アウディR8 LMS GT2 GT3よりパワフルなレーシングカー

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アウディR8 LMS GT2を発表しました。
ブランパンGTシリーズを主催するSROが新設した「GT2クラス」向けのレーシングカーです。

今回はGT2クラスについての簡単な説明と、R8 LMS GT2の概要をご覧ください。


SRO GT2クラスとは?

GT2クラスはアマチュアドライバー向けのクラスとなります。
GT3も当初はアマチュア向けのクラスでしたが、現在参戦しているのはプロドライバーがほとんどです。
日本のSUPER GTでも、GT300クラスに参戦中のアマチュアドライバーはわずかしかいません。

GT3がプロ向けのクラスになってしまった理由は、増大したダウンフォースによって、マシンの扱いが難しくなってしまったためです。
自動車メーカーが次々と参戦した結果、GT3マシンの空力性能は年々向上し、プロでないと手に負えないモンスターになってしまいました。

そこでSROは、GT3よりもダウンフォースの少ないクラスを企画したわけです。
しかし単にダウンフォースを少なくしただけでは、やはりアマチュア向けのGT4クラスと差別化できませんから、GT3以上のエンジン出力を与えることになりました。

GT2クラスの特徴は以下の通りです。

  • エンジン出力は700ps程度で、GT3(約560ps)よりもパワフル。
  • GT3よりもダウンフォースが少ない。
  • パワーウエイトレシオは2前後。
  • ドライバーはアマチュアのみ。
  • 耐久レースは無く、スプリントレースのみ。

レースフォーマットがスプリントのみなのは、アマチュアドライバーの大半が40~60歳の中年男性であるため、長距離の耐久レースは持久力の面で厳しいからだそうです。

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アウディ R8 LMS GT2の概要

GT3よりもダウンフォースが少ないというGT2マシンですが、エアロの過激さは決して見劣りしていません。
大型のフロントスプリッターとカナード、巨大なリアウィングとリアディフューザーで武装しています。

Audi R8 LMS GT2

シングルフレームグリルは取り外されている。

スプリッターやカナードはGT3マシンのようだ。

ボンネットダクトのフィンもきちんとデザインされている。

ルーフ部分はロードカーより小ぶりに見える。

ルーフに設けられたラムエアインテーク。

レーシングカーらしくセンターロックホイールを装着する。

迫力のあるリア周り。

ドアを開けるとこんな感じ。

巨大なリアウィング。これでもダウンフォースは減っている。

リアウィングステーはスワンネックだが、後方から支持する方式。

リアバンパーはスカスカだ。空気抵抗を減らすのと、熱抜きのためだろう。

外見だけ見るとまるで別物ですが、アウディによるとR8 LMS GT2は、パーツの55%をロードカーのR8と共有しているのだそうです。
プラットフォームは、R8スパイダーのものなのだとか。

R8 LMS GT2のインテリア。

ドライバー側に向けられたセンターコンソールは使いやすそう。

DCTなので2ペダルだ。

車体はスチール製のロールケージで強化されています。
サスペンションのウィッシュボーンは軽量化され、ジオメトリーも見直されました。
ABSやTCSも最適化されています。
また、ブレーキとダンパーは、R8 GT3やR8 GT4と同じモジュラーキットだそうです。

エンジンは5.2リッター・V型10気筒ガソリン自然吸気で、最高出力は640ps、最大トルクは550Nmを発生します。
ギアボックスは7速デュアルクラッチトランスミッションです。
乾燥重量は1,350kgということですから、パワーウエイトレシオは2.1ですね。

R8 LMS GT2の価格は、338,000ユーロ(約4,117万円)です。
最近のGT3マシンは価格が高騰しており、中には8,000万円ほどするものもありますが、GT2クラスのマシンは価格も控えめになっているようですね。
今後はGT2のレースも増えていくと思います。

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