メルセデス・ベンツがエントリーモデルを削減。高級路線にシフト
メルセデス・ベンツが「エントリーラグジュアリー」と呼ぶCDセグメントのモデルを、削減する予定であることが明らかになりました。
見直しの対象はAクラス、Aクラスセダン、Bクラス、CLA 4ドアクーペ、CLAシューティングブレーク、GLAクラス、GLBクラスの7車種のようです。
また、モデルラインアップの見直しと共に、MMAプラットフォームという新プラットフォームも導入されます。
今回はメルセデスのエントリーラグジュアリーモデルの今後について見ていきます。
メルセデス・ベンツの将来計画
モデルラインアップの見直し
メルセデスの「エントリーラグジュアリー」モデルの販売台数は、2019年には約68万台でしたが、2021年には約57万台に減少しています。たった2年で10万台以上減ったわけです。コロナ禍の影響もあるとは思いますが、それを差し引いてもあまり芳しくありません。
にもかかわらず、自動車の開発にかかるコストはうなぎのぼりです。
燃費規制や排ガス規制は厳しくなる一方ですし、先進運転支援システムも搭載しなければなりません。
ただでさえ利益率の低いエントリーモデルの収益性は、悪化の一途を辿っています。
その問題に対しメルセデス・ベンツは、平均販売価格(Average Sales Price, ASP)の引き上げで対応してきました。2019年から2021年にかけて、エントリーラグジュアリーモデルのASPは約20%も上昇しています。
モデルラインアップの見直しは、さらなるASPの引き上げを狙うものです。
ちなみにこのセグメントにおけるメルセデス・ベンツの市場シェアは、2026年に2019年比で-25%となる見込みですが、それだけシェアが落ちても利益率は良くなるのだそうです。
GLAやGLBのようなSUVは人気があるので、おそらく継続されるでしょう。しかしAクラスセダンやCLAシューティングブレークなどは、厳しいかもしれません。
新プラットフォーム「MMA」
MMAはEVに焦点を当てて開発されたプラットフォームですが、ICE(内燃機関)を搭載することも可能です。
MMAには800Vの高電圧アーキテクチャーや次世代バッテリー(リン酸鉄リチウムイオン電池だと言われている)、eATS2.0と呼ばれる次世代電動パワートレインなどが含まれています。
また、MMAにはMB.OSと呼ばれる次世代インフォテイメントシステムも搭載されるようです。レベル3自動運転もサポートされます。
このような特徴を持つMMAプラットフォームの導入により、エントリーラグジュアリーモデルをより高価格帯に引き上げる事ができます。
MMAは次期EQCセダンにも採用されるとの噂です。
MMAプラットフォーム採用モデルは、2024年にデビューします。
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