新しいAMG GT3は低コストでユーザーフレンドリー
メルセデスAMGが、新型AMG GT3を発表しました。
エアロダイナミクスや電子制御デバイスの改良だけでなく、ピットストップ時間の短縮やセットアップ変更の容易さ、そしてランニングコストの削減にまで配慮されたカスタマー向けレーシングカーです。
今回は2020年から導入される新型AMG GT3の概要をご覧ください。
AMG GT3(2020年モデル)の概要
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エクステリア
前後バンパーのデザインが変更されています。
フロントバンパーは開口面積が広がり、カナードの形状も変わりました。
旧型のリアバンパーは両サイドに開口部が設けられていましたが、新型ではウィングレットのような形状に変化しています。
また、ヘッドライトとテールライトも新しいデザインになりました。
ヘッドライトの明るさも増しているようです。
ボディサイズ
寸法(mm)と車重(kg) | |
---|---|
全長 | 4,746 |
全幅 | 2,049 |
全高 | 1,238 |
車重 | 1,285以下(BOP) |
インテリア
高強度鋼のロールケージ、アルミ製スペースフレーム、ヘッドレスト内蔵型のカーボンシートにより、最新のFIA規格においても最高レベルの安全性が確保されています。
装備面では、ドリンクシステムやステアリングが最適化されました。
オプションでヘルメットおよびシートのベンチレーション機能も追加できます。
シャシー
ピットストップ時間を短縮するために、オプションとしてドロップスタート機能が設定されました。
これはエアジャッキが降りた瞬間にエンジンを自動でスタートするシステムです。
ドライバーがピットアウト時にエンストすることはこれで無くなるでしょう。
ABS(アンチロックブレーキシステム)およびTCS(トラクションコントロールシステム)も改良されています。
より高い感度でグリップ限界を探り、最大出力を路面に伝えると共に、タイヤも節約できるそうです。
コストの削減にも配慮
カスタマー向けのレーシングカーということで、AMG GT3はコストにも配慮されています。
新型AMG GT3には、パーツの走行時間を自動記録するシステムが搭載されました。
これはレーシングカーとして世界初だそうです。
このシステムによってレーシングチームはパーツの管理コストを削減できます。
セットアップにかかる時間も短縮されました。
フロントスプリッターとリアウイングは素早く調整できるようになっていますし、エアフィルターへのアクセスも容易になりました。
ネジの数も減らされ、迅速な作業が可能になっています。
リアのトラックロッドも微調整可能です。
レースにはクラッシュが付き物ですが、新型AMG GT3は、クラッシュ時のコスト低減にも配慮されています。
フロントセクションはラジエターを効果的に保護できるように最適化されましたし、新開発の一体型ビームにより、エンジンやフロントアクスル、ステアリングシステムなどの保護レベルが引き上げられました。
パワートレイン
ロードカーのAMG GTとは異なり、GT3には6.3リッター・V型8気筒ガソリン自然吸気エンジンが搭載されていますが、最高出力等のスペックに変更は無いようです。
しかしコスト削減のためにエンジンの寿命が延ばされ、エンジン・オーバーホールの頻度は低下しています。
ギアボックスは6速シーケンシャルです。
価格・発売日
価格は399,000ユーロとなっています。
記事執筆時点のレートで日本円に単純換算すると、およそ4,880万円です。
最近のFIA-GT3マシンは価格が高騰しているので、AMG GT3は比較的安価な方だと思います。
レーシングチームへのデリバリーは、2019年末から始まる予定です。
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