デイリーF1ニュース(2017年12月28日) なぜメルセデスはマクラーレンにエンジンを供給しなかったのか?
最新のF1ニュースをコンパクトにまとめてお送りするデイリーF1ニュース。
本日のヘッドラインは以下のとおりです。
- なぜメルセデスはマクラーレンにエンジンを供給しなかったのか?
- ヴォルフ「レッドブルの姿勢は好ましくない」
- リバティ・メディア「F1改革を急がない」
それではご覧ください。
なぜメルセデスはマクラーレンにエンジンを供給しなかったのか?
シーズンオフのテストでホンダエンジンに競争力が無いと判明したとき、マクラーレンはエンジンのスイッチを決断したそうです。
マクラーレンの大株主であるマンスール・オジェは、メルセデスのディーター・ツェッチェ会長に供給を打診しましたが、それが結実することはありませんでした。
「われわれはマクラーレンにエンジンを供給したいと思っていた」と語るのは、メルセデスのF1チームを率いるトト・ヴォルフです。「問題は交渉が長引いてしまったことであり、2018年にエンジンを供給するための体制も整っていなかった。それは単に遅すぎたんだ」
「(メルセデスエンジンを)将来的に誰かに供給する可能性は排除していない。つまりマクラーレンかその他の誰かが、将来パートナーになるかもしれない」
来季のルノーエンジンの出来次第では、マクラーレン・メルセデスが復活するかもしれませんね。
Source: Wolff: Mercedes wanted to supply engines to McLaren | espn.co.uk
ヴォルフ「レッドブルの姿勢は好ましくない」
トト・ヴォルフはレッドブルがルノーを手厳しく批判するのを、好ましく思っていないようです。
その理由についてヴォルフは「それはまさに、彼らがそういうこと(公の場での批判)を言って、現在のパートナーを貶めるようなことをしているからだ。彼らにはリスペクトが無い! 」
「F1とは、人生のあらゆる場面と同じように──つまり私生活やビジネス──譲り合い、パートナーの長所と短所を認め、互いに助け合うことだ」
「これはメルセデスの文化であり、ここ数年成功を収めている。尊敬はわれわれの価値観において非常に重要な部分であり、これがわれわれの有するパートナーを選んだ理由だ」
フェルナンド・アロンソが所属しているチームにメルセデスエンジンが供給されることは、どうやらなさそうですね。
来年ホンダがしくじるようなことがあれば、今年のルノーと同様に、レッドブルから辛辣かつ容赦のない批判を浴びせられることになるでしょう。
Source: Bratches: Liberty won’t rush promises to improve F1 | racer.com
リバティ・メディア「F1改革を急がない」
分配金の元となる賞金プールの額が減少したにもかかわらず、F1のオーナーであるリバティ・メディアは、改革を急がないそうです。
「今年は組織を構築し、プロセス開始するという点で、かなりの量の仕事を達成したと思う」と語るのは、F1の商業面を担当するショーン・ブラッチスです。
「これは目的地の無い旅だ。われわれはこのスポーツに大きな希望を抱いている。スイッチを叩くだけで何か物事が起こり、投資され、成長し、市場に持ち込めるわけではない」
「われわれがどのようにファンとの接触点を広げていくかという点について、あなたがたは変化していく様を見ることになるだろう」
F1はソーシャルメディアに対するアプローチの強化や、ネット上での映像配信(ライブ中継ではないが)などに取り組んでいますが、ネットビジネスはそもそもマネタイズが難しいという問題があります。
F1の最大の問題は、新規ファンの流入が細っていることです。
そしてその原因はインターネット戦略にあるのではなく、単純に若者が車への興味を失ったことにあると考えられます。
トヨタなどはモータースポーツで若者の車離れを食い止めようとしていますが、ハッキリ言って時代錯誤です。
都市のライフスタイルには自動車が必要ないということが、車離れの主な原因なのですから、モータースポーツを見せたところで、興味を持ってくれるのはごく少数でしょう。
スマホやファッション、音楽など、身近にあるものの方に興味の対象が移っていくのは、ごく自然なことですから。
筆者は車もモータースポーツも大好きですが、若者の車離れは仕方がないと諦めています。
自動運転車が普及すれば誰もが気軽にカーシェアリングを利用できるようになり、若者の車への関心も復活する可能性はあるものの、それは10年以上先のことです。
モータースポーツが考えなければならないことは、車に興味の無い人々をいかに惹きつけるかに尽きると思います。
そのためにはモータースポーツのエンターテイメント化しかないのですが、それは自動車メーカーが最も嫌がることです。
なので結局モータースポーツの衰退を止める術が無いんですよね。
Source: Lance Stroll: My Formula 1 rookie results answered my critics | autosport.com
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