石浦タイトル獲得に黄信号? スーパーフォーミュラ最終戦予選レビュー&決勝プレビュー

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スーパーフォーミュラ_石浦宏明

画像の出典: as-web.jp


タイトル争いの構図は石浦vs中嶋一貴のままだが……

鈴鹿サーキットで行われるスーパーフォーミュラの今季最終戦は予選を終了し、アンドレ・ロッテラーがレース1の、山本尚貴がレース2のポール・ポジション(以下、PP)をそれぞれ獲得しました。

PPを獲得したことで、ロッテラーはランキングトップの石浦とのポイント差を13ポイントに縮めましたが、明日行われる2レースの両方をロッテラーが制したとしても16ポイントしか獲得できないため、ロッテラーが逆転でタイトルを獲得する可能性はほぼありません。

安定感抜群の石浦

今シーズンの石浦は全てのレースで5位以上を獲得しています。明日のレースで2回とも5位だったとしても、4点獲得できます。なので明日の石浦の獲得ポイントが3点以下というのは考えづらいです。

よってタイトル争いの主軸はやはり、ランキングトップの石浦と2位の中嶋一貴です。しかしこの2人、予選ではやや精彩を欠いていました。


ナーバスな一貴、調子を落とす石浦

一貴は予選Q1、Q2ともにあやうくノックアウトされそうになるほどの不調ぶりで、苛立ちからかピット内でもナーバスな態度を見せていました。しかし流石はトムスというべきか、レース1は5番グリッド、レース2は4番グリッドを獲得するところまでもっていき、タイトルへの望みを何とか繋ぎ止めました。

上位陣で唯一タイムを伸ばせなかった石浦

石浦はレース1のグリッドを決めるQ1こそ2番手につけたものの、結局このQ1のタイムをその後上回ることができず、レース2のグリッドを決定するQ3では7番手に沈んでしまいました。上位陣はQ3でQ1から0.2秒〜0.6秒ほどタイムアップしており、タイムが遅くなったのは石浦だけでした。

このことは石浦が路面のラバーグリップを活用できなかったどころか、むしろそのせいでマシンバランスが崩れてしまったことを示しています。

雨が吉と出るか、凶と出るか

ただ決勝の天気は雨の予報です。路面のラバーは雨で流れてしまいますから、その点においては石浦の懸念材料が1つ減ることになります。

しかしレース2を雨の中予選7番手でスタートするのはリスキーです。中段グループからのスタートは接触に巻き込まれやすいにもかかわらず、雨天時にはトップグループの巻き上げる水しぶきで前が見えないため、アクシデントに遭遇するリスクはさらに高まります。

レース1の重要性

レース2で石浦が好結果を残すのは至難の業でしょう。ただしそれは一貴にとっても同じことです。

石浦と一貴のポイント差は6点。勝利数では石浦が上回っていますから、一貴は明日2勝しない限りは、ポイントで石浦を逆転しなければなりません。

一貴のタイトルを阻むホンダ勢

しかし一貴は、レース2の予選で山本と野尻のホンダ勢2台に先行を許してしまいました。決勝レース2ではこの2台よりも前でゴールしたいところですが、今日の予選を見るかぎり、一貴が山本の速さに対抗できるとは思えません。ロッテラーに勝つのも難しいでしょう。

ロッテラーはチームメイトですから、一貴にポジションを譲ってくれるかもしれません。しかしレース2で一貴が2位に入ったとしても、2レース制のため獲得できるのはわずか4ポイントです。石浦がレース2をノーポイントで終わったとしても、4点しか縮められなければ意味がありません。

レース1で運命が決まる

したがって一貴は、レース1で石浦よりも3点以上多くポイントを獲得しておかなければなりません。優勝すると5点+ボーナス3点がつくので優勝するのがベストですが、予選の走りからするとかなり厳しいでしょう。

逆に石浦はレース1を予選順位の2位のままゴールすれば、タイトルをほぼ手中に収めることができます。一貴の順位次第では、レース1でタイトルが決定する可能性もあります。明日の決勝は、レース1に注目です。