次期レクサスRCの姿はGR GT3コンセプトがヒントになる?
先日トヨタが「GR GT3コンセプト」を発表しましたが、次期レクサスRCは、そのGR GT3コンセプトに大きな影響を受けています。
TRD USAのトップであるデイヴィッド・ウィルソン氏が、「新型RCはGR GT3コンセプトからインスピレーションを得て、数年後に登場する」とコメントしたのです。
次期レクサスRCはどうなる?
現行型RCの弱点
GR GT3コンセプトは、GT3レーシングカーのコンセプトカーです。
GT3マシンは市販車をベースに改造を施したもので、現在参戦しているマシンのほとんどはスーパーカーがベースとなっています。
一方、現行のレクサス RCは、当時販売されていた高級セダン「レクサス GS」のプラットフォームを流用したクーペモデルです。
ホイールベースは当時のレクサスISよりも70mm短く、ボディにはレーザースクリューウェルディングや構造用接着剤といった当時最新の生産技術を用い、高剛性のロッカーパネルを採用するなど、スポーツクーペとして十分な資質を与えられているものの、カーボンやアルミのモノコックを持つスーパーカーとは比べ物になりません。
特に1,700kgを超える車重は問題です。
そんなRCをベースにしたものですから、GT3マシン「RC F GT3」の開発は難航しました。本来2014年にホモロゲーションを取得する予定だったものが、実際に取得できたのは2017年。実に3年もの遅れが生じたのです。
1,700kgオーバーの車重を1,300kgまで削ったのですから、時間もかかるわけですね。
また、現行のRCは前面投影面積が大きいため、直線のトップスピードも伸びません。
前出のウィルソン氏は、RC F GT3を「後付け」で作られたレーシングカーだと表現しています。
完成したRC F GT3は、BOP(バランス・オブ・パフォーマンス)に基づく性能調整もあり、SUPER GT等のレースシリーズで活躍していますが、販売台数は伸びていません。
国内でも海外でも、トヨタと関係の深い少数のチームが使用しているだけです。
他のGT3マシンと異なり販売価格が公開されていないことから、RC F GT3はかなり高価なのではないかと言われており、それが販売台数の伸び悩みにつながっているものと思われます。
次期RCはレーシングカーと並行開発
ウィルソン氏は「最初の線を紙に引く前に『レースに出す』と決めることで、市販車の設計パラメータと性能パラメータが形作られる」と説明しています。
そしてGR GT3コンセプトが、レクサスの次期GT3マシンの先駆けであると認めたのです。
たしかにGR GT3コンセプトは、レクサスが開発中の電動スーパーカー「エレクトリファイド・スポーツ」と顔つきが似ています。
レクサスの次期デザイン言語に基づいていると見て間違いないでしょう。
流石にコンセプトカーほど極端なロングノーズで登場するとは思えませんが、次期RCがレースでの使用を念頭において開発された本格的なスポーツカーになることは間違いありません。
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