東京オートサロン併催の「BHカーオークション」 日本車中心の出品車両の中には驚きの名車も!

チューニング,自動車文化

2018年1月に幕張メッセで開催される東京オートサロンでは、BHオークションも併催されます。
日本企業が手がけるコレクタブルカー(ヴィンテージカーやクラシックカーなど)オークションということで、出品車両も日本ならではのラインナップです。

今回は東京オートサロン・オークション with BH AUCTIONの出品車両の中から、特に注目すべき車をピックアップしてみました。


東京オートサロン・オークションの注目車両

SPOON S2000 ST-4

ホンダ車のチューニングでおなじみのSPOONが、スーパー耐久シリーズのST-4クラスにエントリーするために製作した車両です。
スーパー耐久はN1規定なので、エンジンはノーマルのままですが、ピストンやコンロッドの重量合わせなど、精密組立がなされています。
レース用のハードトップが独特な雰囲気を醸し出していますね。

予想落札価格……580〜900万円

JUN ボンネビル 300ZX

有名チューニングショップのJUNオートメカニックが、アメリカ・ユタ州のボンネビル・ソルトフラッツで開催される最高速チャレンジに挑むべく製作したのが、この300ZXです。

このZ32は2シーターモデルがベースとなっています。
VG30DETTを3.1リッターに排気量アップし、KKK製K27.2タービンを左右それぞれにバンクに装着。
ブースト2.0kg/cm2時に1000psを発生します。

ボンネビルでは最高速421.536km/hを記録し、国産車ベースのチューニングカーとして、初めて400km/hの壁を突破しました。

予想落札価格……800〜1100万円

トップシークレット TS8012V

スモーキー永田」の愛称でおなじみのトップシークレット永田代表は、かつてRB26DETT(スカイラインGT-Rのエンジン)を搭載したJZA80スープラでイギリスの高速道路を暴走(そのときの最高速は316km/h!)し、かの国の速度超過記録を築いた人物です。
もちろん違法行為なので、永田代表も捕まりましたが。

このTS8012Vは、JZA80のエンジンをトヨタ・センチュリーの5.0リッター・V型12気筒(1GZ-FE)に載せ替えたもので、ツインターボ化に加えN2O噴射システム(ナイトラス・オキサイド・システム。いわゆるニトロ)も装着することで、ブースト1.2kg/cm2時に943psを発生します。

JZA80のエンジンルームに、V12がキレイに収まっている。

2008年にはイタリア・ナルドの高速周回路において、最高速358.22km/hを記録しました。
独創的なルックスも魅力的ですね。

予想落札価格……800〜1200万円

日産スカイラインGT-R Vspec Ⅱ NUR

チューニングカーが2台続きましたが、このBNR34はどノーマルです。
1000台限定で販売された「Nur」ではあるものの、特別な改造等は施されていません。

ではなぜこの車がオークションに出品されたのかというと、走行距離がわずか10kmだからです。
新車未登録のまま保管されていたようで、新車同然のコンディションが保たれています。

しかもこのBNR34は「VスペックⅡ」なんです。
「Nur」かつ「VスペックⅡ」というのは、わずか300台しか生産されていません。
そのためエンジンは、ゴールドカラーを配したN1仕様となっています。

予想落札価格……2500〜3000万円

デ・トマソ・パンテーラ グループ4

1970年代にグループ4レースに出場していたレーシング・パンテーラです。
エンジンはドライサンプ化され、500psオーバーに改造されています。

このパンテーラ・グループ4は、わずか8台しか生産されていません。
1977年に「全日本スーパーカー選手権」にエントリーすべく、イタリアから輸入された個体だそうです。

先日ランボルギーニをベースに改造した現代版パンテーラをご紹介しましたが、元祖パンテーラはやっぱりかっこいいですね。
レース仕様ならではのオーバーフェンダーも大迫力です。

リバティウォークも真っ青なオーバーフェンダー。

予想落札価格……2800〜3500万円

日産 R90CK

かつてル・マン24時間レースに挑んだワークスマシンそのものです。
1990年のル・マンにおいて、ポール・ポジションを獲得した当の個体である可能性もあるのだとか。

日産は89年から、イギリスのコンストラクターであるローラ・カーズと提携し、R89Cを開発したものの惨敗。
そこで翌90年は、日本のNISMOがローラ製モノコックをベースに独自開発したR90CPを、イギリスのNME(日産・モータースポーツ・ヨーロッパ)は、ローラと共同開発したR90CKで参戦するという戦略を取ったのです。

3.5リッター・V型8気筒ツインターボは、予選用ブーストで1000ps以上を発生していたと言われ、ル・マンでは日本車として史上初のポール・ポジションを獲得しました。

1000〜1200psと言われるV8ツインターボ。

ところがこの予選用エンジンの存在は、NME以外の日産チームに知らされておらず、そのせいで深刻な内部対立が発生してしまったのです。
そのせいで決勝ではマシンの問題点を共有できず、結局NISMOが5位に入るのが精一杯でした。

この個体はNMEにデリバリーされたもので、7台が製作されたR90CKの内、5番目に作られたものです。
2016年のル・マン・クラシックでも2位に入っており、現在もレースに出場できるコンディションに保たれています。

予想落札価格……1億4800〜1億9800万円

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