ダイムラーに続き、BMWとアウディもディーゼル車をリコール
先日ダイムラーがディーゼルエンジンのリコールを発表しましたが、それに続いてアウディとBMWも、ディーゼルエンジンのサービスキャンペーンやリコールを行うと発表しました。
アウディのサービスキャンペーン
6気筒と8気筒のTDIエンジンが対象です。
今回のサービスキャンペーンは、古いプログラムをアップデートすることで、ドイツにおける現行の法的要件に適合させることが目的となります。
以前のEuro5およびEuro6に適合したディーゼル車は、ダイノ(試験用の設備)で有害物質の排出量を測定していただけだったので、合法なのに実際の運転時には基準値を超える有害物質を排出しているというケースが多々ありました。
そこでドイツ連邦自動車交通局(KBA)と自動車メーカーが協議した結果、メーカー側が自主的にサービスキャンペーンを行うことで、実際の運転時でも、有害物質の排出量を基準値以下に抑えられるような対策を取るということになったそうです。
KBAはサービスキャンペーン後も調査を継続し、問題がある場合には自動車メーカー側に必要な対策を取るよう指導していくとのこと。
アウディの対象車両はヨーロッパと、アメリカとカナダ以外の市場で販売された850,000台ですが、現時点ではどの程度のコストがかかるのかわかっていません。
Source: Audi Will Update Your Modern V6 And V8 Diesel Engine For Free | carscoops.com
BMWのリコール
BMWの場合は少し事情が異なります。
ディーゼル排ガス中のNOxを分解するための尿素SCRで使用するAd Blue(尿素)タンクが小さすぎて、排ガスの浄化が適切に行われていないのではないかという疑惑がかけられていたのです。
小さなタンクをあえて使ったのは、ディーゼルの排ガス浄化システムの価格を操作するために、VW・アウディ・グループ(VAG)とBMWが共謀(つまり価格カルテル)したためだと言われていたのですが、BMWは公式声明において、この疑惑を完全に否定しました。
VAGとBMWは、たしかにAd Blueタンクについての話し合ったことがあるものの、それはインフラの問題を協議するためであり、価格の操作が目的ではなかったと、BMWは主張しています。
しかしドイツの新聞Der Spiegelは、VAGとBMWが大型ではなく小型のAd Blueタンクを使用することに同意したのは、コストを削減するためだったと報じました。
これを受けてBMWは「タンクが小さいからといって、適切に排ガスが処理されていないという批判を拒絶する」と宣言。
尿素SCRとNOx還元触媒を組み合わせることで、有害物質の排出量は合法的な基準値を下回っており、実際の運転時においても排出量は抑えられていると、BMWは胸を張っています。
にも関わらずBMWも、Euro5ディーゼルエンジンを自主的にリコールする予定です。
これは「過去数年間にわたって得られた知識」によって、これらの「エンジンの働きをさらに改善するため」なのだとか。
ダイムラーと同じで、世論に配慮し、批判を和らげるためのリコールということでしょう。
Source: BMW Denies Cartel Allegations, Recalls Euro 5 Diesels | motor1.com
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