新型プリウスの現行型との比較と、燃費40km/L懐疑論

トヨタの新車情報

新型プリウスの現行型との比較データをまとめてみました。

主要諸元

現行型 新型
全長 4480mm 4540mm +60mm
全幅 1745mm 1760mm +15mm
全高 1490mm 1470mm −20mm
ホイールベース 2700mm 2700mm ±0mm
排気量 1.8L 1.8L ±0 cc
駆動方式 FF 4WD?
燃費※ 21.13km/L 23.25km/L? +10%?

※燃費はEPAコンバインド燃費。JC08よりも実走行に近いデータが出る。

トピック

エンジンはおそらくキャリーオーバーだが、熱効率40%以上を達成している。

トランスミッションはCVT。

モーターは現行型より強力で、しかも小さい。

モーターが後輪を駆動する「e-4WD」を採用するだろう。

現行型のニッケルメタルバッテリーとリチウムイオンバッテリーの両方を用意する噂がある。

TNGAに基づく新型プリウスのシャシーは、今後カムリやカローラ、RAV4にも流用される基礎となる。重心が低くサスペンションが修正されるため、ハンドリングが良くなることは約束されている。

出典:www.edmunds.com

プリクラッシュセーフティシステム、レーンディパーチャーアラート、レーダークルーズコントロール、オートマチックハイビームの4つをセットにした「Toyota Safety Sense P」を採用。

雑感

新型プリウスは現行型よりもワンランク上の、よりプレミアムな車となるのは確実でしょう。アクア(海外名プリウスC)という弟分が誕生したことで、低価格帯を受け持つ必要が無くなったからです。走りや快適装備に関してはかなり期待していいと思います。

逆に今までプリウスが売りにしてきた燃費に関しては、少し報道が加熱し過ぎかなと思います。JC08モードで40km/Lという数字ばかりが先走っていますが、EPAコンバインド燃費では55mpg=23.25km/L程度と推測されています。40km/Lという数字はアメリカでトヨタ関係者が「10%程度燃費が向上する」と発言したために出てきたものと思われますが、この発言はそのままパワーソースの燃費改善を意味しません。

EPA燃費の場合、市街地と高速道路の燃費をそれぞれ計測します。EPAコンバインド燃費は、それらを統合したものです。EPAの場合、テストでの最高速が128km/h(JC08では81.6km/h)と高速だったり、エアコンをつけた状態や渋滞・寒冷地走行も再現してテストされます。JC08では電装品が燃費に与える影響が考慮されませんから、プリウスの燃費向上が電装品の省エネ化や高速走行時の燃費改善によるものであった場合、JC08でのテストにはそれほど反映されないのではないでしょうか。

もちろんトヨタも日本向けにチューニングしてくると思いますが、現行型プリウスの燃費はJC08で32.6km/Lです。新型プリウス燃費40km/L論者は、なぜか都合よく現行型が10・15モードで記録した38.0km/Lを出してきて、10%向上で40km/Lだと主張しています。

新型プリウスの燃費は、おそらく35km/L〜36km/L前後ではないでしょうか。