完璧な実用車 メルセデス・ベンツCクラスステーションワゴンの評価まとめ
激戦区に送りつけたメルセデスからの挑戦状
500〜700万円の価格帯は、高級ステーションワゴンの激戦区です。BMW3シリーズツーリングやアウディA4アバント、ボルボV60などがしのぎを削っています。
Cクラスステーションワゴンは、メルセデスがライバルたちに叩きつけた挑戦状です。インテリアの質感、走行性能、そして安全装備と、すべてにおいて隙が無く、先進的な車となっています。万人にオススメできる車です。
トップ画像の出典: mercedes-benz.co.jp
目次
インテリア
シート
シートの出来はすばらしく、長時間の運転でも腰が痛くなるようなことはありません。硬めのクッションやシート形状が良いというだけではなくて、シートのポジション調整が細かくできることが功を奏しています。
ちなみに助手席のパワーシートは4wayですが、メモリー機能がありません。
アヴァンギャルドはファブリックと人工皮革製が組み合わされた「レザーツインシート」、スポーツは「レザーARTICOシート」となります。また本革仕様は、C200SWスポーツとC220d SWスポーツのみの設定です。
インテリアの質感と使い勝手
先代S204から大幅に質感が向上しました。C200はセンターコンソールが木目調パネル(手触りも良い)となります。
ダッシュボードに使われている合成皮革も上質で、高級感があります。詳しい人でなければ、本革と区別がつかないレベルです。
メッキパーツの使い方も上手く、イヤミがありません。
なぜかフットレストがありません。一応足を置くスペースはあるのですが、カーペットが敷いてあるだけです。
ラゲッジスペース
トノカバーを床下に収納できません。レヴォーグやBMW3シリーズツーリングはできるんですけどね。
ラゲッジスペース側からボタンを押すだけでリアシートを倒せます。こういう機構はかつては日本車の独壇場でしたが、最近はドイツ車でもかなり充実してきました。
ラゲッジスペース容量は最大1490Lと十分です。ちなみにBMW3シリーズツーリング(F31型)は最大1500L、アウディA4アバントは最大1510Lです。
ナビ・電装系
インフォテイメント
ナビ画面が8.4インチと大きいので、地図が見やすいと評判です。肝心のナビは若干おバカなところがありますが、ドイツ勢の中ではかなりマシな方です。
ヘッドアップディスプレイ
ナビの簡易表示やディストロニックの表示がされるので、視線移動が少なく快適ですし、疲労度も軽減してくれます。
COMMANDシステム
操作が複雑です。慣れるまでには時間を要します。
アジリティセレクトを調整すれば、車高・ステアリングの重さ・エンジン特性をドライバー好みに変更できます。
レバー類
左レバーがウインカーなので、慣れるまでは交差点でワイパーを動かしてしまうことがあります。輸入車に初めて乗る人が必ず通る関門ですね。
エクステリア
ステーションワゴンこそがスタイリッシュ
ステーションワゴンというとフォルムが商用バンに似ているために、かつては貨物車のごとく見られていました。
しかしステーションワゴンのデザインが洗練されたこと、、商用バンの主流が背高なデザインになったことから、いまやセダンよりも街中で目立つボディタイプとなりました。
よって他の人と差別化したいなら、積極的にステーションワゴンを選ぶべきでしょう。セダンはタクシー等で数多く街中を走り回っていますが、ステーションワゴンはあまり見かけないのもポイントです。
日本仕様はサンルーフ無し
Cクラスステーションワゴンには「パノラミックスライディングルーフ」の設定がありません。AMGにはあるんですけどね。
パワーリアゲート
「ハンズフリーアクセス」はリアゲートはバンパー下に足を入れるだけで開閉できるので便利です。両手がふさがっていなくても、手を汚さずにリアゲートを開けられるので重宝します。ただしC180SWの標準車にはオプション設定がありません。(C180SWアヴァンギャルド、C180SWスポーツには設定あり)
エンジン・燃費
実燃費
C180の実燃費は街乗り7〜10km/L、郊外・高速道路で10〜18km/Lです。とくに高速燃費に優れています。
C200の実燃費は街乗り8〜11km/L、郊外・高速道路15km/L前後です。
ディーゼルのC220dは、街乗り12〜14km/L、郊外・高速道路20km/Lと経済性に優れています。
