Techrules Ren RS マイクロタービン・レンジエクステンダー搭載のハイパーカー
中国のTechrules(テックルールズ)という会社が、Ren RSというレンジエクステンダーEVを公開しました。
サーキット専用車ですが、1000馬力以上の最高出力を発生するハイパーカーです。
今回はTechriles Ren RSの概要についてお伝えします。
Ren RSの概要
エクステリア
ロードカーバージョンのRenのデザインを手掛けたのは、ジョルジェット・ジウジアーロとファブリツィオ・ジウジアーロの親子ですが、Ren RSはL.M. Gianettiの手でリファインされています。
RSは元々のRenとは異なり、シングルシーターに変更されています。
サーキットでのタイムを追求した結果でしょう。
アグレッシブなエアロのインパクトは抜群です。
インテリア
内装は完全にレーシングカーのそれです。
ステアリングにはまるでF1マシンの如くたくさんのボタンが並んでいますし、センターコンソールは戦闘機のようです。
シャシー
カーボンモノコックが採用されています。
前後サスペンションはダブルウィッシュボーン式で、ショック・ユニットはKW製のコイルオーバーダンパーです。
ブレーキはAPレーシング製の6ピストンキャリパーに、φ380のカーボンセラミックブレーキディスクを組み合わせてあります。
トラクションコントロールやトルクベクタリングなど、電子制御によるドライバーエイドも万全です。
トルクは路面状態に応じて各ホイールに適切に分配されます。
ボディサイズ
各部寸法(mm) | |
---|---|
全長 | 5072 |
全幅 | 2055 |
全高 | 1260 |
ホイールベース | 2724 |
パワートレイン
Ren RSはマイクロタービンを搭載するレンジエクステンダーEVです。
このタービン・レンジエクステンダーによって航続距離を延長できるため、バッテリー容量は28.4kWhと少なめになっています。
燃料タンクにある80リッターの軽油を利用すれば、1170kmを走行可能だそうです。
モーターはフロントに2つ、リアに4つの合計6つを搭載。1305psの最高出力と、2340Nmの最大トルクを叩き出します。
0-100km/hは3.0秒、最高時速は330km/hです。
モーターが4つのバージョンもあり、そちらは870ps、1560Nmとなっています。
本当に速いのか?
夢のある数字が並んでいますが、本当に速いかは疑問が残ります。
Ren RSは1メガワット(1360ps)近いハイパワーな割りに、0-100km/h加速のタイムが意外と遅い(それでも3秒フラットだが)です。
複雑なシステムのせいで乾燥重量1854kgと結局重くなってしまったことや、バッテリー容量の小ささが原因ではないかと思います。
EVのテスラ・ロードスターⅡの方がRen RSよりも加速性能に優れているのは、一度に放電できる電力量に差があるためではないでしょうか。
スペック上では素晴らしい数値となるタービン・レンジエクステンダーですが、テスラのようなハイパフォーマンスEVや、ハイパワーなガソリンエンジンを搭載したハイパーカー(例えばケーニグセグなど)よりも、優れているとは言い切れないと思います。
かつて同様のシステムを採用したジャガー・C-X75コンセプトも、結局市販化されませんでしたしね。
ただ、自動車にマイクロタービンを採用した事例が極端に少ないので、まだ開発の余地はあると思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。以下の関連記事もぜひご覧ください。