BMW Vision M NEXTの市販化決定! だがi3とi8の後継車種は無し……
これまでBMWの電化戦略を担ってきたi3とi8ですが、直接的な後継車種は開発されないようです。
BMWの研究開発を取り仕切る、クラウス・フレーリッヒ氏が明らかにしました。
その代わりに、先日発表されたVision M NEXTが、今後3年ほどの間に市販化されるそうです。
市販バージョンのM NEXTは純然たるMモデル、つまりかなりのハイパフォーマンスカーとなります。
今回はフレーリッヒ氏のコメントから、BMW Mの今後の電化戦略についてまとめてみました。
BMW Mの電化戦略
M NEXTの市販バージョンは、i8のカーボンモノコックに、ハイパワーな直列4気筒ターボエンジンとモーターを組み合わせたプラグインハイブリッド(PHEV)となります。
ギアボックスは8速オートマチックになるようです。
「どのMモデルでも、Mモデルとして機能する必要があります」とフローリッヒ氏。
「もし純粋な電気自動車(EV)で600psを得ようとすれば、大きなバッテリーを積まなければならず、車重は2.1~2.2トンになってしまいます」
「そして2.1~2.2トンもある車は、ニュルブルクリンクで上手く振る舞わないでしょう。速いということは、直線の加速だけではありません。その部分は簡単です」
市販バージョンのM NEXTの目標車重は、1,700kgだそうです。
R35 GT-Rと同レベルの車重とパワーに加え、モーターによる鋭い加速もあれば、ニュルブルクリンクにおける市販車ラップタイムレコードを更新できるかもしれません。
ちなみにコンセプトカーのVision M NEXT(走行可能だそう)の車重は、1,700kgを大きく下回っているそうです。
市販バージョンのM NEXTのパフォーマンスは、最高速度300km/h、0-100km/hは3秒とされています。
こちらはコンセプトカーのパフォーマンスに基づくものではなく、計算によって弾き出した数値だそうです。
「Mは原則として電化に向かっています」とフローリッヒ氏。「M4は常にアイコンですし、M5だってそうです。電化はよりスポーティーな車を作るための転換なのです」
「2020年代のMモデルは、主に走行性能上の理由から、電動サポート付きのパワートレインを搭載します。2022年以降には、2ミリ秒以内にV8エンジン並のトルクを供給すべく、電動パワートレインが数百Nmのトルクを持つでしょう」
Mモデルが純粋なEVとなるのは、2030年以降だとフローリッヒ氏は語っています。
エネルギー密度が十分に高いバッテリー(=軽量)が開発されなければ、Mモデルのパフォーマンスを維持できないからです。
i3とi8について
フローリッヒ氏はi3およびi8を「孤独なコンセプトを持つ車」だと評しています。
4シリーズとプラットフォームを共有するi4とは異なり、i3とi8はワンオフだったからです。
革新的な車だったi3やi8ですが、EVやPHEVが一般化したことで、その役割を終えたということでしょう。
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