F1がラガーマンと力比べ! 結果は……どうしてこうなった?

F1,モータースポーツ

どんなことでも前提条件が付く


スキー場にて無許可でF1マシンをドリフトさせたことで、当局からお叱りを受けたレッドブル。しばらくはおとなしくしてるかと思いきや、今度は生身の人間に向かってアクセル全開です。

トップ画像の出典: redbull.com


目次

  1. 競技のルール
  2. チーム紹介
  3. どうしてこうなった?

競技のルール

ラグビーの練習で用いる「スクラムマシン」を介し、一方からは8人のラガーマンが、反対側からはノーズ先端を平面に加工したF1マシンがそれぞれ押し合い、押し込んだ方が勝ちという単純なルールです。F1とラガーマンの力比べですね。

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チーム紹介

レッドブルF1チーム

マックス・フェルスタッペンはスキー場でやらかしたために謹慎中なのか、今回のドライバーはダニエル・リカルドです。

マシンは「RB8」。2012年にセバスチャン・ベッテルが3度目のタイトルを獲得した記念すべきマシンです。

エンジンは「ルノー・RS27」。自然吸気で、パワーは750馬力とされています。

バース・ラグビー

バース・ラグビーはイングランド・プレミアシップに所属するチームです。創設は1865年で、現在プレミアシップに参加しているクラブの中では最古参です。今季は下位に低迷していますが、2014-15シーズンにはリーグ2位だったとのこと。90年代前半には4連覇しているので、古豪クラブといったところでしょうか。

8名の選手で組んだスクラムの総重量は831kgとのことです。日本代表のスクラム総重量が約860kgなので、バース・ラグビーはやや軽めといえます。


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どうしてこうなった?

レッドブル・RB8の動力性能は、1トンあたり1000馬力を超えているにもかかわらず、勝負は引き分けに終わりました。なぜラガーマンに勝てなかったのでしょうか?

タイヤ

やっぱピレリはクソだな!」と言いたいわけではありません。タイヤチョイスに問題があるのでは? と言いたいのです。

タイヤのサイドレターがオレンジ色なので、RB8が装着していたのはドライ用のハードタイヤでしょう。しかし動画を見ると、わざわざダート路面を走りタイヤに砂埃をつけた後、ハーフウェットの路面上で押し合いをしています。これではグリップしなくて当然です。

トルク

やっぱルノーはクソだな!」と、ヘルムート・マルコ氏(レッドブル・レーシングのアドバイザー)みたいなことを言いたいわけではありません。2.4L・V8自然吸気のF1エンジンのトルクは大したことないと言いたいのです。

NA時代のF1エンジンは18000回転オーバーで使用されていたため、最大パワーこそ750馬力以上ありますが、トルクはおよそ30kg・mほどと市販車並みです。

もちろん高回転まで回せば、トルクは問題になりません。しかし、動画でエンジン音を聞けばわかるように、リカルドはアクセルを全開にしていないのです。(トラクションがかからないように、全閉にもしていませんが。)

トルクが薄いエンジンで最大パワーを発揮させず、しかもホイールスピンしている状態では、ラガーマンを押し込めるわけがありませんね。

空力

やっぱ今の空力レギュレーションはクソだな!」と、エイドリアン・ニューウェイ氏(前レッドブルF1テクニカル・ディレクター)みたいなことを言いたいわけではありません。スピードが0ならダウンフォースも0であると、当たり前のことを言いたいだけです。

F1マシンは軽く、成人男性が2〜3人で押せば簡単に動かせます。ピットクルーがマシンを押しているのを見たことがある人も多いはずです。

軽いためにタイヤにかかる荷重も小さいのですが、レースのときには問題になりません。車体からダウンフォースが発生するためです。

しかし時速180~200km/hほどで車重と同じだけのダウンフォースを生み出す車体でも、止まっていれば無力です。

ラガーマン8人のスクラム総重量が830kgなのに対し、F1マシンは600kg。ダウンフォースが無く、タイヤに荷重がかかりづらい状況では、F1マシンが押し勝てるわけがありません。

やらせだが、面白い企画

この企画はいわゆるやらせです。ドライ路面でタイヤウォーマーとローンチコントロールを使いガチでやったら、ラガーマンかドライバーが怪我をします。

しかしF1マシンとラガーマン8人の押し合う力を均衡させる条件を作り出したのは見事ですし、それを上手くやってのけたリカルドの絶妙なスロットルコントロールも賞賛に値します

レッドブルは「パッと見ただけで面白さが伝わる企画」を作るのが上手いですよね。「筑波サーキットでコースレコード樹立!」と言われても、レースに興味が無い人には伝わりませんから。

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