パワー・トルク
C180は1.6L直噴ターボですが、低速域でトルクフルなので走り出しのモッサリ感もありません。
C200はレスポンスが良く、ストレスを感じさせないだけのトルクがあります。
C220dは、坂道を平坦路のように上る力強さがウリです。。
ただしどのエンジンも、あくまで実用エンジンですから、官能的なフィーリングには全く期待できません。
燃料タンク容量
C180/C200ともに燃料タンク容量は66Lです。もうちょっと大きくしてほしいという声がありました。
ハンドリング・取り回し・視界
ハンドリング
ドイツ車なだけあって、高速域での安定感は抜群です。
取り回し・視界
車両感覚が掴みやすいので、取り回しで不便を感じることはありません。最小回転半径は5.1mと良好です。
電動モーター式のパワーステアリングはきめ細やかな制御で、あらゆる速度域において最適なパワーアシストをしてくれます。けれどステアリングが軽すぎるとの声もあるようです。
前方視界は良好ですが、サイドミラーが見づらい上、リアガラス面積も小さいので、後方視界が悪いです。おそらく後方視界はカメラで確保するという考え方なのでしょう。
乗り心地・静粛性
乗り心地
C200SWスポーツやC220dスポーツなどに装着されるエアサス「AIRMATICアジリティパッケージ」は柔らかめですが、しっとりとした重厚感があります。
エアサス無しでも乗り心地はそこそこ良いのですが、低速域で路面の凹凸を拾う傾向があります。ランフラットタイヤのせいではないかとの指摘がありました。エアサスなしだとタイヤの性質がモロに出てしまうようです。
17インチ・18インチで乗り心地に大きな差はありません。AMGの19インチは流石に厳しいみたいですが。
静粛性
ランフラットタイヤは結構ロードノイズを拾います。
風切音や振動などは抑えられていますが、後部座席付近からのキシミ音や、リア駆動系からの異音などはいくつか報告されています。
C220dのディーゼルエンジンはカラカラ音がありますが、車内にいるかぎりは気になりません。
安全性
◯=標準装備 △=メーカーオプション −=設定なし
A=アバンギャルド S=スポーツ
装備 | C180SW | C180SW-A | C180SW-S | C200SW-A/S | C220dSW-A/S | |
---|---|---|---|---|---|---|
横滑り防止装置(ESP) | ◯ | |||||
プリクラッシュブレーキ(低速) | − | ◯ | ||||
プリクラッシュブレーキ(高速) | ◯ | |||||
クルーズコントロール | − | |||||
レーダークルーズコントロール | − | ◯ | ||||
レーンキープアシスト | − | ◯ | ||||
アダプティブヘッドライト | − | − | ||||
ブラインドスポットアシスト | − | ◯ | ||||
ヒルスタートアシスト | ◯ | |||||
運転席・助手席エアバッグ | ◯ | |||||
サイド・カーテンエアバッグ | ◯ |
内容だけ見るとSクラスと大して変わりません。「リトルSクラス」と呼ばれているのも納得です。
値引き額・中古車動向
平均値引き額
対象 | 平均値引き額(万円) |
---|---|
車両本体 | 25.4 |
オプション | 3.8 |
車両本体値引き額は最大60万円、オプション値引き額の最大は15万円でした。
メルセデスというと高いイメージがありますが、C180/C200は国産の高級ミニバンと同じくらいの価格で購入できます。
中古車動向
400〜450万円前後で出回っているのは、C180/200のアバンギャルドが多いです。エアサス付きのC200スポーツは500万円弱でないと見つかりません。
保証について
メルセデスの保証は新車登録後3年で切れますが、日本で正規販売された車両で、新車保証の継承手続きがきちんと行われている個体ならば、「保証プラス」という2年間の延長サービスに加入できます。
輸入車の信頼性も日本車並になってきてはいますが、輸入車は交換部品が高いので、保証に入っておいた方が良いでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。以下の記事もぜひご覧ください。
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