WRX STIがプラグインハイブリッドになる?
スバルの新車情報
全てスポーツカーは低燃費化を余儀なくされる
WRX STIがプラグインハイブリッド(以下、PHV)化するのではないかとの予測記事が出てきました。
Report: Subaru WRX STI Going Hybrid for 2017?
根拠となっているのは、スバルの次期プラットフォームである「スバル・グローバル・プラットフォーム(以下、SGP)」がPHVに対応しているということのようです。
スバルは2017年に登場する新型インプレッサからSGPに切り替える予定で、インプレッサをベースとする次世代XVも、すでにPHVのテストをしています。
スバル次世代XV、2017年にプラグインハイブリッドモデル投入か!?
PHVは割高になるでしょうから、上位グレードに搭載されるはずです。WRXの最上位グレードはSTIなので、STIがPHV化するという予測にはリアリティがあります。
しかし価格帯以上に重要なことは、WRX STIがスポーツカーだということです。スポーツカーは今後さらに燃費を向上させないと、販売すること自体ができなくなる可能性が高いのです。
CAFEに苦しめられる自動車メーカー
CAFEといっても、コーヒーを飲む場所ではありません。Corporate Average Fuel Economyの略称です。その名の通り企業別の平均燃費に規制をかける方式で、EUで採用されています。
三井物産戦略研究所のレポート「世界で強化される自動車燃費規制とその影響」より引用します。2015年7月のところにpdfがあります。
EU 域内で一定数以上の販売を行ったメーカーは、 ある年に販売した全ての車両のCO2排出量を加重平均し、その値が規制値を下回っていなければ罰金を支払う。車両ごとの規制値は、重量区分によって異なるため、メーカーごとに、販売車種構成によって異なる規制値が決められ、それとの比較において規制をクリアしたかどうかが判断される。
メーカーが販売する車両の中で、もっとも燃費が悪いのはスポーツカーです。CAFE方式による規制は、スポーツカーのPHV化、もしくはEV化を推し進める圧力になっています。
メーカー平均燃費24.4km/Lの壁
EUの燃費規制では、2021年にメーカー平均燃費95g/km(24.4km/L)を達成しなければなりません。すなわちこれよりも燃費の悪い車は、規制をクリアするための障害と見なされます。
ポルシェが2020年までにEVのスポーツカーを出すと言っているのも、この規制に対応するためです。対応できなければ、自動車メーカーとして存続することすら危うくなります。
規制はスポーツカーファンにとって福音
スポーツカー潰しともとれる燃費規制ですが、実はスポーツカーにとっても悪いことばかりではありません。
燃費が最も悪いカテゴリーであること自体が、第1の理由となります。スポーツカーの燃費を改善することは、メーカー平均燃費を大きく改善することにつながるからです。
第2の理由は、スポーツカーの利幅の大きさにあります。ブランド力のあるスポーツカーは高額でも売れますから、最新技術を投入するのに適しているのです。
これらの理由によってスポーツカーは、燃費改善に取り組むことでメーカー平均燃費のリターンが大きく、そのコストを顧客に転嫁しやすいことで技術的チャレンジのリスクも比較的小さいという、メーカーにとってメリットの多いカテゴリーとなります。大型の高級セダンや高級SUVも同様です。
WRX STIのPHV化は、スバルにとって最も費用対効果が高い。
WRX STIはスポーツカーでありながも日常的な利便性も備えているので、かなりの台数が販売されている人気車種です。
メーカー平均燃費は販売台数の加重平均で求められますから、たくさん売れているスポーツカーの燃費を改善するほど、メーカー平均燃費も大きく改善されることになります。なのでWRX STIがPHV化する可能性はかなり高いと思われます。
BMW MやAMG、そしてポルシェなども、年間かなりの台数のスポーツカーやハイパフォーマンスカーを販売しているメーカーです。こうしたメーカーがスポーツカー市場に最新技術を次々と投入してくれるならば、規制はスポーツカーにとっての福音となるのではないでしょうか。
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Posted by dangoliath