シビックタイプRがオーストラリアでパトカーに! でも犯人は追跡しない!?
オーストラリア・ニューサウスウェールズ州の警察が、シビックタイプR(FK8)を警察車両に採用しました。
シビックタイプRといえばニュルブルクリンク最速のFF車ですから、これでスピード違反車をバンバン取り締まるのかと思いきや、犯罪者の追跡には用いられないようです。
今回はオーストラリアの警察で採用された、シビックタイプRパトカーの役割についてご覧ください。
ニューサウスウェールズ警察のシビックタイプR
ニューサウスウェールズ(以下、NSW)警察のシビックタイプRのボディ側面には、eyewatchというロゴが貼られています。
これは、ソーシャルメディアを通じて警察と地元コミュニティの結びつきを強め、犯罪を抑止しようという活動なのだそうです。
70ページ超におよぶeyewatchのフェイスブックには、1日当たり100万人ものアクセスがあるのだとか。
警察は防犯と安全のためのヒントをeyewatchのページに提供し、行方不明となった人々の情報などを得るために地域の援助を求め、そして地域の犯罪や事件、緊急事態などについてのアドバイスと情報を提供しています。
警察と市民が協力しあって、地域コミュニティを良くしていこうという取り組みのようです。
でも、なぜシビックタイプRなのでしょうか?
採用された理由は2つあります。
1つめの理由は、このシビックタイプRは無償で提供されたものだということです。
ホンダオーストラリアは「スポンサードビークル」として、FK8型シビックタイプRを12ヶ月間提供するパートナーシップ契約を結びました。
無償で提供されているわけですから、税金を使わずに済みます。
納税者にとってはありがたい話です。
一方、ホンダ側としても宣伝になりますし、地域の人たちに感謝されるわけですから、悪い話ではありません。
理由その2は、話題性です。
eyewatchは警察が市民を指導するだけの一方的なプログラムではなく、SNSを用いた双方向のコミュニケーションでなければ、犯罪の抑止や素早い検挙につながりません。
そこで、シビックタイプRのような話題性のある車の出番です。
NSW警察は、シビックタイプRを様々なイベントに連れ出し、展示します。
シビックタイプRのパトカーが来るというだけで、イベントに興味を持つ人が増えますし、タイプRの人目を引くデザインは、展示会場における会話のきっかけとして機能するので、警察と市民が交流しやすい雰囲気を作り出すのです。
NSW警察はシビックタイプRの採用により、特に若者が興味を持つことを期待しています。
日本でR35 GT-Rのパトカーが栃木県警に納車されたときも話題になりましたし、一定の効果は間違いなくあるでしょう。
ちなみにNSW警察はこれまでにも、レクサス RC Fやアウディ S7スポーツバックなどを採用し、同様の取り組みを行ってきました。
市民と警察の間にある心理的な垣根を取り除くために、日本でもこういった取り組みが行われると良いですね。
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