BMW i3がマイナーチェンジ EV航続距離が130→182kmに
過熱するEV戦争
BMW i3が7月にマイナーチェンジ(M/C)されます。今回のM/Cにおける最大の変更点は、バッテリーの大容量化です。
トップ画像の出典: carscoops.com
目次
マイナーチェンジの概要
バッテリーの大容量化
最大の変更点はサムスン製のリチウムイオンバッテリーです。60AhだったものがM/C後は94Ahになり、それに伴い電力が22kWhから33kWhに増えています。
これによって航続距離が50km伸び、EV走行距離は182kmとなりました。充電時間も1時間延長というのがちょっと気になりますが、利便性は確実に向上するはずです。
このバッテリーは容量が1.5倍に増えたにもかかわらず、サイズ(つまり容積)は現行型のものと変わらないといいます。現行型BMW i3の生産が始まったのは2013年9月ですから、2年半ほどでバッテリー容量が150%も向上したわけです。EV関連技術の開発スピードは年々速くなっていますね。
ただしi3(EV仕様)の重量は、現行型の1195kgから1343kgに増加してしまいました。エネルギー密度が高くなったことがその要因です。
新しいボディカラー
BMW i8にも採用されている、メタリックカラーのプロトニックブルーが追加されました。
メタリックカラーは他にもミネラルグレー、アイオニックシルバー、プラチナシルバーが用意されています。ノン・メタリックカラーはカパリスホワイトとフルードブラックの2つです。
新インテリアトリム
現行型i3の日本仕様は単一のインテリアトリムですが、海外仕様には「Tera World」「Giga World」「Mega World」と呼ばれるインテリアトリムが用意されています。
今回のM/Cでファブリック内装の「Deka World」が加わっただけでなく、「Tera World」にはダークオークウッド内装が追加されるとのことです。
充電について
電池容量が増えたことで気になるのが充電時間の長さです。M/C後のi3も、充電時間が1時間長くなってしまいました。
しかしi3は直流での高速充電に対応しており、50kWの直流充電ならば、40分以下でバッテリー容量の80%をチャージ可能です。
日本のEV充電規格「CHAdeMO」は、最大で500V/100A(つまり50kW)での直流急速充電も可能ですが、あまり普及していません。なので日本でi3の急速充電機能を活かすのは、現状では難しいと思います。
ライバルとの比較
日本市場におけるBMW i3のライバルは、現状では日産・リーフのみだと思います。バッテリー容量や航続距離などを比較してみましょう。
比較項目 | BMW i3(M/C後) | 日産 リーフ(MY16) |
---|---|---|
バッテリー容量(kWh) | 33 | 30 |
航続距離(km)※1 | 182 | 172 |
馬力(ps) | 170 | 110 |
トルク(kgf・m) | 25.4 | 25.9 |
車重(kg) | 1343 | 1430-1460 |
価格(万円)※2 | 499 | 319〜402 |
※1 アメリカEPAコンバインド燃費の数値
※2 BMW i3の価格は現行型のもの
M/C後のi3は少し値上げされるかもしれませんが、馬力やインテリアの質感の差を考えると、かなりお買い得な感じがします。
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