F1 モータースポーツ

F1とは555億円が393億円に負ける、政治力の世界だ。

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F1の予算は再び高騰している

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画像の出典: ja.wikipedia.org

レッドブルF1チームは、昨年4億5000万ドルを費やしたそうです。

Red Bull spent a record $310 million to race in F1 last year

リンクの表題では3億1000万ドルとなっていますが、これはレッドブル社が投入した自己資金の額です。それに賞金とスポンサーマネーを加えると、4億5000万ドル(日本円にしておよそ555億円、1ドル123円換算)となります。これはレッドブルがF1に費やした年間予算としては、過去最高額だそうです。

予算の内訳は、開発費用がおよそ1億2000万ドル、694名の従業員にかかる人件費が1億ドルとのこと。残りの2億3000万ドルの使途は不明ですが、来季から参戦するハースやマノーの年間予算がおよそ1億ドルとのことですから、年間20戦するだけでもその程度はかかるのでしょう。

となると残りは1億3000万ドルとなりますが、これは設備投資やプロモーション活動に費やされたのではないでしょうか。なお昨年は1人の従業員もリストラしていないため、レッドブルF1チーム単体ではおそらく黒字と思われます。

フェラーリやメルセデスの予算は?

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スクーデリア・フェラーリの昨年の予算額は、レッドブルとほぼ同等の4億4000万ドル程度とのことです。しかしフェラーリは分配金の面で優遇されているので、フェラーリ社からの持ち出し額はレッドブルより少ないと思われます。

意外なのがメルセデスで、昨年の彼らは3億2000万ドル「しか」使っていません。現在のターボエンジン開発のレギュレーションでは、エンジン開発がトークンによって規制されているため、レギュレーションの導入当初から競争力のあるエンジンを投入できたサプライヤーは、追加資金をそれほど投入せずとも競争力を維持しやすいのでしょう。

かつてのトヨタF1と同じ

リーマン・ショックの後、立て続けに自動車メーカーが撤退したことを受けて、F1は予算削減を打ち出しました。しかしたった数年でF1の予算規模は、リーマン・ショック前の水準に戻ってしまったのです。

かつてトヨタはF1活動に500億円以上もの予算を投じていたと言われています。現在のF1では、そのトヨタ並みの予算を組むことが当たり前になってしまいました。

トヨタが撤退したときのドル円レート(約93.5円、2009年)で換算しても、昨年のレッドブルの予算額は420億円と巨額です。にも関わらず、レッドブルは王座防衛に失敗しました。

結局F1は政治力で決まる

トヨタや第3期ホンダが勝てなかった理由の1つに、2006年10月からV8エンジンの開発が凍結されたことが挙げられます。追う者に不利で、追われる者に有利なレギュレーションが導入されたのです。

エンジン開発凍結により、空力開発の重要性はさらに高まりました。そしてブラウンGPやレッドブルの成功からもわかるように、空力開発を重点的に行い、エンジンは実績のあるものを買ってきて載せるだけというやり方が、勝利の方程式となったのです。追う側であったトヨタ・ホンダ・BMWは、F1参戦の意義を喪失し、撤退しました。

現在のF1においても、少ない予算で運営されているメルセデスエンジンのカスタマーチームが、レッドブル・ルノーやマクラーレン・ホンダを上回る成績を上げています。開発凍結は、エンジンサプライヤーの寡占化を促すものなのです。

ホンダF1の未来は暗い

メルセデスエンジンの成功は、レギュレーションを最大限に活かした競争力のあるエンジンを、多くのチームに供給したことにあります。

グランプリにおけるメルセデスエンジンのシェアが増えてしまえば、発言力が大きくなり、次のレギュレーション策定自体に影響力を行使できます。レギュレーションを変更するとなれば、カスタマーのメルセデスエンジンユーザーも反対するからです。開発凍結の緩和が進まないのもそのためです。

つまりレギュレーションの策定自体に影響力を行使することと、シェアを拡大することは表裏一体なのです。ところがマクラーレンのロン・デニスの反対により、ホンダは他チームにエンジンを供給できません。このことはホンダが政治力を獲得できないのと同義です。

失敗の本質は常に政治にある

政治力を獲得できなければ、自分たちに有利なレギュレーションにするよう働きかけることができませんから、トラック上で不利な戦いを強いられます。そしてエンジンが遅いためにシェアが伸びず、よって政治力を拡大できず……と、悪循環に嵌ってしまうのです。

V6ターボエンジン導入から1年遅れで復活したホンダにとって最大の失敗は、開発の遅れなどではなく、F1村での政治力を獲得する絶好のチャンスを逃したことにあります。ホンダは第3期F1と同様の失敗を繰り返しているのです。

今後もホンダに不利なレギュレーション変更が繰り返されるでしょう。それは日本のメーカーに対する差別などではなく、単純な政治力学なのです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。以下の記事もぜひご覧ください。

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Category: F1, モータースポーツ
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