デイリーF1ニュース(2017年6月16日号)ピレリ「大半のレースで1ストップ作戦可能」 他
最新のF1ニュースをコンパクトにまとめてお送りするデイリーF1ニュース。
本日のヘッドラインは以下のとおりです。
- ピレリ「大半のレースで1ストップ作戦可能」
- FIA会長「F1はEV選手権にはならない」
- メルセデスF1代表はオコンを高く評価
- ハース「カルロス・サインツには眼鏡が必要」
それではご覧ください。
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ピレリ「大半のレースで1ストップ作戦可能」
ピレリのモータースポーツ・コーディネーターであるポール・ヘンベリー氏が、formula1.comのインタビューに答え、今年のタイヤについて語っています。
まず、メルセデスがタイヤの温度を上手く管理できない問題については、「特定のサーキットと少し関連している。バルセロナでも良かったし、シルバーストンやスパでもおそらく良い。路面のグリップ力が低いサーキットではいくつかの問題を抱えているが、シーズンを戦う中で解決すると確信している」と考えを述べました。
最近よく使われる「オーバーカット」という言葉については、「ファンの多くがオーバーカットとアンダーカットで混乱していると思う」と述べ、「しかし実際に行動を決定づけているのはトラックだ。オーバーテイクが可能かどうかでね。そして長寿命なタイヤは、タイヤ交換タイミングの自由度を広げる」とコメントしています。
オーバーカットすれば良いというものではなく、サーキットによって戦略は変わってくるということでしょう。
タイヤの長寿命に驚いたか? という質問に対しては、「正直なところ、ほとんどのトラックでは1セットのタイヤでレース距離を走りきれる。したがってトラックポジション、セーフティ・カーの導入、そしてトラックレイアウトは、チームの機会を広げるだろう」と答えています。
タイヤが長寿命で交換タイミングの自由度が高いため、スペインGPでザウバーのパスカル・ウェーレインがやったような極端なオーバーカットもできるなど、やり方次第でチャンスを得られるという点では、今年のタイヤは良く出来ていると言えるかもしれません。
Source: Everyone’s a winner – Q&A with Pirelli’s Paul Hembery | formula1.com
FIA会長「F1はEV選手権にはならない」
電気自動車(EV)が普及しつつありますが、F1がEVになることは将来的にもなさそうです。
FIAのジャン・トッド会長は、そのことを明確に否定しています。
「不可能だ。F1はまったく異なる規律に基いている」と、トッド会長は主張しました。
しかしフォーミュラEを推進してきたのは、他ならぬトッド会長です。
彼はどのようなビジョンを描いているのでしょうか?
「われわれに関与したいと望む、数多くの自動車メーカーがいる。そして世界のいくつかの大都市も、われわれに接近してきた」
「今日、F1とフォーミュラEに出ているルノーのようなブランドがある。そしてある日フェラーリがルノーに追随すると私は確信している。ぜひともそれを見てみたい」
トッド会長は、F1のハイブリッド化を高く評価しています。
EVについてはフォーミュラEにまかせ、F1は内燃機関を載せたものにしておきたいのでしょう。
F1とフォーミュラEを差別化しておきたいもう1つの理由は、コストだと思います。
フォーミュラEはワンメイクシャシーなので、F1と比べれば低コストで済みます。
F1のようなマルチメイクのレースをEV化しても、決して低コストにはなりませんから、多数の自動車メーカーを惹きつけることはできません。
2つの選手権を差別化しておけば、リスクを分散できます。
Source: No electric future for F1 says Todt | en.f1i.com
メルセデスF1代表はオコンを高く評価
カナダGPではチームメイトに一歩遅れを取ったエステバン・オコンですが、その才能は多くの人に高く評価されています。
メルセデスF1を率いるトト・ウォルフ氏もその1人です。
「フォース・インディアは、もっと多くのポイントを取れた」と、カナダGP後にウォルフはコメントしました。
この発言は、チームメイトのセルジオ・ペレスよりも、ペースで勝るオコンの方を先行させておけば、レッドブルのダニエル・リカルドを抜けたのではないか? ということを意味しています。
「彼(オコン)は素晴らしいレースをした。彼の最初のシーズンは本当に素晴らしい。正しい方法で成長しているから、いずれはスーパースターになるだろう」
オコンはメルセデスの保護下にあるドライバーですから、ゆくゆくはシルバーアローのシートに収まるかもしれません。
オコンのライバルはペレスではなく、実はバルテリ・ボッタスなのかもしれないですね。
Source: Esteban Ocon destined for stardom – Wolff | en.f1i.com
ハース「カルロス・サインツには眼鏡が必要」
ハースF1チームを率いるギュンター・シュタイナー氏は、トロロッソのカルロス・サインツに怒り心頭です。
カナダGPでサインツは、ハースのロマン・グロージャンを芝生へと押し出し、フェリペ・マッサも巻き込むクラッシュの原因を作ってしまいました。
3名ともに0周リタイアですから、被害者側のチームが怒るのも無理はありません。
ところがサインツは「ミラーを見たときグロージャンは右側にいなかったので、今振り返ってみても、実際そのとき違う行動はできなかったと思う」と述べており、不可抗力だったと主張しているのです。
サインツには次戦アゼルバイジャンGPで3グリッド降格のペナルティが課せられましたが、シュタイナー氏は罰が軽すぎると主張しています。
「グロージャンは2012年のスパ・フランコルシャンで、ブラインドスポットに居た車を見落としたがために、1レースの出場停止処分を受けた」とシュタイナー氏。
「彼(サインツ)は、バルセロナのピットレーン出口でもケビン・マグヌッセンをコース外に押し出している」
「そして彼はモントリオールでもまたやらかした。なぜなら彼はミラーを見ていないからだ。彼には大きなミラーか眼鏡が必要なんだ」
トロロッソとハースはチーム力が拮抗しているため、同じくらいの順位を走っていることが多いです。
よってバトルになることも多いのですが、その度にぶつけられていたのでは、さすがに堪忍袋の緒も切れますよね。
ドライバーの「やらかし癖」は、なかなか治るものではありません。
グロージャンのように「更生」した例の方が珍しいと思います。
サインツはかなり期待されているドライバーですが、このままだとチャンピオン争いするようなドライバーになるのは厳しいかもしれません。
Source: Haas’ Steiner unimpressed with Sainz 'who needs glasses’ | en.f1i.com
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