フェラーリにもグループBラリーカーがあった

チューニング

フェラーリにもグループBラリーカーがありました。
この308 GTBは、マラネロではなくミケロットが製作したものですが、80年代前半には中々の活躍を見せていたようです。

今回は308 GTB・グループBラリーカーの概要をご覧ください。


308 GTB・グループB by ミケロットの概要

ミケロットはグループ4レギュレーションでラリーが開催されていた時代から、既に308のラリー仕様を製作していましたが、この308 GTB・グループBに関しては、1983年に製作された4台だけなのだそうです。

ミケロット製の308 GTB・グループB仕様

マールボロのスポンサーが付いているので、1985年当時のカラーリングを再現したものと思われる。

グループB仕様だがウイングなどは装着されておらず、シンプルな印象だ。

この308は内装の除去した上で、チタン製のパーツを用いて軽量化されています。
エンジンは2.9リッター・V型8気筒ガソリン自然吸気で、4バルブ仕様。
燃料噴射はボッシュのKジェトロニックを利用したインジェクション仕様となっています。
最高出力は324psということで、リッターあたり111.7psを発生するハイチューンです。

この個体が優勝したラリーは、1983年10月のトロフェオ・ヴィラ・デステだけですが、1984年のタルガ・フローリオやラリー・コスタ・スメラルダ、ラリー・イソラ・デ・エルバなどで総合2位を獲得するなど、好成績を残しています。

ジュラコン製シフトノブはラリーカーの定番だ。

また、1983年のサンマリノ・ラリーでは、ハリ・トイボネンがこの個体をドライブしました。
兄のヘンリ・トイボネンも308 GTB・グループBで同じラリーにエントリーしていたのですが、残念ながら両者ともマシントラブルでリタイアに終わっています。

1985年にこの個体は一度ブルーに塗られているそうで、今もそのときのブルー塗装が残っている部分もあるのだとか。
その後マールボロがスポンサーに付いた際にホワイトに戻されましたが、ミケロットがリビルドする際にロッソコルサに塗り替えられたと言われています。
現在のカラーリングはマールボロ時代の再現でしょう。

90年代初頭には、サルヴァトーレ・フェラガモの息子が所有していたこともあるそうです。
一度アメリカに渡ったこの個体は、イギリス経由でヨーロッパに戻ってきました。
2007年にはフェラーリからこの個体のオリジナリティを確認する証明書を発行されています。

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