マツダRX-7(SA22C)のグループBラリーカーがオークションに出品される
SA22C型サバンナRX-7のグループBラリーカー「マツダRX-7 Evo グループBワークス」が、RMサザビーズのオークションに出品されます。
Evoモデルとして20台生産される予定でしたが、グループBが終わってしまったため、たった7台しか生産されなかったという希少モデルです。
結果的にロータリーエンジン(RE)を搭載した最後のラリーカーとなってしまったグループB・RX-7は、それゆえに歴史的なマシンと言えるでしょう。
今回はグループB・RX-7と、ベースとなったSA22Cの概要、そしてオークションに出品される「シャシーナンバー・MRTE 019」の画像をお伝えします。
サバンナRX-7(SA22C)とは?
マツダ・サバンナ(輸出名RX-3)の後継車種として登場し、1978から1985年まで生産されました。
比較的高性能でありながら安価であったため、アメリカでは「プアマンズポルシェ」とも呼ばれた車です。
国内仕様のSA22Cは、12A型RE(573cc*2ローター)を搭載していましたが、輸出仕様には13B型RE(654cc*2ローター)搭載モデル(型式はFB3S)がありました。
グループBラリーカーにも、13Bが搭載されています。
グループBとは?
グループBのホモロゲーションを取得するには、連続する12ヶ月間に200台生産する必要があります。
グループAが4000台(後に2500台)生産しなければならなかったことを考えると、非常に少ない台数で済むため、自動車メーカー各社は「ラリースペシャル」な市販車を200台生産し、WRCに参戦するのが当たり前となりました。
しかもWRCにワークスカーとして参戦する個体は、20台だけ生産すればエボリューションモデルとして認められるという規定が後から追加されたため、200台生産のベースモデルをさらに改造した、過激なラリーカーが次々と登場したのです。
しかしワークス間の熾烈な競争は、グループBラリーカーを危険な車に変貌させ、何人もの犠牲者を出した挙句、ラリーにおけるグループBレギュレーションは終焉を迎えました。
RX-7グループBラリーカー
グループB・RX-7の概要
13Bのペリフェラルポート仕様が搭載されています。
ペリフェラルポート仕様というのは、ロータリーハウジングから吸排気するものです。
一方、市販車のREはサイドポート仕様といって、文字どおりサイドハウジングから吸気(RX-8の13B-RENESISは、排気もサイドハウジングから行う)する仕組みになっています。
グループB・RX-7は、300psほどのパワーを発生していたようですが、ペリ仕様のREは低速トルクが非常に細いため、ラリーでの戦闘力はそれほど高くなかったようです。
しかしREならではのエンジンの軽さは、グループB・RX-7に優れたハンドリング性能をもたらし、1985年のアクロポリス・ラリーでは3位表彰台を獲得しています。
また、グループB・RX-7はプライベーターにも愛用されており、現在でもクラシック・ラリーカーとして、世界中のラリーで走っているようです。
REは構造が単純で、分解・組み立ての工数が少ないため、低コストでモータースポーツに参戦しやすいエンジンといえます。
プライベーターに好まれるのも、そのあたりの事情が関係しているのでしょう。
しかし今回オークションに出品される「MRTE 019」は、ベルギーのマツダ・ラリー・チーム・ヨーロッパ(MRTE)に保管されていたもので、その後オーナーは変わったものの、まったく走行しておらず、オリジナルの状態を完全に保っている個体です。
果たしていくらで落札されるのか、ちょっと楽しみですね。
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