ステップワゴンスパーダ(クールスピリット)の口コミ・評価 過小評価の実力派!
1.5L 直噴VTECターボという話題のエンジンを搭載しているのに、いまいち人気が無いRP3ステップワゴンスパーダ。でも実際には完成度の高い実力派ミニバンです。一度試乗してみれば、ホンダの本気具合がわかる仕上がりになっています。
車の人気というのは不思議なもので、50プリウスのように「カッコ悪い」「醜い」と言われながらも売れる車があるかと思えば、RP3のように「かっこ悪い」と言われて本当に売れない車もあるのです。
でも売れ行きが悪くても性能や品質の良い車というのは、見方を変えればお得な車でもあります。値引き幅が大きく、リーズナブルな価格で購入できるからです。RP3の値引き幅も拡大しています。詳しくは記事中の項目をご覧ください。
インテリア
シート
前席はホールド性こそそこそこですが、ややシートが薄く、クッションも硬めです。硬めのシートは疲れにくいという利点もありますが、チョイ乗りだとそのメリットを感じられません。シートヒーターはCoolSpiritのみ標準装備です。
2列目は広くて快適、疲れません。キャプテンシートの場合は左右両方に肘掛けがあるのもうれしいポイントです。2列目に3人座れるベンチシートはオプションになります。
他社とは異なり、3列目シートが床下収納なので、収納時にはフラットなフロアができます。わくわくゲートの使い勝手を考えた結果でしょう。収納は半自動なので、力は必要ありません。
また、わくわくゲートの前にあるシートだけを格納しておくこともできます。
でも日産・セレナのような3列目用のシートバックテーブルはありません。
室内の質感と使い勝手
ノア/ヴォクシーよりも質感の高いインテリアです。エスクァイアのようなラグジュアリー感こそありませんが、安っぽさを感じさせない作りです。CoolSpiritにはウェーブメタル加飾が加わります。
直線基調のインパネはデザインこそ賛否両論ありますが、使いやすさやメーターの見やすさは誰もが評価するところです。
室内は同クラスのミニバンよりも、明らかに広く感じます。
スライドドアに内蔵されているロールサンシェードは、暑い日にはありがたい装備です。
ルームミラーの位置が高すぎるのが玉にキズです。
小物収納・ラゲッジスペース
最近の車としては珍しく、小物収納が豊富です。でも大きめの物を入れるフタ付きのボックスはありません。
ラゲッジスペースは十分な容量です。3列目さえ畳めば大抵の荷物は載せられます。開口部の高さも445mmと低いので、積み下ろしも楽ちんです。
ナビ・電装系
メーター・スイッチ関連
デジタルメーターに違和感を覚える人が多いようです。視線移動が少なく、見やすさは抜群なのですが……。
メーター左側のマルチインフォメーションディスプレイは、さまざまな情報を表示してくれます。メーターの色などもカスタマイズ可能です。
エアコン
トリプルゾーンエアコンでないと、3列目までまんべんなく温める(冷やす)ことができません。SPADAの場合、標準のSPADA・2WDモデルにはついていないので注意が必要です。
その他電装系
バックランプが1つだけなので、夜間のバックモニターは視認性が悪いです。
エクステリア
最近のホンダとしては珍しく、くどくない顔つきをしています。優しすぎるという声もありますが、個人的には好ましいデザインだと思いますよ。でもフロントリップスポイラーを車輪止めにぶつけやすいので要注意です。
写真よりも実車の方がかっこよく見えます。角度によって違った表情を見せてくれるので飽きません。
わくわくゲート
わくわくゲートは、3列目へのアクセスを容易にする素晴らしい装備です。ゲートのロック解除は停車時のみ可能なので、安心して子供を乗せられます。
乗り降りのしやすさ
ステップ高(フロアから地面までの高さ)は390mmなので、乗り降りもらくらくです。ノア/ヴォクシー(ステップ高360mm)ほど低くはありませんが、たった3cmなので問題にはならないでしょう。
パワートレイン
エンジンとギアボックス
