ジャガーF-TYPEがミッドシップ化される!?

ジャガー・Fタイプは2015年に4600台を販売したそうです。スーパーカーとしてはかなりの販売ボリュームと言えるでしょう。
しかしジャガーのデザイナーであるイアン・カラム氏は、次期Fタイプをミッドシップエンジン・リアドライブ(以下、MR)に変えることを検討しているようです。
画像の出典: netcarshow.com
ジャガー・Fタイプとは?
名車ジャガー・Eタイプにインスパイアされた2シーター・クーペが、ジャガー・Fタイプです。

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かつてのEタイプはレーシングカーとのつながりが色濃い車でしたが、Fタイプでのレース活動は現在のところ行われていません。
しかし、最強モデルの「Fタイプ SVR」には、575psを発生するV8スーパーチャージドエンジンに4WDを組み合わせるなど、スポーツ性能の高さは随一です。ジャガーというとラグジュアリー志向の車種が多いですが、Fタイプだけは明確にスポーツ志向を打ち出しています。
なぜFタイプをミッドシップ化するのか?
イアン・カラム氏のコメントを引用します。
車のプロポーションを買える時が来たのです。(MR化は)長年私の心の中にあったことです。
我々がすべてのミッドシップ・スーパーカーを愛しているという事実が(MR化すべきだということを)裏付けています。そしてミッドシップ・スーパーカーは、押しなべてキャブフォワードなルックスです。
上記のコメントは3段論法になっていますね。
- 我々はミッドシップ・スーパーカーが好きだ。
- ミッドシップ・スーパーカーはキャブフォワードである。
- だから他の車もキャブフォワードにすべきだ。(その方が消費者に好まれるはずだから)
ミッドシップのスーパーカーを引き合いに出しているので、「キャブフォワードなデザインの方がカッコイイ!」と言いたげに見えます。しかしカラム氏のコメントの続きを読むと、そう単純な話ではないようです。
私はSUVでそれ(キャブフォワードなルックスにすること)と似たようなことをする機会があると感じていました。
上記コメントのSUVとは、I-PACEのことです。電気自動車のSUVコンセプトとして、LAモーターショーで発表されました。

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良いところは、従来のドライブトレインではI-PACEのような形を作れないということです。よくよく考えた上でデザインしたのですが、正直なところ、正味の結果は何か違う感じでした。パッケージングの面ではより効率的ですが。
カラム氏はI-PACEのデザインに納得していないようですが、電気自動車ならではのパッケージング=キャブフォワードというところがポイントです。
現在の車の寸法は、セグメントごとに各車似たようなものになっています。エンジンがボンネットとフロントオーバーハングのサイズを決め、衝突安全技術と人間の身長が室内空間の広さを決めているからです。
カラム氏は、もしI-PACEのボンネットを200mm長くし、フロントウィンドウスクリーンの位置を後退させたら、もはや別物になってしまうと言います。乗員保護の観点から、Aピラーの角度を立てざるを得ないからです。
Aピラーが垂直に近くなるほど、空力的な問題も発生しやすくなります。空気抵抗が増えれば燃費(電費)が悪化するのは必然です。
逆にI-PACEのようなキャブフォワードデザインならば、空気抵抗が小さく(I-PACEのCd値は0.29)できます。また、ミニバンを見ればわかるように、キャブフォワードの方が室内を広く作れるのです。
つまりキャブフォワードデザインにミッドシップ・スーパーカーのエッセンスを加えて、「かっこよくて」「効率的で」「室内が広い」車を目指したのが、I-PACEということになります。そしてそのようなパッケージングは、電気自動車でなければ不可能です。再びカラム氏のコメントを引用します。
私たちはEVのスポーツカーを作る必要があると思います。次のFタイプがそうなるとは言いませんが、必然的に私たちはEVのスポーツカーを作るでしょう。
FタイプのEV化を見据えると、ミッドシップ化(=キャブフォワード化)も必然と言えるのです。
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