新型フォルクスワーゲン・ポロが2017年下半期に登場
排ガス不正に関する米国での訴訟において、147億ドルを支払うことで和解したフォルクスワーゲン(VW)は、経営の立て直しに躍起です。でもクリーンなイメージを取り戻すべく開発中の電気自動車は、すぐに利益を生み出してくれるわけではありません。
足下の販売を好転させるには、やはり主力モデルのテコ入れが必要となります。そこで今年7月にゴルフがフェイスリフトされるという情報が出ていたのですが、ポロも来年の下半期には新型に切り替わるようです。
トップ画像の出典: autoexpress.co.uk
目次
- 1.新型ポロが重視するのは「広さ」と「質感」
- 1-1.大きさそのまま、室内広々
- 1-2.最先端のインテリア
- 2.新型ポロのパワートレイン
- 2-1.エンジンラインナップ
- 2-2.マイルドハイブリッドも?
新型ポロが重視するのは「広さ」と「質感」
ライバルに打ち勝つべくVWのエンジニアが選んだ戦略は、新型ポロの「室内空間の拡大」と、「インテリアマテリアルの質感向上」の2つです。
大きさそのまま、室内広々
しかし室内を広くするためとはいえ、ただ車体を大きくしたのでは、既存ユーザーにそっぽを向かれる可能性があります。コンパクトカーは、コンパクトであるがゆえに選ばれているのですから。
そこでVWは、オーバーハングを短くすることで4m以下の全長を維持したまま、ホイールベースだけを90mmも引き延ばすという大胆な作戦に出ました。
これによりホイールベースは、2560mmまで拡大されます。増えた分は現行型の弱点だった後席のレッグスペースや、ラゲッジスペースに割り当てられる予定です。
最先端のインテリア
インテリアにどのようなマテリアルが使われるかは不明ですが、モニタには9.5インチの大画面タッチスクリーンが採用されます。Apple CarPlayやAndroid Autoにも対応するとのことです。
また、メーターがデジタル・インストゥルメント・クラスター(VW版のバーチャル・コクピット)になるとの情報もありますが、Auto EXPRESSは「採用されたとしてもハイエンドグレードのみ」と予想しています。
新型ポロのパワートレイン
エンジンラインナップ
ガソリンエンジンは3種類、ディーゼルは1種類が用意されます。
エンジン | 馬力(ps) |
---|---|
1.0L・NA | 76 |
1.0L・ターボ | 101, 117 |
1.5L・ターボ | 142, 162 |
1.5L・ディーゼル | 92, 112, 132 |
ガソリンエンジンの1.5Lターボは、最新型のEA211 TSI evoエンジンになると思われます。このエンジンは、現行モデルの1.4 TSIを代替するものです。
“EA211 TSI evo"エンジンとは?
2016年4月に発表されたばかりの直列4気筒ミラーサイクルエンジンです。技術トピックは以下の通りです。
- ターボエンジンであるにもかかわらず、12.5:1という高圧縮比を実現
- 可変タービンジオメトリーを採用したターボチャージャー
- 最大350barのコモンレールインジェクションシステム
- シリンダー休止システム
- アトモスフェリック・プラズマ・スプレー(APS)によるシリンダーライナーのコーティング
VWが持つ技術の粋をこらしたエンジンと言えるでしょう。1.4 TSIと比較すると、アクセルを踏んでから最大トルクを得られるまでの時間が約35%短縮され、燃費も最大10%改善しているそうです。
マイルドハイブリッドも?
48Vシステムのマイルドハイブリッドが搭載されるのではないか?と噂されているようですが、Auto EXPRESSは「スモールカーにとっては高価すぎる」と切り捨てています。
しかし48Vシステムは、元々AセグメントやBセグメントのコンパクトカーに対応すべく作られたものなので、新型ポロに搭載されるという噂も、あながち荒唐無稽なものではないのです。コスト面でもフルハイブリッドの40〜60%程度で済むため、採用の可能性は十分にあると思います。※1
※1 参考: 48Vシステムのコストはフルハイブリッドの半分、2016年から欧州市場で導入 | monoist
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