新型GT-Rは完全新設計のプラットフォームで登場! 電動化もあり得る?
日産が新型GT-Rのために全く新しいプラットフォームを開発中であると、日産のデザイン部門のトップであるアルフォンソ・アルベイザ氏によって明かされました。
今回はアルベイザ氏のコメントから、次期GT-Rの姿に迫りたいと思います。
新型GT-Rの最新情報
外観は「独自の特別な車」になる
今年のグッドウッドで日産は「GT-R50 by イタルデザイン」という車をワールドプレミアしました。
50台の限定生産で、価格は90万ユーロというスーパーカーです。
これが新型GT-Rの基礎になるのかと思いきや、アルベイザ氏は、GT-R50からアイデアを拝借することはないと言います。
「独自の、特別な車である必要がある」とアルベイザ氏。
「我々は人々の夢を反映させるだけでいい。そして人々は次のGT-Rが世界で最もホットなスーパースポーツカーになることを夢見ていると思う」
「(新型GT-Rのデザインは)動物的なものだ。堂々としており、過大でなければならない。それはウイングによるものではなく、むしろその視覚的な質量であり、存在感や大胆さにおいてだ」
「世界のスーパーカーが何をしているのかは気にかけない。それは単に言う『私はGT-R。私はレンガだ。捕まえてみろ』それは本当に世界最速のレンガだ」
「私は新型GT-Rのスケッチを見直すときには『ウイングを減らせ、もっとレンガになる』と何度も言っている」
レンガというのはおそらく「塊感」のことだと思います。
大きなウイングで仰々しくするのではなく、一つの塊として筋肉質な面構成で個性を出したいというのが、アルベイザ氏の考えなのでしょう。
世界最速のためのプラットフォームとパワートレイン
「我々は間違いなく、新しいプラットフォームを作っている」とアルベイザ氏。「我々の目標は明らかだ。GT-Rは、その種の車で最も速くなければならない。サーキットを我が物にしなければならないんだ。そしてそのために、先進的なテクノロジーゲームをしなければならない」
「電動化」は未定
先進的なテクノロジーと聞くと、パワートレインが電動化されるような印象を受けますが、必ずしもそうではないようです。
「大幅に電動化しても、あるいは全く電動化しなくても、我々は多くのパワーを得ることができる」とアルベイザ氏は自信をのぞかせます。
日産は2015年のル・マン24時間レースに、GT-Rの名を冠するプロトタイプ「GT-R LM NISMO」を持ち込んだことがありました。
成績は振るいませんでしたが、3.0リッター・V型6気筒ガソリンツインターボに、エネルギー回生システムを組み合わせたハイブリッド・パワートレインは、システムトータルで1250psを発生していたと言われています。
いくらGT-Rのためとはいえ、今後日産がV型8気筒以上の多気筒エンジンを新開発するとは思えませんし、V6ツインターボ+ハイブリッドという構成が一番自然だと思うのですが、果たしてどうなるでしょうか。
発売までには時間がかかりそう
現行型の日産GT-Rが発売されたのは、2007年12月です。
つまり既に丸10年が経過しているわけで、流石に古臭さが隠しきれなくなってきています。
よって一刻も早い新型GT-Rの投入が待ち望まれているわけですが、残念ながら今後1~2年は無理そうです。
「正直に言うと、挑戦しているのは(デザイナーではなく)エンジニアだ」とアルベイザ氏は打ち明けます。
「本当に特別な何かが車にもたらされたら、そのときに我々は仕事をするだろう。しかしそのときにはまだ近づいていない」
現行型GT-Rは、プロペラシャフトを2本持つトランスアクスルレイアウトの4WDという特異なパワートレインでデビューし、世界を驚かせました。
当初は本当に速く走れるのか疑問視されていましたが、ニュルブルクリンクでポルシェ911ターボのタイムを破り、その実力を証明して見せたのです。
それ以降、スポーツカーの実力=ニュルのタイムという方程式が出来上がり、各社がこぞってタイムアタックする現状が生み出されてしまいました。
最近は「ニュル世界最速」のハードルが上がり続けているので、開発も難航しているのだと思います。
サーキットを速く走るためには、車重を軽くしなければなりません。
現行型のR35GT-Rは、その特殊なパワートレインのために、車重はかなり重めです。
ハイブリッドにして、前後輪のどちらかをモーターで駆動した方が、重量増を抑えつつ加速も良くできると思うのですが、日産はどのような答えを出してくるでしょうか。
数年後が楽しみですね。
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