アルトターボRSとスイフトRS、速いのはどっち?
0-100km/h加速限定で比較してみる
コメントにあって気になっていたので調べてみました。まずはパワーウエイトレシオ(以下PWR)から。アルトターボRSのデータは2WD車のものです。データはgreeco-channel.com様からお借りしました。
車名 | 出力(ps) | 車重(kg) | PWR(kg/PS) |
---|---|---|---|
アルトターボRS | 64 | 670 | 10.47 |
スイフトRS | 91 | 970 | 10.66 |
意外と差がありません。アルトターボRSの馬力は自主規制で64psに抑えられていますが、車体が軽量なのでPWRでも健闘しています。
スイフトRSは、運動性能をそのままに車体を大きくしたアルトターボRSといった印象ですね。室内の広さと5MTに惹かれるならば、新型アルトワークスを待たずにスイフトRSを買ってしまって良いかもしれません。
PWRでは差がつきませんでした。次は加速性能に大きく影響するギア比を比べてみましょう。
ギア比とタイヤ直径から加速性能を推測する
ふたたびgreeco-channel.com様のデータをお借りして、2車のギア比とタイヤ直径を比較してみます。0-100km/h加速で使うギアは4速までなので、データもそれに準じました。
車名 | 1速 | 2速 | 3速 | 4速 | ファイナル | タイヤ直径(cm) |
---|---|---|---|---|---|---|
アルトターボRS | 3.818 | 2.227 | 1.608 | 1.161 | 4.705 | 56.3 |
スイフトRS | 3.454 | 1.857 | 1.280 | 0.966 | 4.388 | 61.0 |
アルトターボRSは、全てのギア比においてスイフトRSよりもローギアードです。またタイヤ直径もアルトターボRSの方が小さく、加速で有利なことを示しています。
ただスイフトRSの方が最大トルクが2kg・mほど大きいため、アルトターボRSが持つギア比とタイヤ直径のアドバンテージは相殺されるかもしれません。
NAであることのハンデ
しかし実際の加速競争となれば、最大トルク発生回転数が3000rpmと低いアルトターボRSの方が有利でしょう。スイフトRSは最大トルク発生回転数が5000rpmなので、シフトアップする度にパワーバンド(最大トルク発生回転数から、最大出力発生回転数までの間のこと)から外れてしまいます。
AGSのハンデがあるアルトターボRS
それでもアルトターボRSが圧勝といかないのは、オートギアシフト(AGS)のハンデがあるためでしょう。AGSはシフトチェンジ時のアクセルオフ時間が長いからです。CVTならもっと加速が良かったと思います。
スイフトRSにはCVT搭載モデルもありますが、やはり加速だけなら5MTより良いみたいです。
MTとCVTは一長一短
MTは操作のダイレクト感やギア選択の自由度に優れているため、ワインディングなどで圧倒的な楽しさがあります。ところが加速だけならば、パワーバンドを外さないCVT車に軍配が上がります。
DCTは「変速ラグの無いMT」にすぎないので、CVTのように常にパワーバンドを維持するようなことはできません。なので巡航時間の少ない日本の道路事情には、CVTの方が合っていると思います。
よって運転を楽しみたいならMTやDCTを、快適に移動したいならATやCVTを選びましょう。AGSはMTとATの良いとこ取りですが、どちらかと言うとMTに近い性質を持っています。
なので新型アルトワークスに5MTを搭載するならば、アルトターボRSには差別化のためにCVTを搭載すべきでしょう。マイナーチェンジで追加されませんかね。
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