新型プリウスPHVの燃費は71.5km/L!?
もしかしてこっちが本命?
奇抜なデザインで賛否両論の50プリウスですが、新型プリウスPHV(米国名: プリウスプライム)のデザインはより一般的な意匠なので、保守的なユーザー層にも受け容れられそうです。
しかし最大の注目点は、なんといっても燃費でしょう。イギリスのAUTOCARによると、トヨタは202mpg(=71.5km/L)という燃費を主張しているとか。
71.5km/Lというのはおそらく複合モード燃費の数値だと思いますが、それでも既存のあらゆるPHVを凌駕するとてつもない数値です。トヨタがティーザー画像で「驚異的なメカニズム」と自信満々だったのも納得ですね。
トップ画像の出典: carscoops.com
目次
主なトピック
最大のトピックは、EV走行距離が60km以上に伸びたことです。現行型は26.4kmなので、倍以上ですね。バッテリー容量はちょうど2倍なので、モーターやドライブトレーンの効率も向上しているのでしょう。
発電用のモーターも走行に活用する「デュアルモータードライブシステム」によって、EV走行時の加速性能も改善されています。
充電スタンドで急速充電すれば、20分で満充電にできるのも、かなり大きなメリットだと思います。出先で充電できるならば、往復で100km以上の距離を電池だけで走行できてしまうのですから、もはやEVみたいなものです。
なにがすごいの?
現行比で2倍になるとはいえ、プリウスプライムのバッテリー容量は、他車と比較してもそれほど大きくはありません。しかし、燃費では他車を圧倒しています。
車名 | バッテリー容量(kWh) | 複合モード燃費(km/L) |
---|---|---|
アウトランダーPHEV | 12 | 67 |
プリウスプライム | 8.8 | 71.5 |
VWゴルフGTE | 8.7 | 65.5 |
BMW225xe | 7.7 | 50 |
表を見れば、プリウスプライムのバッテリー容量あたりの燃費の良さが一目瞭然です。なぜこれほどの差がついたのでしょうか?
新型プリウスPHVにあって他車にないもの
その理由を探るべく、プリウスプライムとゴルフGTEの寸法と重量を比較してみましょう。
寸法・重量 | プリウスプライム | VWゴルフGTE |
---|---|---|
全長(mm) | 4645 | 4265 |
全幅(mm) | 1760 | 1800 |
全高(mm) | 1470 | 1480 |
ホイールベース(mm) | 2700 | 2635 |
車両重量(kg) | 1510 | 1580 |
プリウスプライムはゴルフGTEよりも大きな車であるにもかかわらず、車重は70kgも軽いのです。この軽さが低燃費の秘密と見て間違いないでしょう。
70kgもの差は、バッテリーやモーターの軽量化だけでは到底不可能です。プリウスプライムではテールゲートをCFRP製にするなど、車体の軽量化も徹底されています。
でも……お高いんでしょう?
燃費の良いPHVですが、イニシャルコストの高さがネックです。PHVの普及を阻む最大の障壁となっています。
PHVには高価なバッテリーを大量に使用するため、どうしてもコストがかかります。50プリウスのバッテリー容量は0.75kWhしかありませんが、プリウスプライムのバッテリーはその11.7倍もの容量です。
しかも現行型のプリウスPHVと比較しても、プリウスプライムはバッテリー容量が2倍になっています。車体にもCFRPが使われるなど、価格が高くなる理由はあっても、安くなる理由は見当たりません。
ところがAUTO EXPRESSによればイギリスでの価格は£28000(1£=¥160換算で、448万円)からと、現行型の£28395(同、約454万円)とほぼ同じ価格で発売されるようです。サイズが大型化したことを考えると、実質的には大幅なプライスダウンといえます。
低めの価格設定は、プラグインハイブリッドを普及させるための戦略的なものでしょう。トヨタの本気度合いは、公式ページの文章からも伝わってきます。
EV走行を基本とし、電池切れの弱点を克服したPHVこそ、ハイブリッド車に次ぐ次世代環境車の柱であり、現在、もっとも環境に貢献できるクルマと言えます。
出典: toyota.jp
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