テクノロジー・業界分析 批評

ボルボの親会社・中国吉利(ギーリー)が、ロータスの株式の51%を取得

2017/06/01

中国・吉利(ギーリー)自動車は、2010年にボルボを買収しました。

この買収は大きな成功を収め、2011年には1255億2500万クローナだったボルボの売上高が、2016年には1806億7200万クローナと、6年間で約43.9%もの成長を遂げています。
また、ボルボの営業利益も、2011年には69億5500万クローナだったものが、2016年には110億1400万クローナと、やはり大幅に増えています。

その吉利自動車が、マレーシア・DRB-ハイコム傘下の「プロトン自動車」の株式を取得しました。吉利は、プロトン株式の49.9%を取得した模様です。

吉利はプロトン傘下の「ロータス」についても、株式の51%を取得しています。これにより吉利は、ロータスの支配株主となりました

今回は、プロトンおよびロータスを買収した、吉利自動車の狙いについて考えてみます

sponsored link

吉利によるプロトン株大量取得の狙い

プロトン・サトゥリア・ネオ。日本にも少数が輸入された。

プロトンは、マレーシアにある2つの工場が、年間40万台の生産能力を有しているそうです。

しかし品質に問題があり、プロトン車は長らく販売不振に陥っているため、プロトン工場の稼働率はかなり低いと見られています。

吉利はこの工場の生産能力を活用し、世界的に販売好調なボルボや、自社ブランド「Lynk&CO」の車を生産するつもりなのでしょう。

とくにボルボの販売が好調なため、このペースで販売台数が増加していくと、10年後には年間80万台ほどの生産規模になるはずなので、プロトンの工場はちょうどよい物件と言えるのです。

目次に戻る

ロータスで2匹めのドジョウを狙う?

ロータスに関しては、ボルボと同じ戦略が取られるはずです。

つまり、知名度の高い欧州の自動車ブランドに資金を注ぎ込むことで、販売台数をV字回復させ、投資資金を素早く回収するのが狙いだと考えられます。
その際には、外部の部品メーカーから優れたコンポーネントを調達することで、手早く技術をキャッチアップする手法が取られるはずです。
ボルボもアイシンAWやデンソーから調達するなど、積極的に外部企業の力を活用しています。

また、ロータスの高い技術力は、吉利グループ全体に利益をもたらすはずです。
ロータスの軽量化技術は、燃費の改善に役立ちます。

ロータスとトヨタの関係はどうなる?

現在ロータスはトヨタエンジンを使っていますが、この契約は終了すると思われます
グループ間でシナジーを生み出すためには、ボルボと同じエンジンを搭載した方が効率が良いからです。

ロータスは立ち直れるか?

昨年ロータスは久しぶりに黒字を計上しましたが、経営再建は前途多難だと思われます。

というのも、現在の高級スポーツカー市場は戦国時代だからです。
また、スポーツカーブランド以外でも、ブランドイメージ向上のために、積極的にスポーツカーを開発・販売している時代ですから、「ロータス」という名前だけでは、販売のV字回復は難しいでしょう。

ボルボが成功できたのは、世界的なSUVブームを味方につけたからです。
今後世界的なスポーツカーブームが起こるかというと……首を傾げざるを得ません。

ロータスもSUVを作る!?

しかしロータスがスポーツカー以外の車を製造・販売するならば、話は違ってきます。

実際ロータスにはSUVの開発計画があり、イメージスケッチもすでに出来上がっています。

Evolve」と名付けられたロータス製SUVのデザインスケッチ。
この表によると、Evolveはトヨタ・C-HRよりもコンパクトでスポーティになるようだ。

ボルボと同じグループになったことで、SUVの開発・生産ノウハウも手に入るでしょうから、ロータスのSUVが成功する確率は、かなり高まったといえるのではないでしょうか。吉利の勝算も、そこにあるのかもしれません。

目次に戻る

sponsored link

最後まで読んでいただきありがとうございます。以下の関連記事もぜひご覧ください。

sponsored link

Category: テクノロジー・業界分析, 批評
Tag: , ,

Recommend

1
デイリーF1ニュース(2017年6月28日号)ハース、2台の明暗分かれる 他
最新のF1ニュースをコンパクトにまとめてお送りするデイリーF1ニュース。本日のヘ ...
2
BMW新型X3(G01)モデルチェンジで軽量化×電動化(PHV)=低燃費に!【6/27更新】
3代目となる新型BMW X3の情報が、ついに正式公開されました!CLAR(CLu ...
3
日産がトヨタを打ち負かす!? ゴーンCEOはビッグマウスか検証
ルノー日産のカルロス・ゴーンCEOが、「ミッドイヤーには世界1位の自動車メーカー ...
4
日産 新型リーフの航続距離、価格、スペックなど最新情報【6/22更新】
日産・リーフのフルモデルチェンジが間近に迫っています。このページでは2代目となる ...
5
ポルシェ新型911(タイプ992)新デザインはPHV登場の伏線か【6/21更新】
先ごろマイナーチェンジモデルの911(通称991.2型)を発表したばかりのポルシ ...
6
VW新型ポロ モデルチェンジ後の画像・価格・サイズ・スペックなど【6/17更新】
第6世代となるフォルクスワーゲン・ポロが、ついにお披露目されました。新型のボディ ...
7
ジャガーE-Pace 新型ミッドサイズSUVはデザイン最優先!?【6/21更新】
ジャガーがミッドサイズの新型SUV「E-Pace」を開発中です。登場すればアウデ ...
8
メルセデス・ベンツ次期Aクラス AMG新型A45は400馬力!【6/20更新】
フルモデルチェンジの迫る新型Aクラス(W177)の開発車両が、ニュルブルクリンク ...
戻る