ファラデー・フューチャー FF91 驚異のEVだが……ホントに出るの?
電気自動車(EV)ベンチャーのファラデー・フューチャーが、同社初の市販モデルFF91を発表しました。
巨大なボディを持つSUVは、思いつく限りの技術を詰め込んだ「全部のせ」モデルとなっています。
ファラデー・フューチャーとは?
中国のメディア企業「LeEco」の支援を受けているEVベンチャーです。
とはいえ本社はアメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスにあります。
現在同社を率いているのは、ロータスやテスラのエンジニアだった経歴を持つニック・サンプソン氏です。
彼の元で1400名の従業員が働いています。
ファラデー・フューチャー FF91
FF91のサイズ
FF91はとても未来的であり、そして巨大です。
全長は5250mm、ホイールベースは3200mmもあります。
テスラ・モデルXの全長が5004mm、ホイールベースが3061mmですから、FF91の巨大さがわかりますね。
FF91のエアロダイナミクス
その巨躯にもかかわらず、FF91のCd値は0.25しかありません。
モデルX(0.24)には及びませんが、十分な数値だと思います。
その他には最近流行りのフライング・バットレスや、速度に応じて開閉するシャッター付きの22インチホイールなど、独自の装備が目を引きます。
また、ミラーレス化されていることも、空力の良さに貢献していることでしょう。
FF91のシャシー
シャシーはファラデー・フューチャーが「Variable Platform Architecture(VPA)」と呼ぶもので、バッテリー/モーターとフロアが一体構造となっています。
アクティブサスペンションを4隅に配置。
巨大な車体の回転半径を小さくするために、4WSも装着されています。
FF91のモーターとバッテリー
最高出力は1050ps、最大トルクは1800Nmという途方もないものです。
0-60mphは2.39秒と、フェラーリ488GTBよりも速いタイムを叩き出します。
しかしこれだけのハイパフォーマンスにもかかわらず、米国EPAの航続距離は378マイル(約605km)です。
130kWhもの大容量バッテリーを積んでいるからですね。
充電時間は、240Vなら4.5時間でフルチャージ可能だとか。また、200kWの急速充電にも対応しています。(テスラのスーパーチャージャーは120kW)
FF91の自動運転システム
10のカメラ、13のレーダー、12の超音波センサー、そして3D LIDARシステムを備えています。
テスラよりも多数のセンサー類を装備することで、より高度な自動運転システムを実現しているようです。
また、ドライバーが降りた状態でも自動で駐車してくれる「バレット・パーキングモード」も用意されています。
FF91のインテリア
「ゼロ・グラビティ・シート」は、その名のとおり浮遊感を感じることができるシートです。
リアシートは60°までリクライニング可能となっています。
シフターはセンターコンソールからポップアップするとのこと。
画像が無いのが残念ですが、セレクターレバーがセンターコンソール内部からせり上がってくるのでしょう。
FF91のインフォテイメント
顔認証でスマホからログインする「FFID」システムは、シート位置や各種プリセットなどを登録しておくと、全てのファラデー車で使うことができます。
キー代わりに使うことも可能なようです。
センターコンソールにはテスラのような巨大ディスプレイが設置されます。
802.11a/cのWiFiも搭載されているそうです。
FF91の発売時期・価格
発売はどんなに早くても2018年だと言われています。2019年以降にずれ込む可能性も十分にあるでしょう。
価格は15〜20万ドル程度になると見られています。
テスラ以上に高級路線のEVになりそうです。
ファラデー・フューチャーの不安要素
しかしファラデー・フューチャー社は財政不安が取り沙汰されており、それに絡んでサプライヤーへの代金未払いで告訴されています。
そんな同社に嫌気がさしたのか、昨年には2人の最高幹部が就任から短期間で辞めてしまったことも気がかりです。
FF91の市販化にこぎつけることができるのか、同社の今後の動向に要注目です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。以下の関連記事もぜひご覧ください。