トヨタがGRヤリスにDAT搭載モデルを追加か
トヨタが2024年1月に開催される東京オートサロンにて、ダイレクト・オートマチック・トランスミッション(DAT)が搭載されたGRヤリスを発表するという噂が流れています。
DATと一般的なATの違いは何なのでしょう? 今回は現在までに判明しているDATに関する情報と、MT車に対する優位性について考えてみます。
GRヤリス DAT搭載モデルの最新情報
DATは何が違う?
DATを搭載するGRヤリスに試乗したジャーナリストやレーシングドライバーのコメントをまとめると、DATと一般的なATの違いは以下の2点です。
走り出しからロックアップ
DATは走り出しからロックアップされており、ダイレクトなフィーリングを得られるそうです。
ロックアップとはトルクコンバーターに設置されたクラッチ機構のことで、トルクコンバーターのポンプ側とタービン側を直結します。通常時のトルクコンバーターはオイルを用いた流体クラッチで駆動力を伝達するので、発進はスムーズですが伝達効率が悪く、リニアな反応が得られません。DATはロックアップを積極的に使うことで、ドライバーの意思に素早くレスポンスするようになっているのでしょう。おそらくアクセルをガバっと踏み込んだときに素早くロックアップする設定になっているのだと思います。
ブレーキングでシフトダウン
一般的なATでは、加速が必要だとシステムが判断したときにシフトダウンする仕組みになっていますが、DATではブレーキングしたときにシフトダウンしてくれるのだそうです。
スポーツドライビングでは、ブレーキングしてコーナーに進入する前にシフトダウンするのが普通です。コーナリング中にシフトダウンすると車体が不安定になりますし、コーナーからの脱出時にシフトダウンしていたのでは遅くなってしまうからです。DATはよりスポーツドライビングにフォーカスしたシフトプログラムになっているのでしょう。
DATの優位性
ギア段数の多さ
GRヤリスに搭載されるDATは、8速だと言われています。GRヤリスのMTは6速ですから、DATの方が段数が多いです。8速ならば、たとえ6速MTと同じ最高速であっても、それぞれのギアが受け持つ速度域が狭くなるので、より鋭い加速が可能になります。しかもDATはオートマですから、変速スピードも人間より速く、シフトチェンジによるロスタイムも少ないです。
2ペダルであること
現代では新車販売のほとんどがATとなっています。また、新たに運転免許を取得する人の7割以上がAT限定免許を取得しているのだそうです。
となると、MTでどんなに良い車を作ったところで、免許が無いから乗れないという人が数多く出てしまいます。MTのような運転フィーリングをATで実現できれば、より多くの人がスポーツドライビングを楽しめるようになるはずです。また、普段遣いではATで楽に運転できるのもメリットといえるでしょう。
ちなみに2023年のスーパー耐久シリーズには、DATを搭載したGRヤリスがテスト参戦していましたが、タイムはMT車と変わらなかったとのことです。
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