トヨタC-HRの価格・サイズ・カラー・燃費・スペックまとめ【12/14更新】
トヨタの新型クロスオーバーSUV、C-HRが、ついに発売となりました。コンパクトSUVカテゴリーで出遅れたトヨタが満を持して放つ、起死回生の一手は如何なものか、早速見ていきましょう。
C-HRの発売日・予約開始日
12月14日に発売され、納車は最短でも年末、取扱はトヨタ全店です。
トヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店のそれぞれで、異なるドレスアップパーツが用意されるみたいですよ。
C-HRの価格
日本国内での価格は以下のとおりです。
グレード | パワートレイン | 駆動方式 | 価格(万円) |
---|---|---|---|
S-T | 1.2L直噴ターボ | 4WD | 251.64 |
G-T | 277.56 | ||
S | 1.8L+モーター | FF | 264.6 |
G | 290.52 |
ちなみにライバルの筆頭であるCX-3の最上級グレード「マツダCX-3 XD Lパッケージ(2WD)」は、280.8万円となっています。
C-HRハイブリッドは、燃費でこそCX-3を上回ると思いますが、CX-3はディーゼルで経済性に優れています。
それを考えると、C-HRはかなり強気な価格設定です。トヨタの自信のほどが窺えます。
C-HRのボディサイズ・室内の広さをライバルと比較
C-HRのサイズを、同じクラスに属する国産のSUVと比較してみたいと思います。
サイズ | C-HR | ジューク | ヴェゼル | CX-3 |
---|---|---|---|---|
全長(mm) | 4360 | 4135 | 4295 ※3 | 4275 |
全幅(mm) | 1795 | 1765 | 1770 ※4 | 1765 |
全高(mm) | 1550 ※2 | 1565 | 1605 | 1550 |
ホイールベース(mm) | 2640 | 2530 | 2610 | 2570 |
最小回転半径(m) | 5.2 | 5.3 | 5.3 ※5 | 5.3 |
室内長(mm) | 1800 | 1835 | 1930 | 1810 |
室内幅(mm) | 1455 | 1470 | 1485 | 1435 |
室内高(mm) | 1210 | 1215 | 1265 | 1210 |
ラゲッジ容量(L) ※1 | 377 | 251 | 393 | 350 ※6 |
※1 後席使用時の容量
※2 C-HRハイブリッドの全高。ターボ車は1565mm
※3 ヴェゼルRSは4305mm
※4 ヴェゼルRSは1790mm
※5 ヴェゼルRSは5.5m
※6 サブトランクを含む
C-HRは全長がいちばん長く、しかも幅広です。
つまりワイド&ローなわけですから、C-HRがかっこ良く見えるのは当然ですね。
しかもホイールベースが一番長いのに、最小回転半径は5.2mで、4車中最小となっています。
でも全長とホイールベースが長いのに、C-HRの室内長は4車の中でもっとも短いです。
リアシートの広さがちょっと気になりますね。
2016年11月22日追記
海外自動車メディアのレビューによると、リアシートは圧迫感こそあるものの、頭上や足元には十分なスペースがあるようです。詳しくは目次から「C-HRの評価まとめ – インテリアの評価」をご覧ください。
ラゲッジスペース容量で2番手に甘んじているのは、ヴェゼルがセンタータンクレイアウトだからでしょう。ホンダ車のスペース効率は流石の一言です。
C-HRのボディカラー
ボディカラーは全8色です。
C-HRはエッジが効いたデザインなので、ビビッドなカラーの方が似合う気がします。
C-HRのエクステリア
C-HRのエクステリアデザインは、トヨタ車としては久々に好評です。50プリウスなんて豊田章男社長自ら「カッコ悪い」と言うくらいなのに、C-HRは海外の自動車サイトでも賞賛されています。
デザインコンセプトは「センシュアル・スピード-クロス」。スピード感あふれるボディ、SUVのたくましい足回りを表現したほか、質感・形状・色など細部にこだわり、大人の感性に響く意匠を追求しているそうです。
かっこよさの秘密は、エッジの効いたキャラクターライン(ダイヤモンドがモチーフ)と塊感があること。そしてスピンドルグリル的なデザインをやめたことでしょう。
スピンドルグリルはレクサスのファミリーフェイスですが、クラウンなどのトヨタ車にも、似たようなデザインが施されています。アレのせいで台無しになった車は数知れず。これを機にトヨタ車に使うのは止めて欲しいですね。
シーケンシャルターンランプ
12灯のLEDが内側から外側へと流れるように光る「シーケンシャルターンランプ」を、トヨタ車としては初採用しています。
C-HRのエアロパーツ
