新型プリウスPHV 価格・燃費・グレードが明らかに
新型プリウスPHVの米国仕様(米国名: プリウス・プライム)の詳細が明らかになりました。「なんだ、アメリカの話か」と思われるかもしれませんが、燃費の数値などは日本のJC08よりも、米国EPAの方が正確です。
また、50プリウスの価格は日米でほぼ同じなので、新型プリウスPHVの価格差もほとんど無いはず。なのでプリウス・プライムのデータは、日本のユーザーにとっても参考になると思います。
画像の出典: caranddriver.com
新型プリウスPHVの燃費
プラグインハイブリッド車はEV走行の分があるので、単純にmpgやkm/L換算できませんが、米国EPAはガソリン1米国ガロン=115000BTU(BTU: 1ポンドの水の温度を華氏1度上げるのに必要な熱量)換算で計算しているようです。これを元に計算した燃費がMPGeと呼ばれています。
新型プリウスPHVのMPGeは124mpg(52.7km/L)とのことです。同じプラグインハイブリッド車のシボレー・Volt(Bolt EVではない別の車)は、106mpg(45.1km/L)なので、新型プリウスPHVの燃費の良さは突出していますね。
ちなみに新型プリウスPHVのEV走行距離は40km(EPA)なのに対し、シボレー・Voltは80kmだったりします。にも関わらず、MPGe燃費では新型プリウスPHVが上回っています。単純に電池をたくさん積めばよいというわけではなさそうですね。
ハイブリッドモードでの燃費
新型プリウスPHVは、電池残量が一定以下(40%程度)になると、エンジンがかかり普通のハイブリッド車になります。
普通の50プリウスに比べ車重が150kg重い新型プリウスPHVですが、EPA燃費はちょっと良いぐらいです。
燃費の種類 | 50プリウス(km/L) | 新型プリウスPHV(km/L) |
---|---|---|
City | 23 | 23.4 |
highway | 21.3 | 22.5 |
Combined | 22.1 | 23 |
これなら電池が切れても安心ですね。
新型プリウスPHVの価格・グレード
グレード | 価格($) | 価格(¥) |
---|---|---|
標準車 | 27,100 | 2,737,100 |
プレミアム | 28,000 | 2,828,000 |
アドバンスド | 33,100 | 3,343,100 |
価格(¥)は、1ドル=101円換算の数値
グレードごとの詳しい装備内容はいまだ不明ですが、最上級グレードの「アドバンスド」でも、50プリウス・US仕様の最上級グレード「Four Touring」より、$3,100高いだけです。
50プリウスのEPA燃費が54mpg(23km/L)であることを考慮すると、新型プリウスPHVの価格はかなり安いと言えるでしょう。
ちなみにシボレー・Voltの開始価格は、新型プリウスPHVのそれより$6,130も高いそうです。
新型プリウスPHVのエクステリア
新型プリウスPHVのインテリア
インテリアで特徴的なのは、11.6インチの巨大なタッチスクリーンですね。テスラ・モデルS風です。でもスクリーンに表示されるボタンが小さすぎるようで、AUTO EXPRESSのレビュアーには苦言を呈されていました。
ラゲッジスペース容量は5名乗車時:360L、リアシートを倒せば1204Lとなります。普通の50プリウスはそれぞれ502L・1633Lなので、バッテリーの分だけラゲッジは狭くなってしまっているようです。
新型プリウスの動力性能
エンジンは普通のハイブリッド・プリウスと同じです。つまりアトキンソンサイクルの1.8L・直列4気筒2ZR-FXEで、最高出力は98psとなります。
モーターは72psのものが2つ。しかし先代と異なり、モーターとジェネレーター(発電用モーター)を両方同時に駆動させるワンウェイクラッチが追加されたことで、「デュアルモータードライブ」を実現し、力強い加速を可能にしました。
バッテリー容量は先代の4.4kWhから、2倍の8.8kWhに。しかし充電時間は家庭用で5.5時間、120Vで2時間、240Vならわずか10分と、先代比1.5倍程度に抑えられています。
0-100km/h加速は11.1秒。EV走行時の最高速は134.4km/h(先代は84.8km/h)にまで引き上げられています。
走行モードは「Eco」「Normal」「Power」の3つから選択可能です。Ecoモードを選ぶと、モーターだけの走行になるそうです。
新型プリウスPHVの海外レビュー
海外自動車メディアのレビュー記事を、一部抜粋してご紹介します。
バンプを越えるときに、サスペンションがたまに底づきすることがある。
コーナリングは先代のプリウスPHVよりはるかに良い。グリップを失う前にタイヤが鳴き始めるが、ステアは正確でグリップもある。しかしながら、柔らかすぎるサスペンションは好ましくないし、コーナーの途中のバンプでホッピングみたいに跳ねてしまう。
取材時は、全開加速の時以外エンジンが作動しなかった。
路面追従性が高く、路面のうねりを越える際も乱れないが、かといってサスペンションのしつけが悪いわけでもない。
トヨタはシボレー・Voltのブレーキ回生パドルを、プリウスPHVにもつけるべきだ。Voltは最大回生をかけるどうかを、パドルで決定できる。よってほとんどアクセルペダルのみでドライビングでき、ブレーキペダルを使うのはわずかだ。プリウスはBレンジにいれておかなければ最大回生がかからず、普通に戻す場合はわざわざDに入れなければならない。シボレーの方が簡単だし便利だ。
AUTO EXPRESSとCAR and DRIVERでは、サスの評価が対照的ですね。どちらもアメリカで行われた試乗会に参加したようですが、おそらく走らせた際の速度域がちがったために、まったく異なる評価になったのだと思います。
日本の自動車メディアの評価を見るかぎりでは、普通に乗る分にはちょうどいいサスの硬さみたいですよ。
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