メルセデスAMGがF1エンジン搭載のハイパーカーを計画中!?

Mercedes-Benzの新車情報

mercedes-amg_f1 powered hyper car_rendered-01
予想CG

画像の出典: evo.co.uk

ハイパーカーを作るのがF1の最新トレンド? レッドブルとアストン・マーチンが組んだAM-RB 001に続き、フェラーリやマクラーレンの後を追うつもりなのでしょうか。ただしメルセデスAMGは他とは異なり、F1由来のエンジンをロードカーに搭載する計画のようです。


メルセデスAMGのハイパーカー概要

mercedes-amg_f1 powered hyper car_rendered-02
予想CG

画像の出典: autocar.co.uk

メルセデスAMGのハイパーカーには、現在のF1で無敵を誇る最強マシン「メルセデスAMG W07 ハイブリッド」のパワーユニット(以下、PU)「PU106Cハイブリッド」が搭載されるとevo.co.ukが報じています。つまり、メルセデスAMG・F1の強さの源であるERS(エネルギー回生システム)も含まれるのです。

もちろんロードカー用にデチューンはされるでしょう。F1では900馬力以上を発生するPUですが、レブリミットが15000rpmですから、騒音等の問題に対処しなければ、公道を走らせることなどとてもできないからです。

しかしレギュレーションから解放されることも合わせて考慮すれば、F1以上のハイパワー車となっても、何ら不思議はありません

現在のF1レギュレーションでは、エンジンは1.6Lターボと定められていますが、日常の使用を考慮すれば、排気量アップなどもありえるでしょう。F1のようなシングルターボよりも、レスポンスの良い小型ターボを2つ付けた方が、ドライバビリティの面では優れているかもしれません。

なんにせよ、ロードカー向きのチューニングが施されるのは間違いないでしょう。ちなみにシャシーのチューニングには、あのロータスもかかわっているとの噂です。

価格は300万ポンド(£1=¥130換算で3億9000万円)になると言われています。レッドブルのAM-RB 001とほぼ同価格ですね。AMGの50周年である2018年に発表される予定です。

目次に戻る

“Powered by F1″の歴史

F1エンジンを使った夢の車の計画は、実はこれまでにもいくつかありました。その夢の跡を見てみましょう。

ジオット・キャスピタ

JIOTTO_CASPITA_1989

画像の出典: supercars.net

日本のレーシングカー・コンストラクターである童夢が開発と製作を行いました。ジオットというのは、女性用下着を主力とするアパレルメーカー「ワコール」が出資した会社の名前です。

ワコールが出資したのは、童夢の創業者である林みのる社長の夫人(現在は離婚)が、ワコール創業家の血縁だからだと思われます。でも最大の理由は、日本がバブル景気に沸いていたからでしょうね。

ジオット・キャスピタに搭載されるエンジンは、当初スバル-モトーリ・モデルニの水平対向12気筒エンジンを予定していました。しかしコローニ・F1チームを買収してF1参戦を果たしたスバルは予備予選すら通過できず、惨敗を喫してしまいます

モトーリ・モデルニが開発した3.5L 水平対向12気筒エンジンは重く、剛性も弱かった(F1はストレスマウントなのでエンジン本体の剛性が重要)そうです。

実はF1のフェラーリも、水平対向エンジンにこだわっていた時期があります。しかしアップスイープ(車体底面後方の跳ね上げ)が上手く作れず、横幅も広いためグラウンド・エフェクトカーに不向きだったために、結局V6ターボに移行したのです。

Cカーのポルシェ956などは水平対向6気筒エンジンをわざわざ斜めに傾けて搭載し、アップスイープを確保していました。たとえモトーリ・モデルニの水平対向12気筒が軽く高剛性でパワフルだったとしても、水平対向エンジンではシャシーに対する空力面の制約が大きすぎて、当時のF1で勝つことは難しかったはずです。

キャスピタはエンジンをジャッド・GVに載せ替えて開発を進めますが、開発中にバブルが弾けてしまい、結局日の目を見ることなく博物館行きとなりました。

目次に戻る

ヤマハ・OX99-11

yamaha_ox99-11

画像の出典: gtspirit.com

ヤマハのF1エンジン・OX99を搭載した「ロードゴーイングF1」が、OX-11です。こちらのエンジンはF1の決勝にも出場しています。アロウズ・ヤマハデイモン・ヒル選手が、97年のハンガリーGPで2位を記録したのもこのエンジンです。ギアボックスさえ壊れなければ優勝だったのですが、前年チャンピオンのヒル選手を解雇したウィリアムズ・チームに一矢報いた感があり、印象的なレースでした。

OX99-11(ナインナイン-イレブンと読むらしい)のデザインは、「違いがわかる男」でお馴染みの由良拓也氏が担当。最大の特徴は、ドライバーとパッセンジャーが前後に並んで座る(つまりタンデム)シート配置になっていることです。ここらへんは、オートバイメーカーらしいといえるでしょうか。

販売価格は100万ドルと言われていたので、こちらもバブル崩壊であえなくお蔵入りとなってしまいました。最高速度350km/h、0-100km/h3.2秒というスペックになるはずだった車は、少数が現存するだけとなっています。

目次に戻る

最後まで読んでいただきありがとうございます。よろしければ以下の関連記事もご覧ください。