プジョーがル・マンハイパーカー用のハイブリッドパワートレイン(952馬力)を発表!

ル・マンなど耐久レース

プジョール・マン24時間レースに参戦するハイパーカーのパワートレインを発表しました。
LMH規定を満たしたパワートレインです。
今回はその概要をご覧ください。


プジョーのLMHパワートレイン

プジョースポールが開発した「プジョーHYBRID4 500KW」と呼ばれるパワートレインは、2.6リッター・V型6気筒ガソリンツインターボと電動モーター、そして900Vのバッテリーで構成されています。
V6のバンク角は90度で、単体重量はわずか165kgしかありません。

ICE(内燃機関)は680ps、電動モーターは272psを発生し、システム全体では952psを発生しますが、レギュレーションによってシステムの最大出力は680ps(500kW)に制限されます。
つまり電動モーターが272psを発生している時には、ICEは408psまでしか出力できません。

電動モーターはフロントアクスルに搭載され、前輪を駆動します。一方、ICEは後輪を駆動します。
つまりAWD(全輪駆動)なのですが、120km/h以下での走行時には電動アシストを使用できないレギュレーションなので、低速コーナーではRWD(後輪駆動)となります。
これはRWDのみのLMDhマシンと性能を均衡させるためです。

しかし例外もあり、ピットレーン走行時や、ピットレーンと同様の60km/h以下の速度制限がある場合には、モーターを使っての走行が可能です。

ドライバーの着座位置は地面スレスレだ。

バッテリーの充電は基本的に回生によって行われますが、レースのスタート前にはプラグインでの充電が許可されています。
また、バッテリーが空の状態のときに、ストレートエンドでICEの最高出力が700ps(515kW)に達する可能性があるため、その際には電動モーターが15kWのオルタネーター(発電機)として機能します。これは最高出力規定の例外です。

ギアボックスは7速シーケンシャル。もちろんパドルシフト付きです。

ハイパーカーは4つのホイール全てに、出力をリアルタイムにモニタリングするセンサーを装着しなければなりません。
データはFIAに送信され、性能均衡(バランス・オブ・パフォーマンス, BoP)が図られます。

プジョースポールはパートナーであるトタル(潤滑油や冷却液を担当)と共に開発を行っており、2021年前半にはベンチテストを開始、2021年末にはサーキットでのテストを開始する予定です。
レースデビューは2022年となります。

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