モデリスタおよびTRDから、C-HR専用エアロパーツが発表されました。
モデリスタ
BOOST IMPULSE STYLE
ELEGANT ICE STYLE
TRD
Aggressive Style
Extreme Style
C-HRのインテリア
判明したC-HRのインテリアに関する情報です。
左右非対称のダッシュボード
まず目につくのが左右非対称のダッシュボードですね。けれど散らかった印象はありません。ダッシュボードからドアトリムまで繋がるソフトパッドや金属調の加飾により、まとまりを持たせつつ広がりのある空間に見せています。
中央にあるのは8インチのタッチスクリーンです。ほんのちょっとだけですが、画面をドライバーの方に傾けてあるのがわかります。
なお仕向地によっては、6.1インチのタッチスクリーンが標準装備になっているようです。(オーストラリアなど)
ハイブリッド車には先進的なメーター
筒型タイプの2眼メーターの盤面には、ブルーラインを放射状に施して奥行きと先進感を表現。立体的に見せています。
2眼メーターの間には、マルチインフォメーションディスプレイとして4.2インチの高解像度TFTカラーディスプレイを配置。優れたインフォメーション性を実現しています。
質感にこだわった内装
ライバルとなる同価格帯の車だけでなく、プレミアムブランドにも対抗できるようなレベルの質感を実現しています。
合成皮革がふんだんに使われていますし、プラスチックの部分であっても、手が触れる場所にはナッパレザー風のシボが施されているなど、仕上げに抜かりはありません。
エアコン周りのピアノブラックパネルや、メーターリングおよびシフトノブのシルバーも印象的です。
日本仕様のインテリアカラーは、S/S-Tが「ブラック(上の画像のやつ)」、G/G-Tが「リコリスブラウン」となります。
充実の装備内容
レザーシート(一部に合成皮革を使用)、シートヒーター(G/G-Tのみ)、シンプルインテリジェントパーキングアシスト、8チャンネル・9スピーカーのJBLプレミアムオーディオシステムなど、ワンランク上の車を思わせる装備が用意されています。もちろんスマートエントリーやプライバシーガラスも標準装備です。
C-HRのグレード
グレード構成は非常にシンプルです。装備充実の「G」と「G-T」、標準グレードの「S」と「S-T」の計4グレードとなります。
「G」「S」がハイブリッド、「G-T」「S-T」が1.2L直噴ターボです。TはターボのTと覚えましょう。
ハイブリッドはFF、ターボは4WDという棲み分けになります。
50プリウスでは後輪を電力で駆動するe-Fourという4WDシステムがありますが、C-HRには設定されないので注意してください。
グレードごとの装備の違い
装備内容 | S/S-T | G/G-T |
---|---|---|
ホイール | 215/60R17 | 225/50R18 |
ドアベルトモール | ブラック | メッキ |
ドアウィンドウフレーム | ピアノブラック | |
フォグランプ | 無し? | LED |
ドアミラー | ヒーター付 | ヒーター・足元イルミ付 |
フロントドアガラス | UVカット | スーパーUVカット&IRカット |
インナーミラー | 防眩 | 自動防眩 |
内装色 | ブラック | リコリスブラウン |
センターコンソール加飾 | ピアノブラック | |
PWスイッチベース加飾 | ||
インパネ加飾 | 金属調 | 金属調+ソフト塗装 |
室内イルミ | なし | あり |
シートバックポケット | ||
サンバイザー照明 | ||
ブラインドスポットモニター | ||
クリアランスソナー/バックソナー |
ちなみに、電動パーキングブレーキとブレーキホールドは標準装備されています。
電動パーキングブレーキとブレーキホールドのメリットや、C-HRのライバルがどのていど装備しているかを調べてみましたので、以下のリンク先もぜひご一読ください。
トヨタC-HRには電動パーキングブレーキ&ブレーキホールドが標準装備! ライバルには付いてるの? | 車知楽
C-HRの燃費
日本のJC08モード燃費は、ハイブリッドは30.2km/L、1.2L直噴ターボが15.4km/Lとなっています。
JC08は実燃費との乖離が大きい計測方式として悪名高い代物です。
よって0.8倍したくらいの数値が、実燃費となるでしょう。ハイブリッドは24km/L前後、ガソリンターボは12.4km/L前後になると思います。
C-HRのパワートレイン
エンジン | 馬力(ps) | トルク(kgf・m) |
---|---|---|
1.2L直噴ターボ | 116 | 18.9 |
1.8L+モーター | 98+72 | 14.5+16.6 |
日本仕様にはマニュアル・トランスミッションが無い!?
