デイリーF1ニュース(2017年9月4日号)マクラーレン・ルノー誕生は間近?
最新のF1ニュースをコンパクトにまとめてお送りするデイリーF1ニュース。
本日のヘッドラインは以下のとおりです。
- イタリアGP 決勝結果
- マクラーレン・ルノー誕生は間近?
- ベッテル「車を信頼しなかった」
それではご覧ください。
イタリアGP 決勝結果
メルセデスのルイス・ハミルトンが優勝、バルテリ・ボッタスが2位に入り、跳ね馬の母国でシルバーアローが1-2フィニッシュを決めました。
表彰式ではティフォシがハミルトンにブーイングを浴びせていましたが、ランキングトップに浮上したハミルトンには、笑顔でそれに応える余裕があったようです。
マクラーレン・ルノー誕生は間近?
イタリアGPでは2台ともにリタイアとなったマクラーレン・ホンダ。
再び信頼性の低さを露呈したことから、「マクラーレンの首脳陣は、来季ルノーにスイッチすることを既に決定した」と言われています。
「決定した」と報じているのは主にスペインのメディアです。
彼らが母国のヒーローであるフェルナンド・アロンソ贔屓であることを考えると、少し割り引いて考えなければなりませんが、それでもホンダとマクラーレンの関係は、もはや後戻りできない所まで来ているのかもしれません。
しかしマクラーレン・ルノーの誕生までにはいくつかの障害がまだ残っていますし、ルノーにスイッチしたからといって成功するとは限らないのです。
供給できるチーム数の上限
ルノーは「パワーユニットを供給できるのは3チームまで」と言っていますし、レギュレーション上も上限は3チームと決まっています。
なのでマクラーレン・ルノーが誕生するならば、現在ルノーエンジンを使用している3チーム(ワークスルノー、レッドブル、トロロッソ)のいずれかが、ホンダにスイッチするしかないのです。
現状では、トロロッソが有力候補と見られていますが、誰がギアボックスを製造するのかという問題が残ります。
トロロッソにはギアボックスを製造する能力が無いからです。
財政上の問題
ホンダがマクラーレンに資金援助しているのは周知の事実です。
その額は年間1億ユーロ(約130億円)に及ぶとも言われています。
ルノーのカスタマーエンジンを使用する場合には、ルノーエンジンの使用代金を支払うことに加え、ホンダからの資金援助も失うわけですから、新たな収入源を確保しなければなりません。
しかし現在のF1は世界的に人気が低迷していますから、大口の新規スポンサーを見つけるのは非常に困難です。
「来年からエンジンが安くなるから大丈夫」という意見を見かけたのですが、メルセデスのトト・ウォルフ氏によると、現在でもエンジン代金が予算に占める割合はそれほど大きくないそうですから、例えエンジン代金が減額されたとしても、1億ドルの資金援助の代わりにはならないでしょう。
また、マクラーレンがホンダとの契約を一方的に打ち切った場合には、違約金が発生すると見られています。
契約は2020年まで残っていますから、かなりの額の違約金を請求されるはずです。
これもマクラーレンの財政を圧迫するでしょう。
ルノーエンジンのパフォーマンス
イタリアGPでマクラーレン・ホンダとバトルを繰り広げた、トロロッソのダニール・クビアトは、「マクラーレンは僕らよりも速かった」と語っています。
ストレート主体のモンツァでは、何よりもエンジンパワーが重要です。
単にマクラーレンの空力性能だけでは、モンツァでのパフォーマンスを説明できません。
ルノーは来季から大幅にパワーアップし、信頼性も向上するとしていますが、フェラーリも相変わらずメルセデスの馬力に追いつけていないのを見ると、ルノーだけが一挙にパワーアップするとは思えません。
マクラーレンがルノーにスイッチしても中団グループから抜け出せないということは、十分に考えられます。
ベッテル「車を信用しなかった」
ホームコースであるモンツァでまさかの失速となったフェラーリ。
圧倒的な速さで逃げるメルセデスには、ついに手も足も出ませんでした。
その理由についてセバスチャン・ベッテルは、40周目のコースアウトを挙げています。
バリアンテ・レティフィーロ(1コーナーのシケイン)を直進してしまったときに、何かが壊れてしまったようなのです。
「40周目にコーナーオフしたときに、車に何らかの間違いが起こった」とベッテル。「僕は車を信用しなかった。車が片側に引っ張られていたからね。どこのブレーキングでも車を信用しなかったんだ」
「ギャップをコントロールしようとしたけど、プッシュできなかった。モンツァではブレーキングがとても重要なので、何らかのロスがあったことは考えるまでもないよね」
「しかし僕にはギャップがあったから、それを最後まで保つように努めた。それを実行できたのが、もっとも重要なことだよ」
トラブルが無かったとしても、フェラーリが勝つことは難しかったでしょう。
ベルギーで投入されたメルセデスの新エンジンにより、フェラーリとのパワー差は再び広がったように見えます。
このままだとチャンピオンシップが面白くないので、フェラーリにはがんばってもらいたいのですが……。
Vettel ‘didn’t trust car’ after late off | f1fanatic.co.uk
前日のデイリーF1ニュース
デイリーF1ニュース(2017年9月3日号)バンドーン、25グリッド降格
翌日のデイリーF1ニュース
デイリーF1ニュース(2017年9月5日号)グリッドペナルティシステムを廃止か
最後まで読んでいただきありがとうございます。以下の関連記事もぜひご覧ください。