サリーンS1 S7の生産中止から8年、待望の新型は軽量・ハイパワーなミッドシップスポーツ!
サリーンという自動車メーカーをご存知ですか?
アメリカ・カリフォルニア州を拠点とする会社で、かつては「S7」というスーパーカーを生産していました。
S7はゲームのグランツーリスモに収録されていましたから、見覚えがある方もいると思います。
しかし経営状態が悪化したため、S7の生産は2009年で打ち切られてしまいました。
その後は財政再建しながら、フォード・マスタングやシボレー・カマロをベースにしたコンプリートカーを生産していましたが、オリジナルのスポーツカーに関しては、何の音沙汰もなかったのです。
そのサリーンが中国資本と提携して、新たなスポーツカーの生産に乗り出します。
サリーン久々の新型車となる「S1」は、S7とは打って変わって、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)に4気筒エンジンを組み合わせた軽量スポーツカーです。
今回は中国で発表されたばかりの、サリーンS1についてお伝えします。
サリーンS1の概要
S1開発の経緯
実は、サリーンS1にはベースとなった車があります。
ドイツのアルテガGTです。
アルテガ・オートモビル社は、2012年7月に倒産したのですが、アルテガGmbhがその事業を引き継ぎ、現在では電気自動車の開発などを行っています。
サリーンはアルテガGmbhから、アルテガGTのノウハウや生産設備、ツールなど一式を購入し、S1の開発に役立てたそうです。
S1の生産体制
サリーンは米国企業ですが、S1の生産は中国・江蘇省で行われます。
生産パートナーは、中国の江蘇SECCO・オートモーティブ・テクノロジーという企業です。
この企業の詳細は不明ですが、社名から推測するに、中国の国有企業である「上海SECCO石油化学株式会社」と関係があるものと思われます。
サリーンと江蘇SECCOオートモーティブテクノロジーは、江蘇省如皋市(Rugao市と読むらしい)に合弁で工場を建設し、S1の生産にあたります。
2.68億ドルを投じた工場の生産能力は、年間15万台だそうです。
江蘇サリーンのチャールズ・ウォンCEOは、将来的にはセダンやSUVなど、あらゆる種類の自動車をRugao工場で生産するとコメントしています。
S1のエクステリア
S1のエンジン
エンジンは2.3リッター・直列4気筒ガソリンターボとなります。
最高出力は457ps、最大トルクは577Nm、最高速は290km/hです。
リッターあたり出力が約198.7psですから、かなりのハイパワーユニットといえます。
あのAMG A45と同等のエンジンを量産するなんて、果たしてサリーンにできるのか疑問ですが、実現すればスポーツカー市場に大きなインパクトをもたらすことでしょう。
S1のシャシー
シャシーは軽量だということ以外、明らかになっていません。
ちなみにアルテガGTは、アルミスペースフレームにCFRPのボディを組み合わせて作られており、車重は1116kgしかありませんでした。
サリーンS1はアルテガGTがベースですが、アルテガGTのエンジンは3.6リッター・VR6(バンク角の狭いV6のこと)だったので、直4を搭載するS1は、アルテガGTよりも軽量に仕上がるかもしれません。
もしS1の車重が1100kg程度だとすれば、パワーウェイトレシオはたったの2.4ですから、加速性能にはかなり期待できますね。
S1の価格・発売時期
北米デビューは11月下旬のLAオートショーの予定ですが、市販が開始される時期については不明です。
価格もアナウンスされていません。
しかしアルテガGTは75,000ユーロ(約995万円)で販売されていました。
中国で生産されるS1は、もう少し安価になることでしょう。
出典・参考サイト
Saleen S1 Mid-engined Supercar Launched In China | carnewschina.com
Saleen Bringing 4-Cylinder Built-in-China Supercar to US | autoguide.com
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