フェラーリ 812コンペティツィオーネ レーシングDNAを継承
フェラーリが「812コンペティツィオーネ」を完全公開しました。
車名については「GTO」「イモラ」「VS」などと噂されていましたが、結局コンペティツィオーネという名前に落ち着いたようです。
今回発表されたのは、クーペの「812コンペティツィオーネ」と、タルガトップの「コンペティツィオーネA」です。
後者のAは「アペルタ(開く)」を意味するものと思われます。
812コンペティツィオーネは、高回転型のハイパワーV12エンジン、スーパーファスト比で大幅に向上したダウンフォース、そして軽量な車体を併せ持っています。
レーシングカー的な要素が全て詰め込まれているという点において、跳ね馬のレーシングDNAを継承したモデルと言えるでしょう。
今回は812コンペティツィオーネの概要をご覧ください。
812コンペティツィオーネの概要
エクステリア
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風洞で開発されたS字型のサイドボルテックスジェネレーターにより、フロントディフューザーとの相乗効果が生み出しています。
また、パッシブモバイルエアロシステムも装備されており、250km/h走行時にフロントディフューザーの効果を停止させ、最高速を高めています。
排気口はリアバンパー両端の四角い部分です。
排気口を両サイドに追いやったことで、ディフューザーのワイドにすることが可能となりました。
これによりダウンフォースが大幅に増加しています。
クーペのアルミ製リアスクリーン部分に装備されたボルテックスジェネレーターにより、スーパーファスト比でダウンフォースは10%増。
ボルテックスジェネレーターが無いコンペティツィオーネAも、フライング・バットレスの間にブリッジ要素を追加することで、クーペと同等のダウンフォースを実現しています。
インテリア
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シャシー
後輪ステアリング用のアクチュエーターは左右で独立しており、個別に作動させることができます。
これにより個々のアクチュエーターに制御に関連するパフォーマンスが大幅に向上し、ドライバーのステアリング操作に対する横方向の動きの応答性が良くなっているそうです。
サイドスリップコントロール(SSC)はバージョン7.0に進化。
電子制御式ディファレンシャルのE-Diff 3.0や、トラクションコントロールなどと統合されています。
軽量化も徹底され、スーパーファスト比で38kgも軽くなりました。
乾燥重量は1,487kgです。
カーボンファイバーホイールも利用可能で、鍛造ホイールと比較して4本合計で3.7kgの軽量化できます。
ブレーキの冷却性能も改善されました。
SF90ストラダーレで導入された「Aero」キャリパーコンセプトが採用されています。
これはキャリパーにエアインテークが統合されたものです。
冷却風はフロントバンパーの両端から導入されます。
これらの変更により、ブレーキの動作温度はスーパーファスト比で30℃も低下しました。
パワートレイン
6.5リッター・V型12気筒ガソリン自然吸気エンジンは、最高出力830ps、最大トルク692Nmを発生します。
最高出力の発生回転数は9,250rpm、レブリミットは9,500rpmという高回転型エンジンです。
スーパーファストより40%も軽いチタンコンロッドの採用や、軽量化とリバランスされたクランクシャフト、カムシャフトやピストンピンのフリクション減少などにより、高回転化を実現しました。
ギアボックスは7速DCT。
ギア比はスーパーファストと同様ですが、変速時間は5%短縮されています。
クーペの0-100km/hは2.85秒。0-200km/hでも7.5秒しかかかりません。最高速は340km/h以上です。
コンペティツィオーネAのパフォーマンスはまだ公表されていませんが、クーペよりも重量があるため、わずかに遅いと思われます。
ちなみに812スーパーファストの0-100km/hは2.9秒、0-200km/hは7.9秒でした。
0-100km/hはほぼ互角ですが、0-200km/hは0.4秒速くなっています。
価格・発売日
イタリア本国での価格は、クーペが500,000ユーロ、コンペティツィオーネAが570,000ユーロです。
クーペは999台限定、コンペティツィオーネAは599台限定となります。
最初のデリバリーは2022年になりそうです。
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