燃費・サイズ・安全性・価格と比較してきましたが、ヴィッツHVとアクアとの差はほとんどありませんでした。
しかしJC08燃費でわずかながらアクアに分がある以上、ヴィッツHVは上記4つの比較項目以外でアクアと差別化しなければ、セールスポイントが皆無ということになるでしょう。
燃費や価格で勝ち目がない場合には、内外装のデザインや質感、走りの良さなどで差別化するのが一般的です。
ヴィッツHVもご多分に漏れず、フェイスリフトしたり、複数の内装色を展開したりと、あの手この手でアピールしていますが、この価格帯だと質感や走りの向上には限界があります。
となるとヴィッツは結局、今後もガソリンエンジン車をメインに販売せざるを得ません。
トヨタがなぜヴィッツにハイブリッドを追加したのか、不思議でなりません。
まあ、トヨタには圧倒的な販売力がありますから、売れるんでしょうけど。
最後まで読んでいただきありがとうございます。以下の関連記事もぜひご覧ください。