デイリーF1ニュース(2018年4月26日) 馬力差でカバーできなくなったメルセデスのタイヤ問題

F1,デイリーF1ニュース,モータースポーツ

最新のF1ニュースをコンパクトにまとめてお送りするデイリーF1ニュース
本日のヘッドラインは以下のとおりです。

  • 馬力差でカバーできなくなったメルセデスのタイヤ問題
  • FIA、Haloへのミラーマウントを認める
  • ベトナム・ハノイでのF1開催に前進

それではご覧ください。


馬力差でカバーできなくなったメルセデスのタイヤ問題

ハマれば圧倒的な速さを見せるものの、タイヤが上手く機能しないときには、フェラーリに遅れを取ってしまうメルセデス
シルバーアローのボスであるトト・ヴォルフは、昨年型のマシン──ディーバと揶揄されていた──ほど酷くはないと語っていますが、今年は銀色のマシンがトップチェッカーを受けたことはまだありません。

しかしパット・シモンズによると、メルセデスのF1マシンは、伝統的にタイヤマネジメントを苦手としているそうです。
シモンズはトールマンやベネトン、 ルノー、ウィリアムズなどで活躍したエンジニアで、現在はロス・ブラウンとともに、F1の新レギュレーション策定する仕事をしています。

「メルセデスの歴史を振り返ってみると、彼らはこれまでタイヤマネジメントで、明確なトップに立ったことが一度も無い」とシモンズ。

「ハイブリッド以前は、今のようにエンジンの優位性が無かったため、タイヤマネジメントの問題を多く見ることができた」

「2014年から2016年にかけては、彼らの有する大きなパワー・アドバンテージによって、この問題が覆い隠されていたと思う」

「そして昨年、私たちは車が『ディーバ』と呼ばれるのを聞くようになった。それは何だ? 私の考えでは、ある週末から次のレースへのパフォーマンスの差は、空力や車両ダイナミクスのようなものでは説明できない」

原因についてシモンズは、0.1秒を稼ごうとセットアップを変更したのが裏目に出て、突然競争力を失ってしまうと、タイヤに依存せざるを得ず、結果として適切な温度でタイヤを使えなくなると説明しています。

また、シモンズによると、メルセデスのピット戦略にも穴があるのだそうです。
どうやらメルセデスは車体ではなく、オペレーションの方に問題を抱えているようですね。

Source :Mercedes tyre issues masked by power advantage for years – Symonds | en.f1i.com

目次に戻る

FIA、Haloへのミラーのマウントを認める

フェラーリ・SF71Hのミラーは、ここまでやるか! という徹底ぶり。

市販車開発では静粛性向上のために、ミラー周りの空力開発にお金をかけるようになってきました。
レーシングカーでも、昔はただ単に小さなミラーが付いていただけでしたが、現在では非常に凝った形のミラーが取り付けられています。

F1でもミラー周辺の空力開発は熾烈です。
フェラーリはミラーに穴を開けて、ミラー内部に仕込んだミニウイングで、空気流を上下に分割するということまでやっています。

ミラーをHaloにマウントする方が、空力面でのメリットがあると考えているチームもあるようです。
そこでFIAのシングルシーター部門の技術代表であるニコラ・トンバジスが、公式な回答を行いました。

「ドライバーの視界を制限することになるので、ミラーが酷く振動しないようにインストールが十分に堅牢であることを、私たちに納得させられるよう期待している」とトンバジス。

また、ミラーをHaloとサバイバルセル(シャシー側)との両方にマウントすることはできません。
救出時に作業の邪魔になると判断されました。

Haloのフェアリング内部には配線やコネクタを通すことができない(ルールで禁止されている)ので、Haloにミラーをマウントした場合には、カメラを搭載できないという問題もあります。
そのため放映権を持つFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)からクレームが来るかもしれません。

Source :FIA to allow F1 teams to mount mirrors on halo | motorsport.com

目次に戻る

ベトナム・ハノイでのF1開催に前進

F1の商業面を担当するショーン・ブラッチスは、F1をベトナムで開催するために、ハノイ政府と協力していると明かしました。

「われわれはハノイが今後数年以内に(カレンダーに)加わると考えており、その目的のためにハノイ政府と協力している」とブラッチス。

「ハノイはわれわれがダウンタウンに見に行けるストリートレースで、巨大なファンベースを活性化させることができる。テレビの視点から見ても、驚くほどのアイコンがある」

バーニー・エクレストン時代にやったF1のアジア展開は、インド、韓国、そしてマレーシアが終了し、残っているのは中国とシンガポールだけです。
ベトナムでのF1を成功に導けるかどうかは、リバティ・メディアの手腕にかかっています。
上手く行けば、以前F1開催を検討していたタイやインドネシアのような国が、再び乗り気になってくれるかもしれません。

Source: Street race in Hanoi could lead Formula One’s Asia expansion | washingtonpost.com

目次に戻る

最後まで読んでいただきありがとうございます。以下の関連記事もぜひご覧ください。