はい、ありません。
日本の乗用車販売台数の98.5%をAT車が占めているので、MTの導入は単なるコスト要因です。諦めましょう。
C-HRの安全装備
C-HRには「トヨタセーフティセンスP」が装備されます。つまり……
- プリクラッシュセーフティ
- レーンディパーチャーアラート(ステアリングアシスト付)
- レーダークルーズコントロール
- オートマチックハイビーム
……以上4つの機能が搭載されるわけです。コンパクトクラスの車としては、安全装備の充実度はトップクラスですね。
C-HRの評価まとめ
この項目は国内外の自動車メディアに掲載されたモータージャーナリストのレビューから、目ぼしいものを抜粋したものです。
名前の由来
国内メディアはどれを見ても「Compact High Rider」もしくは「Cross Hatch Run-about」でしたが、海外メディアはどこも「Coupe High Rider」で統一されていました。トヨタは国内外で略称の意味を分けているのかもしれません。
エクステリアの評価
海外ではコンパクトSUVが「若い子持ち夫婦向けの車」として定着しているので、クーペライクなデザイン=都会的とは見なされないようですね。
「都会」そのものに対する認識も、日本では「かっこいい」とか「先進的」というイメージですが、欧米だと「都市の空気は自由にする」という言葉もあるくらいなので、「都会的=自由で解放的」であるという認識が強いのかもしれません。
ロールス・ロイスはショーファードリブン(運転手付きの車)の代表格なので、貴族的・封建的な車といえます。「都会的な自由」とは対極に位置しているという比喩のために、ロールス・ロイスが引き合いに出されたのでしょう。
インテリアの評価
インテリアは総じて好評なようです。意外とリアシートも広いみたいなので、使い勝手も悪くないはずです。
autoexpress.co.ukのユーザーコメントによると、フロントシートは身長186cmのユーザーでも問題なく座れたとのことです。前席はかなり広いと見てよいでしょう。
ラゲッジスペース容量は377Lだそうです。ヴェゼル(404L)には及びませんが、CX-3(350L)よりは大きいので、実用上の問題は無いでしょう。
パワートレインの評価
エンジン関係は少し物足りないという印象ですね。エンジン回転数が上がりやすいのは、最終減速比(ファイナルギア)がローギアードになっているためだそうです。プリウスより車重が重く、タイヤ外径も大きいので、エンジンに頼るしかないのでしょう。
それにしても、これほどスポーティーさを売りにしながらパワーソースはプリウスと同じというのは、羊頭狗肉と言わざるを得ません。まあ、ハイパワーバージョンは「GR(G’sが名称変更するらしい)」として出るのかもしれませんが……。
ハンドリングの評価
ハンドリングは国内外を問わず絶賛されています。早く試乗してみたいですね。
C-HR G’s
ニュル24時間参戦は布石か?
AUTO CARによると、トヨタは新型SUVのC-HRに、よりスポーティーなバージョン(おそらくG’s)を追加しようと計画中だといいます。実現すれば日産ジュークNISMOのような位置づけの車になりそうです。
スポーティーバージョン実現の可能性
C-HRの開発責任者である古場博之氏は、「具体的なことは何も決まっていない」と前置きしながらも、「(スポーティーバージョンの計画が)承認される必要がある」「強力に働きかけていく」と、かなり前置きなコメントをしています。
また、トヨタのシニアディレクターRembert Serrus氏も、「スポーティーバージョンは必要」との見解を示しています。
Serrus氏によれば、「ノーマルC-HRからの改造度合いによっては、小変更ではなく新規プロジェクトになるかも」とのことですから、かなり本格的なチューンドC-HRが登場する可能性もあるようです。
スポーツバージョンのC-HRは、トヨタ上層部から開発の承認をまだ得られていないものの、現場側はかなりのやる気を見せています。豊田章男社長が就任してからのトヨタは一貫して「車の楽しさ」を追求していますから、実現の可能性は高いといえるでしょう。
C-HRのスポーツバージョンはどんな車になるのか?
古場氏は「具体的なことは何も決まっていない」と語っていますが、ヒントすらないわけではありません。先日ニュルでレースデビューを果たしたC-HR Racingの姿は、スポーツバージョンの原型であると考えられているからです。
C-HR Racingにはガソリンエンジンの1.5L直噴ターボが搭載されており、180psを発生します。古場氏によるとスポーティーバージョンにはパワフルなエンジンが搭載されるようですから、レース仕様に準ずるものが採用されるかもしれません。
C-HR Racingのエアロパーツはリアウイングこそ巨大ですが、全体的には大人しめなデザインです。市販のスポーツバージョンでも、リアウイング以外は十分に再現可能だと思います。
レース仕様でも重量が問題になっているようなので、市販のスポーツバージョンでも軽量化が図られるはずです。ローダウンに伴うサスペンションの強化や、ホイールのインチアップ、ブレーキの強化なども施されるでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。以下の関連記事もぜひご覧ください。