デイリーF1ニュース(2017年4月9日号) 中国GP決勝

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今日は決勝レースの模様をお送りします。


中国GP 決勝

スタート時には雨は止んでいたものの、路面にはまだ水が残っているセミウェット・コンディションでした。
全車インターミディエイトタイヤ装着かと思いきや、カルロス・サインツ(トロロッソ)だけはスーパーソフトを装着してグリッドに付くというギャンブルを敢行。しかし濡れた路面にスリックタイヤではトラクションがかからず、スタートで大きく遅れてしまいました。

ホールショットを奪ったのは、ポールポジションスタートのルイス・ハミルトン(メルセデス)
2番グリッドスタートのセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)はやや遅れたものの、バルテリ・ボッタス(メルセデス)から2位の座をなんとか守り抜きました。

スタート直後の1コーナー

ところがもう一台のフェラーリを駆るキミ・ライコネンは、スタート直後の1〜2コーナーでダニエル・リカルド(レッドブル)に並びかけられ、結局抜かれてしまったのです。

最近のライコネンの走りはいまいち冴えない。

雨がレースを翻弄

そしてランス・ストロール(ウィリアムズ)セルジオ・ペレス(フォース・インディア)に追突されグラベルにはまったため、バーチャル・セーフティ・カー(VSC)が導入されることに。
上位陣ではベッテルがピットインしてソフトタイヤに交換したものの、それ以外はステイを選択し、戦略に早くも差が生じました。

またもや不本意な結果に終わってしまったストロール。

4周目にレース再開となりましたが、直後にアントニオ・ジョビナッツィがホームストレート上でアクアプレーニングを起こしクラッシュしたため、今度は本物のセーフティ・カーが導入されてしまいます。

褒めそやされていたジョビナッツィだが、2日連続のクラッシュで彼の評価は一変するだろう。

これでVSC中にピットを済ませたベッテルが得たアドバンテージは帳消しとなりました。
しかもVSC中は一定速度以下での走行が義務付けられるのに対し、セーフティ・カー・ラン中は隊列に追いつくまではレーシングスピードで走れるため、その分のギャップがベッテルとハミルトンの間に生じてしまったのです。

全車が1回目のピットインを終えた時点で、ベッテルの順位は5位に後退してしまいました。
ちなみにボッタスはセーフティ・カー・ラン中にスピンし、11位に順位を落としています。

驚異の追い上げ

8周目にグリーンフラッグとなりレースが再開されると、19番グリッドからのスタートながら、抜群のロケットスタートで一気に順位を上げてきたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)の独壇場となりました。
まずはライコネンをパスすると、11周目には同僚のリカルドをも抜き去り、ハミルトンを追い上げ始めたのです。

同僚のインを鋭く突いたフェルスタッペン。

同じくロケットスタートを決めたのが、フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)でした。
13番グリッドからスタートした彼は、この時点で7位を走行していたのです。

しかしアロンソのチームメイトであるストフェル・バンドーン(マクラーレン)は、20周目に燃料系統のトラブルで戦線を離脱してしまいます。

トラブル続きとはいえ、前評判ほどのパフォーマンスを見せられていないバンドーン。

ベッテルの猛追

しばらくライコネンの後について走っていたベッテルでしたが、ライコネンの前を走るリカルドのペースが遅く、ハミルトンとフェルスタッペンに引き離され始めていました。

20周目、ベッテルは少し強引にライコネンをオーバーテイク。前を追いかけ始めます。

その後リカルド、フェルスタッペンを立て続けに抜き去ったベッテルは、ファステストラップを連発。ハミルトンの追撃に移ります。

ライコネンをかわすベッテル。
リカルドにはアウトから仕掛け……
立ち上がりでサイドバイサイドに持ち込む!
次のコーナーではインとアウトが入れ替わり、ベッテルがリカルドの前に。
ベッテルが背後に迫る中で、フェルスタッペンは痛恨のブレーキロック。2位の座をあっさり譲り渡してしまった。

1ストップではタイヤがもたないことが確実な情勢になってくると、ベッテルはハミルトンよりも早くピットイン。フレッシュなタイヤでハミルトンを追い上げる作戦に出ました。

激しい鍔迫り合いの連続

しかし敵もさるもの、ハミルトンは30周近く走ったタイヤでファステストラップを記録し、ベッテルに応戦。
ハミルトンは万全のリードを築いた状態でピットインし、ベッテルの前でピットアウトすることに成功します。

好調のアロンソは、同じスペイン人のサインツと丁々発止のバトルを繰り広げ観客を沸かせたものの、ドライブシャフトを破損しリタイア。
マクラーレンのシャシーもホンダのPUも悲惨な性能ですが、アロンソの素晴らしい走りには、ファンも溜飲が下がる思いでしょう。

サインツに抜かれた後も、最後まで抵抗したアロンソ。

レース終盤にはそこかしこで見ごたえのあるバトルが展開されました。
ハースの2台は見事なオーバーテイク・ショーを披露。
マグヌッセンが8位入賞、予選で5グリッド降格ペナルティを受けたグロージャンも11位までポジションを挽回し、次戦につながる結果を残しました。

怒りのオーバーテイクで懸命に順位を挽回したグロージャン。
久しぶりの快走を見せたマグヌッセン。浮上のきっかけを掴んでほしい。

レッドブル同士のチームメイトバトルはファイナルラップまでもつれ込みましたが、苦しみながらもフェルスタッペンが勝利し、表彰台を獲得しています。

ベッテルはプッシュし続けたものの、ハミルトンはレースをコントロール。
ベッテルがペースを上げればハミルトンもそれに倣うという一進一退が続くうちに、残り周回が無くなり万事休す。
ハミルトンが中国GPを制し、F1通算54勝目を手にしました。

スタンドのファンに応えるハミルトン。

次戦バーレーンGPは、4月14日(金)に開幕します。

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