VWゴルフが王座陥落。プジョー208が欧州で最も売れたモデルに
これまで欧州で最も売れていたフォルクスワーゲン ゴルフが、ついに王座から陥落しました。プジョー 208にその地位を奪われたのです。208は2022年に206,816台を販売し、欧州市場における覇者となったのです。
一方、敗者となったゴルフは177,203台を販売したものの、5位にまで順位を落としてしまいました。欧州市場に大きな地殻変動が起きているようです。
今回は2022年のベストセラーモデルのランキングを元に、欧州市場の動向を分析してみます。
2022年の欧州自動車市場の動向
順位 | 車種 | 販売台数 |
---|---|---|
1 | プジョー 208 | 206,816 |
2 | ダチア サンデロ | 200,550 |
3 | VW T-Roc | 181,153 |
4 | フィアット 500 | 179,863 |
5 | VW ゴルフ | 177,203 |
6 | トヨタ ヤリス | 175,713 |
7 | オペル コルサ | 164,358 |
8 | ヒョンデ ツーソン | 150,803 |
9 | ダチア ダスター | 149,648 |
10 | ルノー クリオ | 143,561 |
ダチアはルノーの廉価ブランドです。ユニクロに対するGUみたいなものですね。現行型のダチア サンデロは3代目で、日産 ノートと同じくCMF-Bプラットフォームを利用していますが、サンデロは「CMF-B LS」と呼ばれるロースペック仕様となっています。サンデロを昨年に引き続き2位を獲得しました。
3位はVW T-Rocです。ゴルフよりも売れているのは、やはりSUVブームの影響でしょうか。
4位にはフィアット500が入りましたが、この販売台数の中に500eがどの程度含まれているのかは不明です。
6位にはトヨタ ヤリスが日本車としてトップ10に唯一ランクインしています。
7位のオペル コルサは、イギリスではヴォグゾール コルサとして販売されており、それ込みの販売台数です。
8位のヒョンデ ツーソンもSUVですね。
9位にもダチアのSUVであるダスターがランクインしています。
10位はかつてゴルフと覇権を争ったルノー クリオ(日本名はルーテシア)です。
全体として、ハッチバック車は全長4m程度のBセグメントのモデルが売れているようです。ゴルフの全長は4,265mmなのでCセグメントとなり、208よりも一回り大きくなります。Cセグメントのハッチバック車を買うならSUVの方がいい、と判断する消費者が多いのではないでしょうか。
世界的に不景気なので、安価な車が選ばれているという背景もあるでしょう。CセグメントよりBセグメントの車の方が安価ですし、ダチアのような廉価ブランドなら尚更です。
ブランド別ではVWがトップ
欧州市場におけるブランド別のマーケットシェアに目を移すと、VWとステランティス(プジョー、シトロエン、オペルなど)が2強であり、それをルノーグループ(日産はOthersの項目に含まれているので別集計のようだ)やヒョンデ・キア、BMWグループ、トヨタなどが追いかけている形になっています。ちなみにルノーは日産と合わせるとシェア11.51%となります。
トヨタはシェア4番手ですが、2021年からのシェアの伸び率だとテスラに次ぐ2番手です。
トヨタ、日産以外の日本車では、マツダとスズキがシェア1%を超えていますが、その他は1%以下となっています。そのスズキも2021年比で0.5%もシェアを落としてしまったのが気がかりですが、現行型のスイフトがモデル末期なのも関係しているのでしょうか。
2022年に大きく躍進したのがテスラで、シェアを2%台に乗せてきました。他社のEVも出揃ってきたので、テスラがこのままの調子でシェアを伸ばしていくとは思えませんが、どこまでやれるのか興味深いところです。
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