デイリーF1ニュース(2018年3月29日) 「白いフェラーリ」ハースに批判集中
最新のF1ニュースをコンパクトにまとめてお送りするデイリーF1ニュース。
本日のヘッドラインは以下のとおりです。
- 「白いフェラーリ」ハースに批判集中
- F1はプレミアリーグを見習うべき?
- FIA、他のサーキットでもDRSゾーンの追加を検討中
それではご覧ください。
「白いフェラーリ」ハースに批判集中
昨年型のフェラーリ・SF70Hに酷似していることから、「白いフェラーリ」と揶揄されているハース・VF-18。
そのVF-18がレッドブルに匹敵するような速さを見せてしまったのですから、ハースと中団グループで争っているライバルチームからすれば、たまったものではありません。
「これは魔法であり、F1でハース以前に行われたことはない」と批判するのは、フォース・インディアを率いるオトマー・サフナウアーです。「最小限のリソースでどうやったかは知らないが、魔法のように車を作り上げた」
「風洞も無く、開発チームも無い。どうやってやったのか私にはわからない」
ハースはイタリアのコンストラクターであるダラーラと提携してシャシーを開発していますし、そのダラーラはフェラーリの風洞を使用しています。
また、VF-18に使われている一部のパーツはフェラーリ製です。
「車を作るリソースも無く、2年間しかこのスポーツに参戦していないチームがどうしたらできるのか、私にはわからない。魔法があるのだとしたら、私もその杖が欲しいね」
「全ての空力的表面は自前でなければならないが、調査をしないかぎりはわからない」
マクラーレンのザック・ブラウンも、サフナウアーと同様の疑念を抱いています。
ブラウンは「フェラーリとハースの関係が緊密すぎないか調査すべきだ」と考えているようです。
とはいえ、F1をエキサイティングにするための方法を、図らずもハースが証明してしまったのは明らかでしょう。
F1のオーナーであるリバティ・メディアは、各チームの性能均衡を模索していますが、ハースのやり方は低コストで効率の良いものです。
それでいて表彰台を狙えるほどの速さを手に入れられるのですから、禁止するよりも認めてしまった方が面白くなると思います。
Source: Force India query “magic” Haas F1 car | crash.net
F1はプレミアリーグを見習うべき?
スポンサーの減少に悩まされているF1ですが、サッカーのイングリッシュ・プレミアリーグから学べることがあるかもしれません。
プレミアリーグの強豪クラブであるマンチェスター・シティは、SNSでシェアするコンテンツを、スポンサーのための広告スペースとして活用しています。
シティのTwitterフォロワーは610万人もいるので、有効な広告スペースとして機能しているようです。
名シーンのアーカイブ映像やドライバーやスタッフによるレースプレビューなどのシェアを通じ、ファンの経験をサポートしたり強化する活動と合わせて広告宣伝を行うことで、スポンサー企業に新たな機会を提供できるかもしれません。
F1もソーシャルメディアでの活動を活発化させていますが、各チームが配布しているコンテンツは、まだ収益化されていないようです。
F1チームはマシンの開発速度だけではなく、コンテンツの生産速度も高めていかなければならない時代といえます。
ウィリアムズ・BMW時代にNortelのスポンサーシップマネージャーとして活動していたクレア・リッチー-トムキンスによると、かつては車体のロゴを如何に露出させるかが主要な仕事だったものの、今やそれはスポンサーシップ戦略の中心では無いのだとか。
F1チームを取り巻く潜在的な機会を利用し、創造的な方法で、ファンとブランドを結びつけていかなければならないようです。
Source : F1 Sponsorship: What can be learnt from the Premier League? | sqn.agency
FIA、他のサーキットでもDRSゾーンの追加を検討中
オーストラリアGPでは、DRSゾーンが1つ追加されました。
結局オーバーテイクはあまり見られませんでしたが、FIAはこの試みを今後も続けるようです。
「われわれはDRSゾーンでできることを最適化しようと検討している」と語るのは、FIAのレース・ディレクターであるチャーリー・ホワイティングです。
「アルバート・パークは、オーバーテイクのための理想的なサーキットではない。われわれが持っていた2つのDRSゾーンは、特に効果的ではなかった」
「(新設されたDRSゾーンの)ターン12と13の間で、何かをするチャンスがあると思っていた。そしてドライバーが近づけば、ターン14での検出(ホームストレートでのDRS使用可否を判定する測定地点)を得て、それをストレートで使用するだろうとね」
「ここでは少ない何かしか提供できなかったが、オーバーテイクの機会がより多くある他のトラックでは、もっと効果的なことをしようとしている」
現状では車体後方の乱気流が強すぎて、テール・ツゥ・ノーズの状態を維持したままコーナーに進入できません。
なのでコーナーを立ち上がってストレートに出てきたときには、競っている2台の車間距離が離れてしまっていて、DRSゾーンはその距離を埋めるためだけに使われています。
この問題を解決するには、①乱気流を少なくする(=ダウンフォースを減らす)か、②ストレートを長くするしかありませんが、②は莫大なコストがかかるので、現実的には①しか選択肢がありません。
でも①をやろうとすると、空力から大きな恩恵を受けているトップチームが、こぞって反対するんですよね……。
Source: FIA could add more DRS zones at tracks this year – Whiting | en.f1i.com
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