VTEC TURBOはトルクフルです。きつい坂道の登りでもグイグイ加速してくれます。ターボラグも少ないので快適です。
ただし加速がいいのは60km/hまで。高速道路の速度域に入ると、ややパワー不足なのは否めません。それでも同クラスのミニバンよりはパワフルです。
トランスミッションがCVTなので、DCTのようなダイレクト感に欠けています。エンジンが良いだけに、少し残念なポイントです。
バック(後退)するときに出足が悪いとの指摘がありました。とくに坂になっているとなかなか進まなくなるようです。
燃費
実燃費は街乗り7〜10.5km/L、郊外・高速道路13〜15km/L程度です。自然吸気だった先代からの改善幅はわずかですが、重量が50kgほど重くなっていることを考えると、上出来と言えるでしょう。
ハンドリング・取り回し
運動性能
ホンダの本気を感じられるハンドリングです。ロールが少なく、ドライバーの入力に車がきちんとついてきます。車体剛性の高さが効いているようです。ブレーキの効きも素晴らしく、とてもミニバンとは思えません。横風にも比較的強いです。
パドルシフトは必須
ダウンサイジングターボの弱点の1つは、エンジンブレーキの効きが弱いことです。エンジンブレーキは排気量に依存するので、小排気量だとどうしても効きづらくなります。
しかし標準のステップワゴンには、パドルシフトの設定自体がありません。パドルシフトが標準装備されているスパーダを買うべきでしょう。パドルシフトは下り坂で真価を発揮します。
初期型ではパドルシフトがCoolSpiritにしか装備されていませんでしたが、2016年5月の一部改良で、スパーダは全車パドルシフト標準標準となりました。
視界・取り回し
視界の良さは抜群です。右左折時にストレスを感じることはありません。
5ナンバーサイズのボディは、狭い場所でも車両感覚を掴みやすいです。最小回転半径は5.4mとなります。
乗り心地・静粛性
乗り心地
コツコツと振動がありますが、気になるレベルのものではありません。2・3列目でも快適です。揺れの収まりが良いみたいですね。
Cool Spiritは17インチですが、乗り心地は16インチとさほど変わりません。
静粛性
一般的にミニバンの車内はうるさいのですが、ステップワゴンはロードノイズを上手く遮断しています。静粛性はノア/ヴォクシーよりも上です。
安全装備
◯=標準装備 △=メーカーオプション −=設定なし
安全装備 | SPADA CS | SPADA |
---|---|---|
横滑り防止装置 | ◯ | |
プリクラッシュブレーキ | ◯ | |
車線逸脱抑制 | ◯ | |
レーンキープアシスト | ◯ | |
ブラインドスポットアシスト | − | |
クルーズコントロール | − | |
ACC※1 | ◯ | |
ハイビームアシスト | − | |
アダプティブヘッドライト | − | |
ヒルスタートアシスト | ◯ | |
運転席・助手席エアバッグ | ◯ | |
サイド・カーテンエアバッグ | ◯ |
※1 アダプティブクルーズコントロールの略。
ACCが付いているものの、全車速追従機能は付いていません。つまり渋滞時には楽できないということです。
値引き額・中古車動向
値引き額
値引き対象 | 値引き額(万円) |
---|---|
SPADA CS車両本体 | 26.2 |
SPADA CSオプション | 9.7 |
SPADA 車両本体 | 31.5 |
SPADA オプション | 11.8 |
車両本体の値引き幅は拡大中のようです。買い時かもしれませんね。
中古車動向
登録済み未使用車がわずかですが出回っています(2016年8月現在)。ですが新車とあまり価格差がないので、普通に新車を買ってしまった方が良いと思います。
元試乗車だった個体もチラホラ出回っていますが、エンジンに良くない短距離走行だけを繰り返した個体ですし、管理状態がディーラーごとに雲泥の差なので、実車をきっちり確認した上で購入すべきです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。以下の記事もぜひご覧ください。