VW社内では排ガス不正の方法をパワポでプレゼンしていた
誰がプレゼンを受けたのか?
ニューヨーク・タイムズが報じたところによると、VWは2006年の排ガス試験で不正する方法を社内プレゼンしていたとのことです。
目次
発覚の経緯とプレゼン資料の作成者
プレゼン資料は捜査中に発見されたものだそうです。情報をリークしたのは捜査関係者に近い2人の匿名人物とのことですが、彼らは排ガス不正に関するプレゼンに参加していたといいますから、VW関係者であるのは確実です。
プレゼン資料を作成したのは幹部クラスの技術者だと思われますが、比較的階級の低い技術者のプレゼン資料への関与もあったと見られています。
排ガス不正の計画性からすると、プレゼンの段階で既にディフィートデバイスを作成していた可能性が高く、実働部隊である現場の技術者も、何人かはプレゼンに協力していたと考えるのが妥当だからです。
届かなかった訴え
不正に関するアイデアでプレゼンできてしまう企業文化自体にも問題がありそうですが、常識的な人物がVW社内にいなかったわけではありません。
情報源の2名も、そんな常識的な人物でした。彼らはプレゼンの場で「不正するべきではない」と反対したそうですが、聞き入れられることはありませんでした。ディフィートデバイスを使わない場合に発生する「高すぎるコスト」がその理由です。不正が発覚した場合のコストについては、考えが及ばなかったのでしょうか。
VWの役員たちは知っていた?
プレゼンが誰に対して行われたかについて、まだ詳しくはわかっていません。
しかしこのような大規模な不正の計画をプレゼンする相手といえば、役員やそれに準ずる地位の人間しかいないでしょう。
VW側の主張のように、現場の人間だけで排ガス不正が行われたのであれば、不正の計画をプレゼン資料にまとめる必要はないはずです。VW上層部の許可を取るためにプレゼンしたとしか考えられません。
先ごろ米国環境保護局(EPA)は、500,000台の不正なディーゼル車をVWが買い戻すという条件で合意しました。しかし制裁金に関しては司法省と係争中ですし、刑事事件としての捜査はまだまだこれからです。VW側は役員の関与を一貫して否定し続けてきましたが、外堀は埋まりつつあるように見えます。
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