新型アウディR8はEVに!?
アウディ・R8は、現行型を最後に廃止されるという噂が流れていました。
実際、ガソリンエンジンモデルは廃止されます。
しかしR8をEV(電気自動車)として存続させる方向に、アウディは方針転換したようです。
R8 e-tronの復活と捉えることもできます。
今回はEVとなる第3世代のアウディ・R8について、その概要をお伝えします。
アウディ R8 e-tronとは?
これまでに製作されたR8 e-tronは、初期に開発された「e-tronコンセプト」と、初代R8がベースとなった「R8 e-tronプロトタイプ」、そして2代目R8をベースにした「R8 e-tron 2.0」の3種類が存在します。
e-tronコンセプト
2009年に発表された初代R8 e-tronは、当初「アウディ e-tronコンセプト」と呼ばれていましたが、その見た目は明らかに「やや小さなR8クーペ」でした。
317ps・450Nmとやや控えめなスペックで、バッテリー容量も42.4kWhと少なめだったため、航続距離も248kmと不足気味でした。
0-100km/hは4.8秒、最高速度は200km/hです。
R8 e-tronプロトタイプ
2011年のフランクフルトモーターショーに、アウディはR8 e-tronプロトタイプを出展しました。
市販のR8とボディを共有し始めたのはこのモデルからです。
381ps・820Nmに強化されたR8 e-tronプロトタイプには、トルクベクタリングやカーボンファイバーの多用など、最新技術が惜しみなく投入されていました。
しかしバッテリー容量は48.6kWhと、わずかに増えただけです。
0-100km/hは4.8秒、最高速度は200km/hと、こちらも変わっていません。
その後プロトタイプはニュルブルクリンクでEVのコースレコード(当時)を記録しました。
プロトタイプも計10台生産されたものの、バッテリー技術の進歩がアウディの見込みよりも遅かったため、2013年に生産計画が中止されてしまいました。
R8 e-tron 2.0
2014年3月になると、アウディはR8 e-tronを「顧客の要望に応じて」生産することを決定。
2015年のジュネーブ・モーターショーで、第2世代のR8をベースにしたR8 e-tron 2.0を発表しました。
R8 e-tron 2.0は、462ps・919Nmにパワーアップしており、バッテリー容量も92kWhに倍増。
それにより航続距離も450kmに伸びていました。
0-100km/hは3.9秒、最高速250km/hと、動力性能もスーパーカーらしくなっています。
車重も1780kgと、スポーツカーとして許容できる範囲です。
しかしR8 e-tron 2.0は、全くと言っていいほど売れませんでした。
累計の生産台数は、100台にも届かなかったと言われています。
原因は、販売方法と価格にありました。
R8 e-tron 2.0は、興味を持った顧客が代理店経由で直接アウディ本社に行かなければ発注できず、しかも価格は100万ドル以上という高額だったのです。
おそらくアウディは、R8 e-tron 2.0を売りたくなかったのでしょう。
100万ドルのプライスタグを付けても、赤字だったのだと思います。
アウディ R8(第3世代)の概要
第3世代のR8が「e-tron」の名前を引き継ぐかどうかはまだわかっていませんが、完全なEVとなることは確実です。
新型R8のデザインは、2018年のペブルビーチ・コンクール・デレガンスで発表されたPB18 e-tronコンセプトの影響を受けるでしょう。
PB18 e-tronコンセプトは3つのモーターを搭載したEVで、バッテリー容量は95kWh、ブースト時には775ps・830Nmを発生し、0-100km/h加速はLMP1並の約2秒というものでした。
新型R8は、そのPB18 e-tronコンセプトをさらに凌駕する性能を有することになるでしょう。
新型R8の最高出力は1000ps程度になるという説が有力です。
新型R8のパフォーマンスがなぜこれほど過激なのかというと、現行のR8(つまり2代目)が、期待ほど売れなかったためです。
初代R8は、ヨーロッパで年間3000台ほど売れていたのですが、2代目ではそれが半減してしまいました。
ライバルが高性能化していく中で、R8は競争力を失ってしまったのです。
EVのスーパーカーやハイパーカーは、1000psオーバーも珍しくない時代に突入しています。
新型R8が大幅にパワーアップしたとしても、まだ足りない可能性すらあるのです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。以下の関連記事もぜひご覧ください。