ランボルギーニ・ウラカン・スーパートロフェオ・エボ GT3並のワンメイクレーサーが大幅進化!
ランボルギーニのモータースポーツ部門であるスクアドラコルサが、ウラカン・スーパートロフェオ・エボを発表しました。
ワンメイクレース用レーシングカーの新しいバージョンです。
変更点のほとんどは空力に関するもので、ワンメイクレース用とは思えないほど徹底した改良がなされています。
市販車に安全装備を追加しただけの、よくあるワンメイクレース車両とは次元が違うようです。
今回はウラカン・スーパートロフェオ・エボのディテールを見ていきます。
ウラカン・スーパートロフェオとは?
ヨーロッパ、アメリカ、アジア、中東の4地域で開催されている、ウラカン・スーパートロフェオというワンメイクシリーズ用の車両です。
現在は3年前に導入された「ウラカンLP620-2 スーパートロフェオ」によって行われていますが、2018年からはウラカン・スーパートロフェオ・エボに切り替わります。
現行のスーパートロフェオは、4つの選手権に合計90台がエントリーするほどの人気シリーズです。
これまでに累計150台のウラカン・スーパートロフェオがデリバリーされています。
今回のエボリューションモデルも、イタリアのコンストラクター・ダラーラ社の協力の下、チェントロ・スティーレがデザインし、スクアドラコルサが開発を担当しました。
ウラカン・スーパートロフェオ・エボの変更点
エアロダイナミクス
新開発されたカーボンファイバー製のボディキットでは、旧モデルから空力の大部分が変更されました。
変わっていないのはフロントスプリッター、フラットフロア、リアディフューザーのみです。
エアインテーク
最大の変更点は、ルーフ上のエアインテークです。
旧モデルでは両サイドにあったエアインテークをルーフ上に移したことには、2つの狙いがあります。
ひとつは5.2リッター・V12自然吸気(620ps)エンジン用のラムエアダクトとしての機能で、最高速度(リミッターで280km/hに制限されている)時のトルクを3%引き上げるものです。
もうひとつは吸入する空気の温度を下げることで、あらゆるエンジンの回転数において、トルクの向上を図ることができます。
両サイドのエアインテークが無くなったことで、空力効率も改善しました。
冷却効率を高めるために、特徴的なロッカーパネル・フィンも大型化されています。
シャークフィン
エンジンフード上に追加されたシャークフィンと、リアフェンダー上の垂直フィンにより、車両の安定性は格段にアップしました。
フロントバンパー
バンパー下部のダクト面積が拡大された他、両サイドにあるカナードの面積も大きくなっており、ダウンフォースが増大しています。
これによりダウンフォースの前後バランスが3%フロント寄りになったことで、旋回性能が向上しました。
フロントフード
ボンネットの中央には、六角形の吸気口が新たに追加されています。
これは車内へと空気を導き、ドライバー周辺の室温を改善するためのものです。
リア周りの空力
リアウイングの下にあるリアスポイラーは、以前のモデルよりも大きく平らな表面を持っています。
これによって空力効率が改善されました。
リアウイングはアルミ製の支柱に取り付けられており、翼端板は大型化された全く新しいものですが、重量は変わっていません。
当然、効率はアップしています。
エンジンからのベンチレーションも改善されており、ただ単にエンジンルーム内の換気を良くするだけでなく、リアホイールからの空気の流れをも考慮したデザインです。
リアフェンダー上部は、テールエンドに向かって平ら表面を有しています。
これは直線でも、コーナリング中であっても、一定のエアフローを確実にリアへと導き、車体を空力的に安定させるためのものです。
安全性の向上
ルーフハッチが追加されました。
ウラカンGT3にはすでに導入されていた装備です。
いざという時に車両から素早く脱出できます。
また、ボッシュのABSと、Motecによるトラクションコントロールも装着されています。
これらのドライバーズエイドは、ステアリングのコントローラーから10段階の調整が可能です。
その他の変更点
新しいエキゾーストシステムは、触媒コンバーターの設置位置が変更されています。
これにより排気温度を下げることができただけでなく、メカニックが作業しやすくなりました。
パワーステアリングポンプもサーボ・アシストが引き上げられ、フィードバックが向上しています。
ウラカン・スーパートロフェオ・エボの価格
アメリカでは295,000ドル、ヨーロッパおよびアジアでは235,000ユーロで販売されます。
アジア価格を日本円に換算すると、3149万円(1ユーロ=134円換算)です。
ちなみに旧型のウラカン・スーパートロフェオを、エボ仕様にアップグレードすることも可能です。
モンツァでは1.5秒もタイムを短縮したというエボのボディキットですから、装着する価値は十分にあるといえるでしょう。
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