WRX STI TTは、インプレッサWRカーの生まれ変わりだった!
昨日の時点では詳細不明だった「WRX STI TT」のスペックが判明しました。
目次
WRX STI TTの詳細
スバルオブアメリカがプロドライブに製作を依頼したマシンです。
2016年仕様マシンのシャシーは、2014年に製作したものをアップデートして使用しています。主な変更箇所は足回りで、マン島のバンピーな路面と、よりハイグリップなタイヤに対応するためのチューニングが施されています。
今回は完全な競技車両ということで、FIAの安全規則に基づき製作されました。安全性の向上にはこれまでのマン島タイムアタックだけでなく、WRCでの経験も活かされているそうです。
エンジン
エンジンはなんと600ps、55.3kgf・mを発生します。
WRカー用のエンジンからリストリクターを取り外したみたいなスペックだなと思ったら、エンジンパーツにはWRカーから流用品が数多く使われているんだとか。まあ、リッターあたり300psのボクサーエンジンを作ろうと思ったら、WRカーのパーツを使うのが手っ取り早いのでしょう。
とはいえアクセル全開率が75%にも上るマン島では、低速域のピックアップを重視したラリーカー用のエンジン特性はマッチしません。そこでプロドライブはエンジンを高回転型に変更し、レブリミットを8500rpmまで引き上げたそうです。
組み合わされるギアボックスもWRカーからの流用品で、パドルシフトでシフトチェンジできます。ただしギア比は推定288km/hの最高速に対応すべくハイギアード化されているようです。
ドラッグ・リダクション・システム(DRS)
F1やDTMマシンに搭載されているDRSを、WRX STI TTも採用しています。でも本来はオーバーテイクを増やすための装置のはずです。なぜタイムアタック用のマシンに採用したのでしょう?
その理由は、マン島の特殊なコース特性にあります。マン島は「超」が付くほどのロングストレートとツイスティなセクションで構成され、しかも道幅はタイトです。
ロングストレートでは大きなリアウイングは抵抗にしかなりませんが、中高速コーナーではダウンフォースがないと挙動が不安定になります。ストレートとコーナーの両方で理想的な空力を実現するのに、DRSはうってつけだったのです。
その他の要素
シトロエンのWRカーにも装着されている「EXE-TCサスペンション」が採用されました。セッティングはターマックラリーカーに近いものだそうです。
アンダーフロアは完全にフラット化され、スムーズな路面において強烈なダウンフォースを発揮します。
タイヤはダンロップスポーツMAXXのスリックタイヤで、なんとBTCCのものだそうです。ただしコンパウンドは公道使用が合法なものに変更されています。
WRX STI TTの動画
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