自動運転中のテスラ・モデルSで死亡事故が発生

不正・不祥事,批評

テスラ_モデルS_走行写真

テスラ・モデルSが18輪のトレーラーと衝突し、乗っていた男性が死亡する事故が発生しました。NHTSA(国家道路交通安全局)の発表によると、事故発生時のモデルSは自動運転だったそうです。

トップ画像の出典: netcarshow.com


目次

1.事故の概要
2.テスラ側の見解
3.当局(NHTSA)の見解

事故の概要

45歳の男性が乗るテスラ・モデルSは、フロリダ州のルート27を東に向かっていました。一方、18輪のトレーラーを牽引するトラックは、西に向かってルート27の左折レーンを走っていました。NE 140th Courtという通りへ曲がるためです。

インターチェンジに差し掛かり、トレーラーが左折した際に事故が起こりました。テスラ・モデルSはトレーラーの下を通り抜けるような形で、トレーラーの車体下部と接触してしまったのです。

屋根を失ったモデルSは、道路の南側にある2枚のフェンスと電柱にぶつかり、反時計回りにスピンして、最終的には高速道路から30メートルも離れた休憩所の前でようやく止まったそうです。運転していた男性は即死でした。

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テスラ側の見解

モデルSがぶつかったのは、18輪もある巨大なトレーラーです。見落とすようなサイズではありません。にもかかわらず、なぜ自動的にブレーキがかからなかったのでしょうか?

テスラのプレスリリースでは「トレーラーの車高が高かったこと(そのせいでレーダー等が反応しなかった)」「トレーラーが道路を横切る形で、モデルSと垂直に交差するような状況だったこと」が、その理由だとしています。

また、ドライバーがブレーキをかけなかったのは「晴れた青空が背景だったので、トレーラーの白い側面が認識できなかった」ためだと考えているようです。

しかし、以前にモデルSが自動運転中に追突事故を起こしたとき、乗っていたドライバーは「車が自律走行しているからブレーキを踏まなかった」とコメントしています。今回の事故も、車を信じすぎた結果かもしれないのです。

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当局(NHTSA)の見解

テスラ側は──

  • デフォルトでは自動運転はオフになっている
  • パブリック・ベータ・テストであることを了承した上で使用してもらっている
  • 自動運転をオンにすると、"ステアリングから手を離さず、いつでも運転を替われるように準備してください"と車が注意喚起する仕組みになっている

──などを挙げた上で、のべ1億3000万マイルの自動運転で初めての死亡事故であり、しかも今回の事故発生状況は極めて稀なケースだと主張しています。

しかしNHTSAは事態を重く見ています。安全に関してはYes-Noアプローチ、つまり少しでも安全でないなら認めないというのです。

NHTSAは事故調査チームを派遣したのは、今回と同様のシチュエーションにおける自動運転システムの性能評価をするためだといいます。そして最終的には、モデルSの自動運転システムをリコールすべきと考えているようです。

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