ヒュンダイのEV「コナ・エレクトリック」の爆発事故が発生

テクノロジー・業界分析

画像の出典: cbc.ca

ヒュンダイのEV(電気自動車)であるコナ・エレクトリックが、駐車してあったガレージ内で爆発するという事故が発生しました。
幸い人的被害は無かったようですが、昨年にはテスラ モデルSがやはり駐車中に爆発するなど、EVの爆発・炎上事故がこのところ増えています。

上海で発生したテスラの爆発炎上事故

今回はヒュンダイのEVが爆発した事故の詳細と、リチウムイオン電池の危険性について調べてみました。


ヒュンダイ コナ・エレクトリックの爆発事故

コナ・エレクトリック

事故があったのは、カナダ・モントリオールです。
所有者であるPiero Cosentino氏によると、爆発したコナ・エレクトリックは2019年3月に購入したばかりだそうですから、経年劣化等が原因である可能性は低いでしょう。

コナ・エレクトリックはガレージの中で爆発しました。
ガレージのドアは通りの向こう側まで吹き飛んだそうです。

爆発事故が起こったガレージ。屋根に大穴が開いている。
画像の出典: cbc.ca

Cosentino氏によると、コナ・エレクトリックは充電中ではなく、プラグすら差し込まれていなかったといいます。
リチウムイオン電池の発火要因の一つに過充電がありますが、今回の事故原因ではなさそうです。

現地の消防は、ガレージの中に爆発の原因となる可能性のあるものは、EV以外に無さそうだとコメントしています。

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リチウムイオン電池の危険性

リチウムイオン電池が普及するにつれて、発火する事故も増えています。
独立行政法人・製品評価技術基盤機構(NITE)によると、リチウムイオン電池絡みの事故件数は、2013年から2017年の5年間で2倍以上に増加し、そのうちの7割近くで火災が発生しているのだそうです。

事故を起こした製品で最も多いのがモバイルバッテリーで、次いでノートパソコン、スマートフォン、電動アシスト自転車と続いています。
今後はEVがランクインしてしまうかもしれません。

事故原因の7割が、製品に起因するものです。
製造過程でセルの内部に導電性の異物が混入したり、充放電を繰り返すうちに内部ショートが生じて異常発熱・発火に至るケースなどがあります。

バッテリーパックに衝撃が加わって破裂したり、リコール対象品のバッテリーと知らずに使い続けて発火したケースもあるようです。

EVのバッテリーは念入りに保護されていますが、衝突した場合に出火しない保証はありません。
製造段階で不具合があったならばお手上げです。
また、バッテリーが劣化すると内部ショートしやすくなると言われているため、中古EVの購入は想像以上にリスクがあるのかもしれません。
電池容量が大幅に低下したEVは止めておいたほうが良さそうです。

EVが普及している中国では、2018年に40件の発火事故が発生しています。
中国における新エネルギー車(EVやプラグインハイブリッドなど)の普及台数は、261万台だということですから、発火事故は比率としては多くありませんが、EVやPHEVが普及し始めてからの経過年数を考えると、気になるところではあります。

今後はますますEVの普及が加速していくはずなので、発火事故件数も増加するでしょう。
EVのリスクが顕在化するのは、むしろこれからなのかもしれません。

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出典・参考サイト

Hyundai Kona Electric Explodes, Blows Hole In Garage: Cause Unknown – insideevs.com

【電池はなぜ発火する?】リチウムイオン電池の発火メカニズム – kenkou888.com

5年で2倍以上に!リチウムイオンバッテリー搭載製品の事故 – nite.go.jp

中国、EV発火事故で対策強化、メーカーに指示 – nikkei.com

リチウム析出を検知してバッテリー交換の判断をする事はできるか? – daiwa-can.co.jp

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