インフィニティ(日産)が販売台数新記録! でもメルセデスと不仲に

テクノロジー・業界分析,批評

日産のプレミアムブランドであるインフィニティにとって、2016年はブランド新記録となる販売台数を達成した記念すべき年となりました。

しかしメルセデス・ベンツとの提携関係がギクシャクし始めているらしく、不安材料を抱えての2017年となります。

今回はインフィニティの2016年の業績と、メルセデスとの間に生じた問題についてまとめてみました。


インフィニティの2016年世界販売台数

新型QX50は、インフィニティをさらに勢いづかせるだろう。

2016年のインフィニティは、230,000台以上(前年比+7%)の販売台数を記録しました。
これはインフィニティ・ブランドの年間販売台数としては新記録です。

販売台数を地域別に見ると、アメリカが138,293台(前年比+4%)と最も多くなっています。

今のアメリカ市場で販売好調なのは、SUVとピックアップトラックだけです
しかしインフィニティのSUVラインナップは世代交代が進んでおらず、QX30以外は、他車と比較して見劣りするものばかりです。

車名 排気量(L) 座席数 登場年月
QX70 3.0〜5.0 5 2008-6
QX60 3.0 7 2012-3
QX50 2.5〜3.7 5 2007-12
QX30 2.0 5 2015-12

にもかかわらずアメリカ市場で好調な販売を記録したのですから、今後新型QX50が投入されれば、販売台数のさらなる上積みが期待できるでしょう。

インフィニティにとって2番めに大きな市場となっているのが、中国です。
2016年には41,590台(前年比+3%)を売り上げました。

ヨーロッパの販売台数は16,000台程度でしたが、前年比+140%もの驚異的な伸び率を見せています。

2016年12月には、月間新記録となる27,200台を販売したインフィニティ。
勢いは衰えるどころか、ますます加速しています。

目次に戻る

インフィニティとメルセデスの蜜月は終焉か!?

QX30は、日産とメルセデスのパートナーシップが生み出した成功例だったが……

Reutersによると、メルセデスが現在開発中の小型車用プラットフォームMFA2(次期Aクラス用)を、日産は使用しないことに決めたそうです。
提携の目的はスケールメリットの拡大なので、プラットフォームを共有しないのであれば、そもそもの目的が達成できなくなります。

ちなみに現行QX30のプラットフォームは、メルセデスのMFAプラットフォームが使われています。

日産のカルロス・ゴーンCEOは、今回の決定によって日産とメルセデスの提携関係が解消されることは無いとしています。

しかしプラットフォームが共有されなければ、10億ドルを投じて現在建設中のメキシコ・アグアスカリエンテス工場(年間30万台の生産能力を持つ)において、両社のモデルを効率よく混流生産(ひとつのラインで多品種少量生産する形態)するのは不可能です。

両社のパートナーシップは、岐路に立たされているといっても過言ではありません。

目次に戻る

最後まで読んでいただきありがとうございます。以下の関連記事もぜひご覧ください。

インフィニティ新型QX50 VC-Turbo搭載のスタイリッシュSUV

日産(インフィニティ)が可変圧縮比のVC-Tエンジンで革命を起こす!

経済効果2000兆円!? 日産が自動運転車の開発を急ぐ理由